ザ・グレート・展開予測ショー

おとこならばっ


投稿者名:hazuki
投稿日時:(01/ 8/22)

その14)シロぴんち。
目の前にはややひきっつて居るが爽やかな笑顔の横島。
その後ろには半眼で睨んでいる太郎。
元々目つきが悪いだけにこのテの表情あまり良くない意味で似合う。
「武士なら潔く吐け」
やや低い落ち着いた声で太郎。
なぜ武士ならなのか分からないが、ここまで来て言い逃れはできないということであろう。
そしてこの【武士】と言う言葉に、シロはすこぶる弱かった。
「っく」
シロは、何か観念したように、唇を噛む。
横島は、それに何を言うでもなくただ見ていた。
と、いうかさっさと話せという思っているだけであるが。
だが、シロの言った言葉は―
「い…嫌で…ござ…る」
であった。
その様子は、さっき以上に蒼白でしかも手はふるふると恐怖のために震えており尻尾は下にうなだれている。
それでも、顔を上げてその言葉を言った。
その言葉を聞いた瞬間、横島の表情が固まり太郎の目つきが鋭くなった。
「………超特大馬鹿」
とはタマモの言葉である。
「ほおおおおっそうかああああああ」
「ほう、己は師匠にそーゆう口を利くか」
ここで二人の声音が氷点下に下がった事は言うまでもないだろう。
「み…美神殿と…誰にも言わないと約束したでござるっ!武士には二言はないでござろう!」
いや…既に約束しているという事を言ってる時点で半分破っているのであるが…
だが、ある意味もっとも苦手な二人組みだろうに、顔面蒼白で声は震えているとはいっても、抗弁しているのは感動的な(微笑ましい?)光景であった。
少しだけ太郎の表情が緩む。
「二言も三言もあってもいいだろう。」
すこしばかり柔らかい声で太郎。
その言葉もどうかと…
「無いでござる」
きっぱしとシロ
「俺はある」
さらにきっぱりと太郎。
どこどこまでも真剣だから始末に終えない。
「いや…師匠はちょっと特殊でござるから」
大体人狼の一族は、純粋で優しい種族なのだ。
なのに、この太郎と来たら人格こそ悪くはないが、ろくでもない方向へと歪んでいる。
どうやらシロは、師匠運には恵まれてないらしい。
一方横島はさらに頭痛がひどくなるのを感じていた。
なぜかこのシロの話を聞いたら、自分はものすごく後悔しそうな予感を感じたのだ。
哀しい事にこの手の予感は外れたためしがない。
もしかしたら、聞かない方がいいかも知れない。
だが、自分が何のために、戦ったのかという理由を知りたいのも本音だ。
たとえ、それがどんなに、どんなに馬鹿らしい理由でもだ。
第一こんな一銭の得にもならない事は、あの守銭奴がするわけが無い。
なら、なにか理由があるはずだ。
(………たく)
横島は、右手で頭を抑えつつ口をゆっくりと開き
「話さないなら、里に送り返すぞ」
最期通告となる言葉を紡いだ。
つづく
もう終われないーへーいっ(壊れてます)!

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa