ザ・グレート・展開予測ショー

黒(その八)


投稿者名:NATO
投稿日時:(01/ 8/27)

「それで依頼人は、どこにいるの?」
おきぬとシロは何一つとして口をきかずその上物凄い暗い雰囲気をかもし出しているという何とも楽しい電車旅行の後ホームに降り立った美神にタマモが言った。
「え、えーとたしかここまで迎えに来てるっていってたわ。」
「私達の事知ってるの?そのひと。」
「え、あはは。」
「あ、どうもーこっちです。」
そのとき駆け寄ってきたのは横島がみていたら気を失うほどに驚いたであろう人物だった。
「あなたが、依頼人の佐々川夏子さん?」
「ええ、昨日電話で“やたら暗い女の人が二人いる4人ぐみ”って聞いてたんですぐ判りました。」
さらに暗い沈黙が流れる。
「・・・あはは、ま、まあ現場に案内してくれないかしら。」
「あ、はいわかりました。」



「えーとこれなんですけど。」
何とか取り繕い家まで案内された美神一行。一通りの挨拶がおわったあと、目の前に広げられたものは一つの赤いルビーだった。
「これがどうしたの。綺麗なルビーじゃない。」
「それが・・・。」
「声が聞こえる!?」
「ええ、それで気味が悪くなって。」
「詳しくきかせてくれないかしら?」
夏子の話しを要約するとこういうことらしい。
一、たまたま路上の店でかったもの。
二、部屋においておいたら夜な夜な不思議な声が聞こえるようになった。
三、その声は、意味不明。
結局わかったのはそれだけだった。ちなみにそのことを聞いている間、例の二人は一切喋らなかった。
「これはちょっとやっかいかもしれないわね。」
「なんで?よくある宝石の除霊でしょ。」
とタマモ。
「触れるとなんとかってやつは結構あるけど、声が宝石から聞こえるってのはねー。しかも声が意味不明って事は、たんなる人間霊じゃないわ。それなら脈絡はなくても聞き取るくらいできるはずよ。まあ、宝石から声を出せる人間霊なんてそれだけでもきついけどね。おそらく低級の悪魔でしょうね。」
「なんとかなりますか?」
と夏子はいった。
「ええ、でも三日ほど掛かると思います。力を弱めれば私達でも何とかなると思いますわ。」
「じゃあ、よろしくおねがいます。その間はここに泊まってください。両親には話をつけておきます。」
「横島さんなら文殊ですぐに終わるんですよね。」
ぼそっとおきぬがつぶやいた。暗すぎる沈黙。美神が諌めようとした時夏子が言った。
「横島さんって、横島忠雄のことですか?」
「「!!」」

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