ザ・グレート・展開予測ショー

君がいるだけで(1)


投稿者名:JIANG
投稿日時:(01/ 8/25)

「それにしてもあの子たち元気がいいわね。朝からぶっ通しでいくつアトラクションに乗ったのかしら?」
「さっき殿下たちが休憩にお寄りになったときに『これから2周目じゃ』とおっしゃっていましたけど…」
「はあ…さすがお子様たちは元気が有り余っているわね。」
「それを言うなら横島さんですねー。よく殿下とパピリオのペースに着いていけますよ。すごいですねー。」
今日は前々から天龍童子が行きたがっていたデジャヴーランドに念願かなって来ることが出来たのだった。
そのお供に妙神山から小竜姫とパピリオが、天界からは天龍童子を見張るためにヒャクメが、そして特に天龍童子とパピリオが希望して美神事務所の面々が一緒に来ていたのだった。
令子と小竜姫、ヒャクメは午前中まで天龍童子たちに付き合っていたが午後から横島にまかせてレストラン前のベンチでくつろいでいた。
おキヌも先程まで横島たちと一緒に回っていたのだが、あまりのハードスケジュールに休憩にもっどてきてからベンチの前の机に突っ伏したままでいる。
今、天龍童子と一緒にいるのはパピリオ、シロ、タマモそして少々へばりぎみな横島の4人である。
本当は横島もめったに会えない小竜姫たちといっしょにいたかったのだが、元気いっぱいのシロとパピリオの二人に両脇から引きずられるように連れていかれてしまった。
「それにしても美神さんのところに転生したての九尾の狐が居候しているなんて驚きですねー。」
「しょうがないでしょ、行きがかり上彼女を保護して置かないとこっちの身が危険なんだから」
九尾の狐であるタマモは自衛隊の依頼で令子が退治したことになっていたが、本当はそれに立ち会った横島とおキヌが仔ギツネの姿に同情し逃がしてあげたのだった。その後、タマモが『キツネうどん食い逃げ事件』を起こした時にこれ以上世間を騒がせて傾国の妖怪である妖狐が生きていたと政府機関に知られると立場上まずいので美神事務所で保護しているのだった。
「金毛白面九尾の狐と言えば日本では殺生石伝説のおかげで恐ろしい妖怪と言うことになっていますが、上古時代の中国では竜神や鳳凰には劣りますが結構力のある土地神だったんですよ」
「へー、そうなの」
「それにシロちゃん…ですか。今ではめずらしい人狼族の少女までいるなんて、ビックリですねー。」
「ああ……シロはね、―――前に大きな事件に巻き込まれてから横島のことをなぜか先生呼ばわりしてなついてるのよ」
「横島さん、シロちゃんに好かれているんですか、美神さんも大変ですね。今日はパピリオもいますし……。パピリオは今日横島さんに会うのをとっても楽しみにしていたんですよ。」
「横島さんって人気があるんですねー。両手に花ですねー。」
「まあ、横島クンは精神的にまだ子供だから、――あの子たちくらいが彼にはちょうどお似合いなんじゃない。」
横島のことなど眼中にないという態度だが、令子の口調がやや硬く感じるのは気のせいだろうか。
相変わらずの意地っ張りな様子に小竜姫はニコニコしながら(また無理しちゃって)と心の中でつぶやくのだった。

*** つづく ***

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