ザ・グレート・展開予測ショー

またまた・タイガー黙示録


投稿者名:ツナさん
投稿日時:(01/ 8/18)

 魔理と会ってから、一週間の日々が過ぎた。
 
 魔理に会ってからタイガーは直ぐにエミの事務所に戻り、結局ピートはただの居候のみであって、これからも自分と下僕、もとい部下として仕事をしてほしいわけ、ということに相成ったわけで。
 更にきちんと転居先も決まっており、そこまで荷物を運ぶように、というところで飛び出してしまったらしいことが分かった。
 で、今は転居先である20階建てアパートの2階の自室で一人くつろいでいる。

 結局住居が代わっただけで何も変わらなかった。
 気になることッといえばお二階の住民が夜中飲み会やらなんやらやっているのかやかましいのとピートとエミの動向が心配なだけで。
 ある意味以前より気楽に生活しているといっていい。日本での一人暮らしは初めてなので何かと分からないことも多いが、細かいことはおキヌちゃんや横島が適当に世話をしてくれるので、どうにかなった。もっとも横島は世話する変わりに食料をがめていったが。

 タイガーの心の中の一角が大きく揺れ動いていた。
 まるでどちらかに傾きそうで傾かない、やたらと不安定な天秤のように、ゆらゆらと気持ちがゆれていた。
 手には一枚の走り書きが握られている。
 そこには魔理の携帯の番号が記されていた。
 先日おキヌよりてわたされたものである。心配してたから電話して上げてくださいね、といわれたものの、どうにも気持ちが乗らない。開いたり閉じたりしているうちに、もうもうじがかろうじて読めるかな、ぐらいまでしわくちゃになってしまった紙切れ。
 「とにかく、引っ越したことだけでも伝えた方がいいかのう」
覚悟を決めるように呟くと、受話器に手を伸ばした。

ぴーんぽーん

とそれとほぼ同時に玄関のチャイムがなる。横島さんかな、とタイガーは伸ばしていた手を慌てて引っ込め、玄関へと駆け寄って、覗き穴から外をうかがう。
 と、そこに立っていたのは。
「やっ、遊びにきたぜ!!」
買い物袋を両手に下げた魔理だった。

しつこく続く。

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa