ザ・グレート・展開予測ショー

決闘


投稿者名:ツナさん
投稿日時:(01/ 8/19)

 今の世に決闘といったら聞こえが悪いが、ほんの百年ちょいまでは日本でもどこでもいたる国生き死にをかけた決闘が、そう、日常茶飯事であったわけで。
 で今の世になってしまったからそれをやっちゃいけないというのは、それはそれでけったいな話である。
 結局のところ、薄っぺらな人権やら人命尊重とやらで、人死にがでるような危ないことはやめましょう、といっているだけだ。
 だけど、百年やそこいらで人間の感情とやらががらりと変わるとは、実際だぁれも思ってない。
 人間の本能の中には、きっと殺傷本能があるに違いない。法という理性によってそれを抑えているに過ぎない。
 でも、そんな法すら、人間の真の怒りの前には何の役にも立たないわけで。
 大げさなことを言ったが、よーするに決闘マニアは決して世の中からは消えないのである。
 「横島君、今日と言う今日は許さんぞ!!!決闘だ!!」
 こんな台詞が大好きな、オカルトGメン極東支部の副隊長、西条であった。
 きっかけはほんの些末なこと。
 横島が嫌がらせに西条の車に横島から言わせればほんの少々、傷をつけただけである。
 実際はフロントを爆の文珠で破砕し、タイヤをハンドオブグローリーで切り刻み、とどめに縦に真っ二つにした「だけ」なのだが。
 確かに日本屈指の大金持ち(我々が通常考える金持ち、とはレベルがかけ離れてはいるが)の西条にとって車の一台ごとき文字通り屁でもないのだが、西条という男、持てる財産と同じぐらい気位が高い。
 つまるところ横島ごときに自分の車を破壊されたこと、が、気に食わないだけなのである。これが令子や他の人間だったら、笑って済ますだろう。特注ジムジンをダース単位で壊されたとしても、だ。その寛容さもまた貴族たらん理由、などと言い訳をして。

 とにかく、西条はわざわざビッグエッグを一日貸しきり、更にマカロニウエスタンにでてくる町並み風のセットをくみ上げ、おまけに客までいれて、と、これは美神のしたことだが・・・とにかく決闘の舞台は、整ったのであった。

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