ザ・グレート・展開予測ショー

風邪をひいた日


投稿者名:眠り猫
投稿日時:(01/ 8/14)

風邪をひいてしまった。
もともと風邪とかあんまりひいたりしないのだが、この夏真っ盛りに風邪をひいた。
「夏風邪は馬鹿がひく」なんて聞いたことあったような・・・。なんかムカツクな。
それにしても喉が痛いし熱っぽい・・・。仕方ないから学校と仕事に休むという連絡をいれておいた。
学校はもともとあんまり行ってないが、仕事に行けないのは嫌だな。
美神さんに会えねーし、おキヌちゃんの手料理も食えない・・・。ちくしょお、風邪で体力もないっつうのにひもじい。カップ麺でも食うか?・・・こんな時くらい豪華で栄養があって美味しい食事を、キレーで可愛くてやっさしい姉ちゃんに食わしてもらいたい・・・。
「はい、あーん♪」なんつって・・・。・・・当分かないそうにもないけどな!
あ、やべ、なんか悪化してきてやがる・・・うー、だりぃ・・・。
・・・もう昼か。今頃みんな飯食ってんだろーな。羨ましい。・・・今日午前授業だったっけ?
もう学校の予定わかんなくなってきた。最近行ってないしなぁ。そろそろ学校にも顔出さねーとまずいよなぁ。でも、そーすると仕事行けないし生活が・・・。こんなハードな生活送ってる高校生なんてほかにいんのか?いねぇと思うな・・・。
・・・・・・そーいや、仕事じゃなくて学校休んだのって久しぶりだなー。

ピンポーン♪

玄関のチャイムの音が響く。誰だよ・・・。人が具合悪くって寝てるってのに。
「はーい?」
ドアを開ける。
・・・そこにいたのはクラスメイトの女子1人に男子2人。いや、・・・まぁ普通に見りゃなかなか可愛い女子の机妖怪1人、明らかに日本人じゃなくて・・・いわゆる美形っていう半妖怪1人、見た目が一番人間っぽくない人間1人だ。
「横島クン、お見舞いに来たわ!クラスメイトのお見舞い・・・これも青春よね」
そういって愛子が目を輝かす。・・・青春大好き机妖怪なんて聞いたことない。
そう言って「おじゃましまーす」と俺の許可もろくにとらず玄関にはいってしまう。
何を言っても無駄だろうな。おとなしく3人を部屋にいれた。
「病人も看病・・・これも青春よね♪横島クン・・・あ、お米一応あるわね。台所借りるわよ。」
そういうと愛子はどこからかエプロンをとりだしていそいそと台所に入っていった。
そーいや、スーパーの袋持ってたな。材料でも買って来たのか?そーゆーとこは面倒見いいんだよな。愛子の手料理・・・腹もへってるしありがたいことだ。
「横島さん、これ果物なんですけど後で食べてください。」
そういってピートは愛子の持ってたスーパーの袋と同じのを俺に渡した。
三人で行ったらしい。机もった女の子、イタリア系の美形、巨大な大男・・・このメンツで行ったのか・・・。さぞかし注目のまとだったに違いない。
「横島サン、顔赤いノー。熱何度ぐらいあったんジャ?」
「ああ?そーいや測ってねえなぁ。体温計どこだったっけ?」
・・・その3分後。体温計にでてきた数字は38・5度・・・。うわ、こんな熱だしたのひっさしぶりだよ、マジで。どーりでこんなに具合悪いはずだ。
「なんでこんなに熱があるのに熱を測ろうとすらしないんですか・・・。タオル冷やしてきますね。」
「おう、ワリーな。」
半ば呆れてたな、ありゃ。真面目っつーか。タイガーはあんまこーゆー事に慣れてないと見える。ただでさえ狭いこの部屋、デカイ図体だからキツそうだな。
「美神さんはきてないんですかノー?」
「来てると思うか?美神さんどころかおキヌちゃんも来てないよ。今日はデスクワークらしくってな、苦戦中だと思うぜ。」
タイガーも俺も苦笑した。八つ当たり用の俺もいないから余計イライラがつのってんだろうか。
・・・それにしても暑いな。熱のせいだけじゃないな。このあっつい季節の中、こんな狭い部屋に全部で4人、しかもその内3人が男だ。しかも1人がどでかいの。料理中だし仕方ない部分もあるが・・・。あああ、クーラーが欲しい!!

「〜♪栄養のいいもの作んなくちゃ。風邪には栄養、睡眠が一番よね。・・・なんかこうしてると・・・恋人みたい・・・きゃああ♪青春〜!」
「あ、あの・・・ちょっといいかな?」
ーーーっ!!?ああ、びっくりしたぁ!ピ、ピートくん?聞こえてたかしら・・・?でも特に言ってこないし・・・きょとんとしてるから・・・だ、大丈夫よね。
で、でもなんでここに?あ、タオルを冷やしに来たのね。びっくりした・・・。
「もうすぐでできるわ。すぐ持っていくから。」
「ああ、わかった。」
少し声が上ずってたかしら・・・?気付いてないみたいだけど・・・・・・。
そっか、私以外にも2人お客がいるのよね。2人きりだったらもっと青春だったのに・・・。な、何考えてるのよ私ったら!・・・でも、ちょっと青春したかったなぁ。

あ、ピートが戻って来た。
「もうすぐでできるそうですよ。」
そう言いながらタオルを渡してくれる。・・・あー、冷たくて気持ちいいな。
「横島サン、それ頬じゃなくておでこに当てるもんじゃなかったですカイノー?」
「わーってるよ。でも気持ちいいんだよ、冷たくて。大体人前でふとんにもぐってられるかよ。」
「出来たわよ〜!今もってくから手伝って!」
あ、愛子の声だ。出来たか、もう腹ぺこぺこだよ。
「お前ら、まさか病人に手伝えなんて言わないよな?」
少し意地悪く言うとピートが苦笑した。
「はいはい、わかってますよ。」
「まったく、仕方ないノー。」
2人が立ち上がる。それと同時に愛子の姿が見えた。・・・うわ、美味そう・・・。
いいなぁ、こーゆーの。美神さんはやってくれそうにないしなぁ。
フと愛子と目が合った。・・・なんだ?いきなりそらしやがって?
「愛子、お前も熱あんのか?少し赤いぞ?」
「あっ、ううん、なんでもないの!皆の分作ったから冷めないうちに食べましょうよ!」
あ、本当だ、結構な量がある。よくそんなに材料買えたな。なんか悪いな・・・。
まぁ人の好意は素直に受け取っとくか。早く食いたいし。
「「「「いただきます」」」」
別に小学校じゃあるまいし言わなくてもいいんだが。ま、学校にこだわる奴のいるしな。
そう思いつつ一口食べる。・・・美味い!
あ?なんだ?こっち見てる。冷めちまうぞ?
「横島クン、美味しい?」
「ああ、美味いよ、かなり。こっちももらうぞ。」
そう言うと愛子は嬉しそうに笑ってから、自分も食べはじめた。
「うん、上出来。青春の味よね♪」

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