ザ・グレート・展開予測ショー

風邪をひいた日(後編)


投稿者名:眠り猫
投稿日時:(01/ 8/20)

くはー、食った食った。
食事も終わったし、三人組も帰ったことだし・・・寝ようか。
と、いうよりそれぐらいしかする事がない。
さぁ、寝るか・・・。
・・・・・・
・・・・
・・
なんか寝れん・・・。そう思って時計の方に目をうつす。
2時・・・か。
普段なら仕事行って、セクハラでもして美神さんにしばかれてるとこだよなー。
なんか、退屈だな。休日なんかほっとんどないから、たまにはこーやって静かに過ごすのもいいんだけど。暇・・・だよな。
おキヌちゃんが美味しい飯作ってくれて、シロとタマモがくだらないことでまた喧嘩して、美神さんはセクハラする俺をまた殴ったりして・・・・・・あ、俺はここに居るんだっけ。・・・今ごろ美神さん何してるんだろう・・・。
ドンドン!
あ?ドアの方からだ。・・・誰だ?こんな乱暴なノックするような奴は。
ドンドン!!
音が大きくなってくる・・・。あああ!やめいっちゅーねん!ドア壊れるわー!!
「なんだよ!?・・・あ!?」
「よぉ、その様子じゃ風邪ひいたってのは本当らしいな。」
俺の目の前にいる男はそう言ってニヤリと笑った。身長は俺よか低くて・・・言っちゃ悪いがチビだ。目つきも鋭くてこのままガクラン着たら不良のできあがりといったところだ。雪之丞はそのまま「邪魔するぜ」と言ってズカズカ入って来た。
「ほらよ、風邪ひいたっていうから土産だ。」
袋を放り投げて俺に渡す。なんだろ?
「・・・なんだ、これは?」
「ん?知らねーの?冷蔵庫とかに入れとくと固まって冷たくなるやつだよ。最近流行ってるらしくってな。もうすでに冷たくなってるぞ。風邪にはちょうどいいだろ?」
そう言って笑った。なんかこういう悪ガキみたいな笑いは妙に親しみがもてる。悪友っていうのだろうか。ちょっとした軽い悪さというかやんちゃしてるカンジの。
今の俺のまわりは美人姉ちゃんが多いからな、こーゆー悪友みたいなのはGSの知り合いではこいつくらいだろうか?ピートは優等生っつーか真面目だし、タイガーは見た目が怖いけど根は優しいからな。カオスはじーさんだし悪友には論外。
美神さんにいたっては軽いやんちゃどころか、法外な悪どい事しまくりだしな。ま、けっこー楽しんでる俺も俺か。
「ああ、そーいやクラスの女子が持ってたな。」
果物とかより実用品を選ぶのがコイツらしいなぁ。あ?まてよ・・・
「なんでお前が流行ってる物なんか知ってんだよ?」
流行雑誌とかコソコソ読んでる雪之丞・・・。・・・・・・。本人には悪いがあんま想像したくねーな。
「なんか失礼な言い草だな・・・。弓だよ弓!アイツが前、持っててな。聞いたら「こんな物も知らないんですの!?」だってよ、あの女・・・。」
なんか後半は照れてるっぽかったが・・・そんな事はどうでもいい。とりあえず・・・
「お前・・・またデートしたのか!!?俺に断りもなく!!」
「あ、そっ、それは・・・って何でお前に断り入れなきゃなんねーだよ!!」
ちくしょぉぉぉ!!なんかスンゲー悔しい!
「はぁ、そんだけ元気がありゃ平気だな。じゃ、そろそろ俺は行くぜ。」
「ああ。あんがとな。わざわざ。・・・って、あれ?そういえば、なんで俺が風邪ひいた事知ってるんだよ?」
「ピートだよ。お前が結構ひどい風邪で寝込んでるから、近くにいったら寄ってみたらどうだ?ってな。」
あー、真面目なアイツらしいっつーか・・・。
「じゃーな。」
「おお。」



次に来たのはおキヌちゃん達だった。
「横島さーん、大丈夫ですか?」
「先生っ!無事だったでござるか!?」
「・・・横島、アンタの部屋って汚いわね。」
おキヌちゃんにシロにタマモ・・・あれ?
「ようやく仕事が終わったんです。ごめんなさい、遅くなっちゃって。」
「い、いや、そんなことないよ!あ・・・美神さんは?」
「それが、さそってみたんですが「なんで私が横島クンのお見舞いなんか行かなきゃいけないのよ!」って・・・。」
そうだよなぁ・・・。わかってたけどな・・・。
「先生、先生っ。拙者が治すでゴザル♪」
「だあぁぁっ!!やめい!顔を舐めるなーっ!うつるだろーが!!」
「そうよ、シロ。そんな不細工な顔舐めてどうするのよ。」
ぶっ、不細工とな!?確かにそんなにかっこよくはないが断じて普通以下ではないぞ!?
大体悔しいがタマモはキレイだ!そんなお前から見りゃ大抵の男は不細工になるだろうが!
「そうかしら?普通以下ではない・・・?」
「なっ、なんで・・・」
「なんでわかったかって?考えが顔に出てるのよ。」
ぐあああ!とどめか!?
「まあまあ、果物あったからむいちゃいましたけど・・・よかったかな?」
「あ、ありがとうおキヌちゃん!」
ええ子やなぁ!いつもながら天使のようだよ!
「あ、拙者ももらうでゴザル!」



だいぶん賑やかな三人も帰ってった。ああ、疲れた。もう8時かよ。
・・・けっこーお見舞いって来たよな。
愛子にピート、タイガーに雪之丞だろ。おキヌちゃんにシロにタマモ。
なんか、嬉しいよな。こんなに沢山来てくれんのは。眠れないけどな。
・・・・・・結局、美神さん来なかったか。
別にいいけどな。今日、デスクワークだったから疲れただろうし。美神さんは来なくてもこんなに大勢来てくれたんだしさ。
・・・でも、来て欲しかったよな・・・。

コンコン
「?ハイ。」
誰だ?・・・小鳩ちゃんとか?それとも誰か忘れ物?
カチャ
ドアを開けた。
そこにいたのはキレイな女性。長い髪に抜群のスタイル、「生」が溢れてるような我の強い眼・・・
「美神・・・さん?」
「・・・アンタ、私をここに居させるつもり?中に入れてよ。」
こっ、これはまさか!!い、いや、まて、忠夫!ここで野獣になるな!今までの経験が叫んでる!ここで抱き付いたらもうお終いと・・・!
し、しかし・・・なんか純粋に・・・嬉しい・・・。
「あ、す、すみません。」
俺は美神さんを中に入れた。
「まだ熱あるんじゃないの?」
「あ、ああ、そうっスね。でも少し下がったんすよ。」
「へぇ。」
う・・・なんか緊張するなぁ。今までにないようなパターンだぞ、これは!
なんか美神さんも機嫌がいい?
「やっぱ横島クンいないと八つ当たり相手がいなくてダメだわ。・・・っ!あ、こ、これは勘違いしないでよ!アクマでも八つ当たり相手がいなくてダメってことで!べつに・・・!」
「俺は、美神さんに会えなくて寂しかったですよ。」
―――――。っぁぁあ!?お、俺、今、なんて言ったぁぁ!?美神さん、赤くなって・・・可愛い・・・って思ったら思わず!ぎゃあぁ、殴られる!?
しかし、いつまでたっても鉄拳は飛んでこない。?
「そ・・・そう。」
あ、また赤くなってる?顔を背けた。・・・あんま嫌そうじゃない?
「早く仕事に戻りたいですよ。すんません。」
「ああ、そう。私、お見舞いとゆーかなんてゆーか・・・ま、いい物もって来たのよ。」
「え?」
なだ少し赤くなってる美神さんの横には袋が置いてあった。ま、まさか・・・夢の手作料理!?や、やばい、マジで嬉しすぎて倒れるかも・・・。
「横島クン・・・」
「美神さん・・・」








「ほら、食べなさいっ!ヤモリは体にいいのよ!!」
「オチが見えとんのじゃあああああっ!!!!」

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