ザ・グレート・展開予測ショー

黒(その六)


投稿者名:NATO
投稿日時:(01/ 8/24)

もう遊んでる子供もちらほらと家に帰り始める夜に近い夕方。下を向きっぱなしのおきぬと夕日を眺める美智江。

「あなたが横島君に好意をもっているのは知ってるわ。まあうちの娘もだけどね。」
「・・・。」
「横島君を嫌いになりなさいなんていうつもりはないわ。好きとか嫌いってそんなに簡単なものじゃないしね。実際うちの亭主なんかほとんどジャングルの奥地でフィールドワークなのにやっぱりいまでも愛してるしね。」
「・・・」ソウイウコトジャナイ
「ルシオラさんとのことがあってあなたたちができるだけ自分の見える所においておきたいと思うようになったのも知っているわ。捕まりさえしなければルシオラとの事もなかったはずだものね。」
「・・・」ソンナニカンタンジャナイ
「だから横島君の決めたことといっても、離れていく事に納得できないのもわかるわ。」
「・・・」チガウ!
「愛するものをそばにおいて置きたい。いつもその顔を見ていたい。たしかにわかるけどそんなものが何時までも続くわけないわ。それにそれは拘束であって愛ではないわ。わかるでしょ?」
「・・・」ソンナコトハワカッテル!ダケド・・・
「それに彼はあなたのことを嫌っていなくなったわけではないわ。むしろあなた達を守ろうとして、それだけの力を手に入れようとして、あなた達の為に行ったのよ。・・・少しの間ぐらい待ってあげても良いんじゃない?」
「・・・」モドッテクル?タシカニ“ヨコシマサン”ハモドッテクル。デモ・・・
「あなたが寂しいのは分かってるわ。愛なんて理屈じゃないってさっきいったのに矛盾してるってことも。でもね、私がいま言った事に一つも間違いがないなんて言う事はできないけど、少なくてもあなたにたいして少しは参考になると思う。・・・」
その後の言葉はおきぬの耳にはとどかなかった・・・。

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