ザ・グレート・展開予測ショー

狼牙(外伝その三)


投稿者名:AS
投稿日時:(01/ 8/16)



 注意書きです・・・ここに書いたのは、ただでさえお笑いに見える(七)の途中から、ふざけた展開にしただけのものです。
 ご覧になって、気分を害された方がいましたら、すみません。



 ー狼牙ー



 ぼんやりと、彼女は独りごちた。

(注意一秒・・・とか何とか、良く言ったものね・・・)

 ーしみじみと、彼女がやりきれない思いを噛みしめた瞬間ー

『無ぇーーーーー!!!何故だ!!?世の中必要以上に満たされてる奴が山ほどいやがるのに、何故俺だけが・・・!?』

 ーそんな『悲壮』を見つめー

 ゆっくりと、神無は懐から『財布』を取り出した。

(無かった事・・・そう、無かった事に・・・ふふ・・・)

 邪悪さをひしひしと感じさせる笑みを浮かべ、今度はどこからか、一枚の紙きれと、月の顔見知りから渡された、真っ赤なルージュを取り出した。

(ちなみにこの時『刀』は、神無の放つ圧倒的な負のオーラにおののき五メートル<心の距離にして、五千メートル>程、離れた場所へ退避している)

 何はともあれ、紙にさらさらとペンを走らせ、それにルージュを用いたある『細工』をし、そっと財布の中に忍ばせる。

 ーそうしてからー

 今だ必死に捜索を続けている青年に気づかれない様、咳払いをし、既に胸の内で繰り返した言葉を言う。

「財布見つかりましたよー」

 出来得る限りの屈託の無いにこやかな笑顔と共に(内には限り無い程の暗黒の悪意を秘め)そう言った彼女に対し、雪之丞は顔を輝かせた。

「ほ、ほんとか!?こ、これは・・・」

 懐に財布を入れる。財布が見つかったという安堵、そして神無の爽やかな(偽)笑顔の前に、彼は財布の中身を詳しく確かめる事を失念していた。
 
「すまねえ・・・恩に着るぜ!」
『イイエ、ソンナ・・・キニシナクテモ・・・』


 ーその後ー

 彼は苦楽を共にした戦友達、皆に別れを告げ、ただ一枚の紙きれを残し北国へと旅に出たという・・・その後、彼の姿を見た者は・・・誰もいない・・・


(・・・なんて、ね・・・クスクス・・・)

 暗い笑みを浮かべる神無に対し、ありったけの勇気を振り絞って、刀は問う。

『・・・お、お主っ、い、今何を考えてててた・・・?』


 その時、彼らに歓喜する青年の声が届いた。刀にはもう一つ、横から・・・

『・・・チッ!』


 ー刀は聞かなかった事にしたー



今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa