ザ・グレート・展開予測ショー

狼牙(外伝その二)


投稿者名:AS
投稿日時:(01/ 8/12)

 
 注意書きです・・・これは(六)の途中からを、違う方向に持っていっただけのお話です・・・読んで気に障った方がいたら、申し訳ありません。



 ー狼牙ー(外伝)


 
 襲ってきた刀の前で膝を着き、そいつはこう言った。
『護る者よ・・・私は月神族が一人・・・神無でございます・・・決して盗人などではありません・・・』
 神『無』・・・?違和感を感じ、口を開こうとしたところで、その女はビッ!と、こちらを指してきた。

『・・・盗人はこの男ですっっっ!!!』

 洒落にならねえ事を言い放ちやがった。

『・・・・・・・・・・・・何?』

 一瞬、完全に惚ける。

『やはりそうか!道理で見ておれば貧相かつ、貧乏くさい霊波を撒き散らしとるわけだ!おまけについ先程にでも誰かに、完全完璧完膚無きまでにボロッボロ!に!負けた様な面構えー・・・』

『待たんかコラァァ!!・・・て!な、何ぃぃぃ!!?』

 惚けているには余りにも、聞き捨てならない台詞に激昂し、怒鳴り散らしたのも束の間ー・・・襲いかかって来やがった刀を、慌てて避ける。
『盗人め!斬るっ!斬り捨ててくれるっっ!!!』
「待て待て待てぇ!俺は盗もうなんてこれっぽっちもー!!」
『シラをきるか!嘘つきは泥棒の始まり!うぬぬ・・・この盗人がーーーー!!!!』
「まともに会話をして!話を聞けぇーーーーー!!!!」

 紙一重でー・・・必死に斬撃、刺突をかわしつつ、叫ぶ。

 そうしていると、含み笑いが聞こえてきた。

『ウフフフフ・・・!』

 ゾクゥ!
 凍てつく様な感覚。背筋を伝わる何か。耳に届いた笑い声は凄まじい寒気を抱かせた。同様に動きを停めた刀から目をそらし、見やる。その瞬間。

 ドビュン!

 刀が急速に、そして爆発的に、女に向かって突き進む!
 女が黙って手を差し出すと、刀は急停止して、ゆっくりと女の手に近づいた。
『ふふふ、私達の心は一致している・・・!』
 怪しげなオーラに一歩退くと、向こうも一歩進む。距離は変わらない。
(狼牙は・・・あの人に!そう・・・月を救ったあの人に渡すべきのよ・・・!)
(・・・斬れる!斬れるのだ・・・!人を!思う存分に・・・正義はこちらにあるのだから!)

 アブなさ以外に一致してない心中をよそに、同時に言う。

『狼牙は・・・渡さん!』

 神無が刀を手にする。白刃が髪を薙ぐ。(雪之丞の)

『ふざけるなぁぁぁーーーーーーーーー!!!!!!』

 悲鳴と共にー、雷鳴が鳴り響いたー




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