ザ・グレート・展開予測ショー

おとこならばっ


投稿者名:hazuki
投稿日時:(01/ 8/18)

「……いってえ」
横島は体を起こしながら、ずきりと腕やら頭やら体の節々に走る痛みに顔を顰めた。
痛む腕をなんとか動かして後頭部をさすってみると頭の形が変形していることに気付く。
触るだけでも結構な痛みが襲うところからついさっきの戦いの中か、倒れこむ時に頭をぶつけたのだろうかと思う。
しかし、倒れこむ時確か自分は顔からつっこんだはずだ。
その証拠に顔には擦り傷がある。
それに、頭の瘤の数は多すぎる。
ならば戦いの中と思おうとしたが、戦いの中ではそんなところを痛めるような攻撃は受けていない。
はて?
と横島が心の中で首をかしげた時(実際に首をかしげようとしたのだが体の痛みのためできなかった)視界に心底それはもう、心の底からという表現以外に言い表せない同情の表情でタマモが横島を見ているのが入った。
はたとそのタマモのその表情が目に入った瞬間。
横島もこの頭の瘤を作った原因に思い至る。
「シッ―……」
横島はその人物の名を呼ぼうとするが次の瞬間
けが人には少しばかり酷な……いや少しばかりなのか大いに疑問なのだが
「せんせーっ」
と叫びつつ太郎の元から助走をつけて、がばっと抱きついてきた。
弟子にとってみればそれは感激を表す行為なのだろうが
はっきり言わせてもらえるならば、けが人にこれはキツイ。
「いっ……!!!!!!!」
と声にならない悲鳴をあげる横島。
ぱたんと薬箱を閉じそそくさと避難するタマモ。
「せんせいっ良かったでござるっ!もうせんせいが気を失った時は拙者っ拙者!」
感極まったように涙を流し声高にシロ。
自然抱きつく力も篭る。
ちなみに今の横島は、全身打撲のようなもんだ。
そんな相手にシロ(人狼)がちからの限り抱きつく
これが拷問以外のなんであろう。
しかもシロはそんな横島の激痛に気付いてない。
……
……
哀れ横島。
そして横島が再び意識を飛ばしそうになった時
「…また気を失わせてどーすんだアホ」
不機嫌をあらわにしたような太郎の声が飛んできた。
(どうやらこんどは手を出してないらしい)
はたとシロその言葉に反応して横島を離す。
「………今日も、厄日か……」
げっそりとシロから離された横島はため息のようにつぶやいた。
どうやらまだ息はあるらしい。

14)横島よ…災難は続く。
まあ、とりあえず、まがりもなにもシロのために闘ったのに(経緯はどうあれ)とうの本人からとどめをさされそうな事態に陥った(本人←犬?)行動は置いといて、横島はさっきまで戦っていた男を見た。
(ちなみにシロは横島に説教をくらい更に太郎にも説教をくらい、いじけている)
年は20代後半といった感じだろうか?
銀色の髪を元服前の武士のように結い上げており(もっとわかりやすく言えばポニーテールみたいなものである)顔立ちはそれなりに整っていると言えるが、目つきが悪い。
三白眼とまでは言えないが、その目のせいで美形というのを躊躇ってしまう。
だが、その瞳には強く、静かな光りがある。
「強かった」
とその男こと太郎。
その声は淡々としていて冷たく感じるはずなのに何故か暖かい。
そして瞳に宿る光も優しい。
それはこの前に居る男を認めているからであろう。
すると横島は
「当然。俺に勝とうなんざ10年早い」
と唇の形を歪め言った。
(ちなみにこの台詞。横島が一回は言ってみたかった台詞でもある)
まあ満身創痍の体でほぼ無傷の人間に言えた台詞でもないが。
「そうか」
だが、太郎は頷く。
そして
「では、今度は10年と一日後だな」
と生真面目に言った。
つづく
おわれないおわれない………
だれか続きかいてくれー!!!(涙



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