ザ・グレート・展開予測ショー

朝凪。


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(01/ 8/27)

忘れきれない言葉が
―ある。

そろそろ鶏が起き始めようとした頃。
その日の始まりの時間。
ひとりの女性が、ソファーに座り紅茶を飲んでいた。
年のころは20代前半だろうか?
艶のある亜麻色の髪に、大きな瞳そして、服装は少々露出気味だが、標準を遥かに越えるプロポーションを際立たせている。
美女というに相応しい女性である。

台所ではコーヒーが今かとばかりにやかんの中で暴れている。
だが、女性はそれにも気付かずにただ上質のソファーに身を沈めていた。
思のは二人の悪鬼。
一人はライバルの女悪魔。
一人は神の素質を持ちながら心が弱かった大悪魔。

彼女、彼は、
この世に不平を言っていた。

そして、それを信じていた。

そんな風に自分は思えない。
そんなに堕落した世界ではない。

だけど、彼らは信じている。
激しく、深く。
どんなに「善」な存在を目の当たりにしても、
それでも。

自分は二人に教えてもらう事もあった。
彼女からは、その激しいまでの攻撃を。
彼からは、この世の真理。宇宙意思まで。
結果、更に高みへと向かうであろう力を。

その二人と戦った自分とて、出来あがった人間であるとは思えない。
少しだけ否定をしたいが。

だが、不思議とその二人のこころを無駄だとは思えないのだ。
悪魔とて「完全」では有り得ないと言う事を後えたのだ。

平然と、恨み言を言っていた二人をある種、好ましく、思えるのだ。
その理由もわかっている。

女性は、そっと瞳を閉じ笑った。

二人とも、知っているから。
綺麗でない己を知って、そこから目をそらさずにそれでも、己を信じていたから。
決して都合の悪い部分ををも否定していなかったからだ。

そして、台所に向かう。
香るコーヒー独特のふみ。
こくん
と喉が上下する。
かちゃっ
コーヒーカップを棚から出す。

忘れられない言葉がある
それは自分をライバル視していた邪神がくれた言葉。
それは自分を己が欲の為に命を欲したさる最高悪魔がくれた言葉
「き、貴様だけは許さん」
何故勝てなかったのかと、疑問を残していった邪神。
「私は、もう絶えられなくなっていたのだ、悪という存在に」
死を望んでいるかのようなその最高悪魔。

私は、そんな連中と関われて、運はよかった−
女性は、死んでも言えないような事をひっそりと思った。
おわり。

ははは、はははは、ははははは、ははははははは、
・・・・・はぁ。・・辻褄が・・。もうちょっと・・ぐふっ!


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