ザ・グレート・展開予測ショー

横島クンは神になれるのか?〜その34〜


投稿者名:sauer
投稿日時:(01/ 8/12)

「…で、今回の仕事内容って、一体何なんですか?」
 俺はセリカのナビシートから、横にいる美神さんに何気無しに聞いてみた。
 今、俺達は今回の仕事…つまり、除霊場所へと向かっている所だ。
あえて正確な場所は伏せるが…とりあえず、ものすごい山奥だという事だけは言える。
「(こんな場所なら、一人や二人逝ってもおかしくは無いな………)」
外の景色を見て、そう感じる。本物(?)の峠だ。はっきり言って、この手の道にはセリカが良く似合う………
…何故セリカなのか?…って言うか、コブラはどうしたんだ?という質問には…
「…そういえば、今日はいつもの車(コブラ)じゃないですね?どうしてですか?」
……小竜姫様、俺の心を読んだのか?…い、いや、まさかな………?
「あぁ、今日は一寸やっかいな仕事だから、みんなに来てもらおうと思ってね〜。
 コブラじゃ、6人も乗らないでしょ?で、折角だから新車のセリカにね…どぉ?乗り心地良いでしょ?」
美神さんが、俺と小竜姫様の質問に答えてくれた。なるほどな…アレ(コブラ)に6人はキツイよなぁ…
俺は妙に納得した。それに、言われてみればたまにはセリカに乗るのも良いよな…
「………ッ!?って、そ〜じゃなくて!!」
「?…何よ?」
「今日の仕事は何なんですかって聞いたんですよ!!それに今『一寸やっかい』だとか言いませんでしたか!?」
俺は美神さんのセリフが、どうも気になって仕方がなかった。
「………や、やぁねぇ、横島クン♪ちょっと『だけ』厄介なだけよ?…それにギャラが良いんだから!!」
…やっぱそれ(ギャラ)につられたんかいっ!!
俺は一人心の中でツッコんだ。…口には出さない。さすがに俺も馬鹿じゃない。学習能力くらいは………
「やれやれ、ね…美神さんのお金に対する執念って、横島の女性に対する執念といい勝負なんじゃない?」
「なぁっ!?タマモッ!!失礼な事言うなっ!!いくらせんせいでも美神どのより強い執念を持っているわけなかろう!?
 ………ねっ?せんせい♪…おキヌどのもそう思うでござろ〜?」
「えっ、わっ、わたし?わ、わたしは………そのぉ〜…(あぅあぅ…)」
………まっ、マズイ!!タマモ、シロッ!『なんて事をッ!?』
はっきり言って、俺は焦った!!何故かって!?
『今ハンドルを握っている人物が誰か?』って事を考えれば、そんな事は理解できるはずだ!!
俺は、『その人物』の横顔を、そぉ…っとうかがった。
………その表情は、『嵐の前の静けさ』と言うべきものだったのかもしれない………
俺は全てを覚悟し、あまり意味が無いと思いつつも、シートをずらし、脚と腕を車内で固定させた………


――数時間後――
「「「………き、気持ち悪い(でござる)………」」」
 ………俺の予想していたものよりもキツかったが…俺達は何とか峠をクリアした。
「………あらぁ?シロもタマモも、情けないわねぇ…おキヌちゃんまで…大丈夫?」
「……美神さん。おキヌちゃんに罪は無いでしょ…?」
そう言いながら、俺と小竜姫様は苦笑した。
俺はかろうじて立っている状態だったが…………………あ…れ………?
突然、俺は一瞬意識が『飛んだ』気がした。
「…ッ!?横島さんッ!!」
………小竜姫様の表情が…険しくなる。
今、体中から力が抜けたような気がしたが………ま、まさかな?まだ『早すぎる』もんな…
「大丈夫ですか?」
小竜姫様が、肩を貸してくれているが…
「…は、はい、大丈夫です……」
…幸いな事に、『今の』をみんなに見られずにすんだ様だ。
あまり長くこうしているのも不自然だしな……
「(小竜姫様、もう良いです、これ以上やると…不自然ですから…)」
「(し、しかし…!)」
「(お願いします、小竜姫様。せめてこの仕事が終わるまで、俺の事は内緒にしておいて下さい…)」
「…わかりました、そのかわり………」
小竜姫様は納得してくれたのか、俺の腕を解放してくれた。そして…傍らにあった、俺の荷物(正確には美神さんの)
を手にとると、ひょいっと担ぎ上げる。
「あ、小竜姫様?それは俺の仕事……」
「ダメです、横島さん。コレくらいはやらせてください」
「し、しかし…!」
先程とは立場が変わってしまった。俺は小竜姫様…つまり、女性、しかも神様に荷物もちなんてさせる訳には…
という気持ちで、かえって気を使ってしまう。
「?………あんた達、何やってんの?…って、あ!!横島クン!!小竜姫様に荷物もちなんてさせて…何考えてんの!!」
「え!?い、いや、コレは………」
美神さんに突然指摘され、俺は更に焦った。
「いえ、美神さん。わたしがお願いしたんですよ、横島さんに」
小竜姫様がすかさずフォローを入れる。
「え?何で………?」
「いえ、最近の人は、どんな道具を使って除霊するのか、と思いまして…」
「そ、そぉ?(それと荷物持ちと、どう関係が………?)」
「とにかく、今日は私が横島さんの荷物を持ちますから」
そう言って、にっこりと笑う。………これでは、美神さんも何も言えないかもな…
「そ、そぉ?ま、まぁ、小竜姫様がそこまでおっしゃるのなら…
 と、とにかく、依頼人と仕事の相談しに行くから、ついてきてください」
俺達二人にそう言うと、シロとタマモ、おキヌちゃんに声をかけた。
俺と小竜姫様は顔を見合わせると、軽く笑みを交わすと、美神さんに続いた………



―――今回のお話も『繋ぎ』次回は『ふるえるぞハート 燃えつきるほどヒート!』
 になるように、戦闘シーンを書きます。って言うか、おそらく戦闘のみ!!(汗)
 と、とにかくっ!今回も読んでくださった方、感謝です!!(コメント返し、一寸遅れます)

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