ザ・グレート・展開予測ショー

闇夜。


投稿者名:hazuki
投稿日時:(01/ 8/27)

忘れたい事がある。
それは、忌まわしい記憶。
そして、今も僕をくるしめる元凶となるもの。

月の無い夜。
それならば、星々が見えるはずのそらには何も映らない。
闇夜。

もう、こじんまりとした家の中…そうそこのリビングだろうか?
男が居た。
年は幾つだろうか?その体つきからして若者だろうという事は分かる。
くたびれたスーツを身に付けておりじっと木製のイスに座っている。
顔は鉄仮面を嵌めているため、どんな顔なのか分からない。
ただ、そこから覗かれる瞳の色は哀しげである。

真っ赤に染まる視界。
衝撃。
怒声そして、悲鳴。

「!!!!!!!!」
ぐっと男性は、口の部分を手のひらで抑えた。
くのじに体が折れ曲がる。
男にとって慣れた感覚。
喉までこみあげてくる嘔吐感。
背筋からじわりと、冷たい汗が流れる。
これもなれた感覚だ。

手は口元を抑えているはずなのに手に伝わる感触はまぎれもない人以外の皮膚。
鉄の仮面をかぶっているのだから、当たり前といえば当たり前のことに妙なおかしさを感じる。
そして、どれくらい経っただろうか?
ようやく吐き気もおさまり抑えていた手を離す。
「……もう三年前なんだけどな…」
ぽつり
と陰鬱な声で男。
その瞳には、…どういえばいいのだろうか?
後悔、悲しみ、懺悔、苦しみ……いや、それら全てが含まれているのかもしれない。



どうして、僕はココにいるのだろうかと思う。
事故の中一人だけ生き残り、そして、こんな力を授かって。
別に自分も死ねばよかったなんて、そんなことは思えない。
だが、生き残るために、代償と言うものが必要ならばコレはなんだろうと思う。
事故の「唯一の生存者」の代償。
忌まわしい事故の記憶とそして、この能力。

最初に自覚したのは、病院でだった。
看護婦のやわからな優しい声と同時に聞こえる言葉。
『ひとりだけ生きてるなんて…』
『伊藤さんは、このひとを庇う形でなくなったのよね』

耳を塞いでも流れ込んでくる言葉。
いやおうなしに流れてくる人の心。
忘れようとしても、忘れきれないこころにこびりついた記憶。
安息を求め、近づいてくる今は魂。

そして、人の前にすら出ることの出来ない自分。
仮面をつけなければ生活も出来ない自分。

死にたいとは思わない。
いや思えない。
だが、今ここにいる自分が分からない。
だから、生きなければとも思う。
自分の生きる意味を見つけるために
もし、神とやらが居るのならば自分にもなにかできることがあるはずだ。
そう言っていた、外見とは裏腹に、人の良い神父の顔が浮かぶ。

なら、
生きようと思わなければ。
このチカラの本当の使い道を知るために


その瞬間まで。


数日後。男はある一人の女性とであった。
おわり
………ああもうっ(壊れてます)!
とうとう繋がり切れんかった(汗)
内容の悪さはもう気にしないでください(自爆

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa