ザ・グレート・展開予測ショー

おとこならばっ


投稿者名:hazuki
投稿日時:(01/ 8/15)

薬箱をもって現れたタマモの姿がびくりと震える。
それはもちろん目の前の人狼の男のせいであったりする。
「この程度なら、キミの持ってきた薬で大丈夫だ」
やわらかい笑みで太郎。
先程までの底意地の悪い表情ではなく、やわらかく、優しい表情。
手当てを頼んでもいいかい?
妖狐のつくる薬は効きがいいからね。
と穏やかに太郎。
隣でシロがうさんくさそうに見ている。
いまだ横島は意識を失ったままだ。
「………仕方ないわね」
しぶしぶというか物凄く嫌そうにタマモ。
もちろん薬箱を持ってきたのなら最初からそうしようとしていた事がばればれだ。
その証拠に、口調こそ嫌そうだが頬はほんのりと照れたように赤く染まっている。
太郎は微笑ましい気持ちでその表情を見ている。
だが、それがわからない馬鹿(弟子)もいた。
「なんでござるっ!そのっ………」
とシロが言い終える前にべきっと
背中に太郎の足が飛んだ。
「オマエに人のこと言えんだろうが……」
さっきとはうってかわって低い声である。
「………なんででござるかっ!拙者はこんなにもこんなにもっ先生のことを心配してござるにっ!」
涙さえ流しつつシロ。
ちなみにその心配されている先生は、シロによってあっちの世界(綺麗なお花畑が見えるところ)へ旅たちそうだが。
太郎は今度こそ額を抑えはあ
と特大のため息をついた
わが弟子ながら見事なまでの馬鹿である。
「オマエがしたのは、心配だけだろうが」
にべもない。
冷淡な口調である。
「うっ!」
なにか思うことがあるらしく言葉をつまらせるシロ。
「俺は最初犬塚シロ氏に剣術を教える前になんて言ったか覚えてるか?」
有無を言わせぬ口調と表情である。
「………いかなる状況でも我を忘れることなかれ……でござる」
だらだらと汗を流しつつシロ。
「間違っても倒れた「先生」の襟首ひっつかまえて更にとどめ刺せなんていう我を忘れた非常識な行動取れなんて教えてない」
頭痛を感じたのか眉をしかめ太郎。
「ならば口でいってくれれば良いでござろう…いくらなんでも情け容赦なくどつかんでも」
確かに。
だが、太郎はおもいっきし手加減したらしい。
「刀が折れてなかったら日本刀投げてたのだが。」
………
そうだ師匠はこーゆう方でござった。
自分の非常識は棚にあげてこーゆうことを言う人なのだ。
「よけられなかったらどうするでござるか」
どんな答えが返ってくるか知りながらシロ。
「避けられん様な奴は俺の弟子じゃない」
はっきしきっぱし太郎。
事実拳は避けられなかったのだが……。
いやこれ以上は言うまい。
予想どうりの答えに肩を落とすシロ。
「に、してもいい先生だな」
とそんなシロを見つつ太郎。
その瞳には、柔らかい光りがある。
「腕はまあ俺に劣るが」
もちろんその言葉は過剰な自信というよりもただ単に事実を述べているわけだけだ。
「だが、センスはいいし思いっきりもいい。」
淡々とした口調なのにひどく優しく感じる。
「その上なんの容赦がないとこがいい。」
それは自分が霊破刀を作れないことを知ってそれでも尚且つ、霊破刀をつくって闘っているのだ。
まあそうしないと勝てないというのもあったのだろうが。
小さく太郎がそう言って笑った。
つづく
終わるのはいつだろう………(涙

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