ザ・グレート・展開予測ショー

夜明け。


投稿者名:hazuki
投稿日時:(01/ 8/24)

苦しい。
痛い。
助けて。
怖いよ。
誰か―


まだ夜明けにも、満たない時間。
ある部屋の一室で、ひとりの少女が声も無くベットの上に腰をかけていた。
年は、十代後半だろうか?
亜麻色の髪に、大きな瞳、意思の強さを表す太い眉、そして整ったプロポーション。
どれをとっても美少女と呼ぶにふさわしい。
「…まけるもんか」
微かな、聞こえるか聞こえないかぎりぎりの大きさで少女。
その声は小さいが、確固たる意思を秘めている強い感情を「声」へと変化させたもの。
表情こそ憔悴しているが、その瞳には強い光がある。
膝の上に置いている手のひらは、強く
―それこそ、爪が手のひらに食い込むほどに強く握っている。
一筋手のひらを伝って血が流れる。
だが、少女はそれに気付かないほどに、前を見据えていた。
目の前にあるのは、何の変哲も窓、そしてその先に広がる世界。
そこを、ただただ見据えていた。

震える体を押さえつけるように、前を見る。
こんな不安定な、自分。
怖い。
と思う。
自分はこの背中に、爆弾を抱えている。
本当は、このまま一生を穏やかに暮らしたいともどこかで思う。
だけど、そんな感情には、負けない。
負けたくない。
こんな事許さない。
いや、許せない。

正義は勝つ。
悪は滅びる。
本当はこの世界がそんなに簡単という事はもう、知っている。
だけど、せめて、せめて、自分の選んだ世界の中では、そうありたいのだ。
だから闘う。
自分の感情と。
背中の爆弾と。
―GSとして。


怖いよ
苦しいよ
助けてほしいよ。
だから、動こう。
助かるように。
苦しさを乗り越えられるように。
自分デ自分を助けられるように。
そして、乗り越えられるこころをくれる人に出会えるように

だから
「負けてたまるもんか」


数日後
少女は、至って能天気な笑顔で、教会を、破門されたという神父に出会った。

おわり。
誰かわかったら凄いかも(笑)。

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