ザ・グレート・展開予測ショー

黒(その五)


投稿者名:NATO
投稿日時:(01/ 8/24)

タマモの話しが終わった後、しばらく誰も何も話さなかった。いや話せなかった。
沈黙を破ったのは美智江だった。
「あの子もあの子なりに一つ一つのことからなにかを学んでいるのよ。その事が良いか悪いかは別としてしばらく好きにさせておいたらどうかしら?」
“一つ一つのこと”のなかにアシュタロスの件が含まれているのは明らかだった。
そしてそれが美神やおきぬにとって横島に関する事の中で一番つらいことであるということも・・・。



それから数日後の日曜日

「あら、おきぬちゃん。こんな所で合うなんて偶然ね。」
美智江の声におきぬは振り向いた。もちろん偶然のはずが無い。なにしろここは中学生やら高校生が行き付けにするようなやたら甘いものばかりおいてあるパーラーと言うやつだから。いくら女とはいえ三十路をすぎた人間がくるところではない。それとなく様子を見るためわざわざ出向いてきたのである。
「美智江さん。どうしたんですか?こんなところに」
「う〜ん。おばさんだってときどきは甘いものを食べたくなるわよ。それよりおきぬちゃん。暗いわよもっと明るく!と言っても無理か。」
そのまま下を向いてしまうおきぬ。それをみて美智江は、
「少し話があるんだけど。いいかしら?」

そのまま店を出たおきぬと美智江は近くの公園のベンチに腰をかけた。

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