ザ・グレート・展開予測ショー

黒(その三)


投稿者名:NATO
投稿日時:(01/ 8/18)

とんとんと横島の古ぼけたアパートのドアをたたく音が聞こえた。
「かぎあいてますよー」
横島の声が中から聞こえる。
・・・ガチャリ。扉の前にたっていたのは、
「タマモ!?めずらしいな〜お前が来るなんて。」
中は用意が終わっていてほとんど空っぽだった。
「・・・チョット聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
しばらくしてタマモが口を開いた。
「ああ、なんだ?」
「なんであんな見え透いた嘘ついたの?」
「またいきなり確信ついた質問だな〜もう少し遠回しにはならないのか?」
「ごまかさないで答えて!」
「・・・あいつはおれを助けてくれたけど、おれはあいつを助けられなかった。」
「あいつ?」
「気付いたんだよ。自分を犠牲にしてもヒトを守りたいなんて事は考える事自体が傲慢なんだって。もしそれをするなら、自分にもそのたいせつなひとにもおおきな嘘をつかなきゃいけないって。おれにはそんなことできない。だから自分もあいても守れる力が欲しいって、こんどこそ誰も傷つけたり失ったりしないように。だから・・・だから俺は修行しなきゃってな。」
あいつって?そう聞きたかった。でもどうしても聞けなかった。ないている横島の目を見たら。だから、代りにこう聞いた。
「その守りたい人って私も入ってる?」
「ああ、当然だろ?」
そうして横島はでかけていった。

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