ザ・グレート・展開予測ショー

FORCES


投稿者名:ニエー
投稿日時:(01/ 8/19)

「ありがとう。ヨコシマ」

「ルシオラーッ!!」

「横島さんッ、横島さんッ」

・・・ふいに目が覚める。ここは・・・そうだ事務所。徹夜の仕事明けで帰ってきて美神さんに結果を報告しようとしてそのままソファーで眠っちまったんだな・・目の前には心配そうな顔をしたおキヌちゃん。ちょっと離れた机になぜか不機嫌な顔の美神さんが頬づえをついている。
またあの時の夢か・・「もう悩むのやめにします」じゃ無かったのかよ俺は・・ともかくこんな夢を見てたなんて悟られないようにしないと。

「ああっごめんごめんおキヌちゃん。なんせ貴族主義の女の現代雇用規定を無視した命令のおかげで二日前からずっと寝れなかったからついウトウトとしちゃって。」

言いつつ雇い主の攻撃に備え対ショック体整を取る。そうここで美神さんが「だれが貴族主義よッこのクソガキ!」とかいいながら俺をボコにして脇からおキヌちゃんが「まーまー」と取りなしてくれればまたいつもの日常がはじまるはず・・・・ってあれ? 

変だ。美神さんが何もしてこない。してこないがさっきより不機嫌な顔で俺をみている。
あのひとが言われっぱなしなんて物理的にありえないはずだけど?そう言えばおキヌちゃんも心配と怒りがまじったような複雑な表情をしている。

「横島さん・・・涙が・・出てます」

へっ?

言われて頬をさわる。本当だ・・濡れてる。

「まだ・・気にしてるんですね・・」

こんなときばっかり鋭いな、おキヌちゃん・・ともかくごまかさねば。

「い、いやあ き、昨日戦ったバケモンに襲われる夢みちゃって俺もまだまだ未熟だなあ。あははははは。」

自分でも情け無くなるくらい声がうわずる。誤魔化せる・・かな? 
すると、今まで黙っていた美神さんがおもむろに口を開いた。

「へーえそのバケモンの名前は『ルシオラ』っていうのかしら。たしか寝言でそういってたみたいだけど?」

俺のばか。

「忘れるなんて無理ですよね・・・・」

あたりまえだろおキヌちゃん。忘れられるもんか・・・絶対に。でも、ありがとう気を使ってくれて。

「横島クン。ウジウジするのは勝手だけど仕事に私情は挟まないでよね。私達はプロなんだから」

このクソ女・・くやしいが正論だ。実際俺も仕事中は考えないようにしてるし、考えていたらとっくの昔にルシオラの後を追っていただろう。だけどふと気を抜いたり、ぼーっとしていると駄目だ、あいつのことを思い出さずにはいられない。だからだろうか、最近はとにかくプライベートな時間を無くすように仕事に精を出している。事務所の黒字にも貢献している筈だし美神さんももっと機嫌のいい顔をしてくれてもよさそうなものなんだが。

「ともかく、仕事の報告をしてちょうだい。さっきは途中でアンタが眠っちゃって話が中途半端なままなの。現場に残されてたっていうこれの説明もね。」

そういうと美神さんは俺が現場で拾ってきたものをデスクの上に置いた。デスクの上に置かれたそれは緑色のタマゴに目、鼻、唇がいびつな形でついているような不気味なものだった。なんでこんな気色の悪いものを拾ってきたんだろう?やっぱ疲れてんのかな、俺。
ともかく、今は仕事だ。

「スンマセン。じゃあ改めて報告します。」

そして俺は今回戦った奇妙な化け物の話を始めた・・・

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