ザ・グレート・展開予測ショー

犬飼ポチの復讐(9)「横島とシロの散歩編2」


投稿者名:G-A-JUN
投稿日時:(01/ 8/11)

横島とシロは事務所を目指して空を飛んでいたが、文珠の霊力が少し不足していたため高さが下がってきていた。
「霊力が足りなかったのか。もう少しだなんとかもってくれ。」
しかし、文珠は消えてしまって2人は地面に降りることになった。
「やっぱだめだったか。ルシオラすまないな。何度も助けてもらちゃって。ええっとここは、・・・俺のアパートの近くじゃん!!」
(どうする!?シロはまだ意識が回復していないから俺のアパートで休ませるべきか。まあルシオラが俺を見ているから多分大丈夫か。何より道行く人の反応が一番怖い!!)
そう思ってひとまずシロを自分のアパートで休ませた。
「さてと、これからどうしようかな?文珠は多分出せないし美神さん達もまだ帰ってないだろうし。さすがに俺がここにいるわけにも行かないし・・・買い物にでも行くか。」

・・・30分後・・・
可能な限りゆっくりと自分のアパートに帰った。
買い物に行ったと言っても手には何も持っていなかった。
「おーいシロ、気がついたかー?」
「あっ!!横島先生どこに行っていたでござる。」
「ああちょっとな。」
さすがに手ぶらの状態で買い物に行っていたとは言えなかった。
「先生、拙者すごいビックリしたでござるよ。」
「何でだ?」
「だって気がついたらいきなり先生の家で寝ていたのでござるよ。」
「そりゃあビックリするだろう。」
横島とシロは笑いながら話していた。
「・・・で、1つ聞きたいことがある。」
横島は少しまじめな顔になった。
「なんでござる?」
「今はもう文珠は出せないと思うがさっき俺の文珠で何をやろうとしたんだ?」
「・・・・・・・・・」
シロは何も言えなかった。
「どうした?そんなに言いたくないことなのか?」
「・・・拙者も自分の口からは言いたくないことでござるが・・・」
横島はシロの反応に少し困ってしまった。
「じゃあ何て文字を入れようとしたんだ?」
「・・・『忘』でござる・・・」
「ちょっと待て!!それを何に使うつもりだったんだ!?」
横島はシロが入れようと考えていた文字に驚いた。
「・・・拙者自身にでござる。」
「何を忘れるためだ。」
「そ・それは・・・」
シロは涙目になってどうしてもこの後のことを言えなかったが横島には理解できた。
「・・・なるほど犬飼を憎む原因となったものを忘れようとしたんだな。」
「そうでござる。」
「残念だがそういう目的のためだったら俺の文珠はお前にやることはできないな。」
横島はシロの考えを今更気づく事ができた自分が少し嫌になっていた。
「拙者も父上のことは忘れたくないでござる。でもやっぱり今回も拙者は先生の足を引っ張ってしまったんでござろう。現に先生に犬飼の攻撃を防いでもらい、拙者の傷も先生が治してくれたんでござろう。」
「ああ、まあな。でも別に気にするな。無事だったんだからそれでいいじゃないか。」
「でも拙者は先生に言われたことを守ることができずその上先生に迷惑をかけてしまったでござる。多分これからもそうなってしまうでござるからこれ以上先生に迷惑をかけてしまうくらいでござったら、いっその事・・・」
「それ以上言うな!!」
シロが最後の発言を言う前に横島がそれを言うのをやめさせた。
「お前は犬飼と戦うためだけで一番大切な人の事を忘れたいのか!!犬飼を倒した後お前は大切な人の事を忘れたまま暮らしてそれで幸せか!!お前の父親とお前の思いでとかを忘れてもいいのか!!」
「・・・・・・・・・」
シロは何も話せなかった。
ただ少し泣くのをがまんしている様子だった。
横島はシロの様子を見て言い過ぎてしまったと思っていた。
シロが自分にこれ以上迷惑をかけないようにと、幼い心で必死に考えた事をシロの気持ちを考えずにただひたすら、自分が思っていることだけを言ってしまったと思っていた。
「すまんシロ。お前の気持ちも考えずに強く言いすぎたな。ついお前の心と体の年が離れていたのを忘れちまっていた。しかもそうしちまったのは俺のせいだったな。」
そして、横島はやさしく話すようにした。
「でもよシロ、お前は俺のためや犬飼と戦う事のためだけで本当に忘れていいと思っているのか?」
横島が他に話そうとする前にシロが泣きながら飛びついてきた。
「やっぱり拙者忘れたくないでござる!先生に迷惑をかけるとわかっていてもできないでござる!」
横島はシロの頭も撫でながらいつものような口調でまた話し始めた。
「ふうっそう言ってくれて安心したぞシロ。それでお前が忘れてもいいって言ったら俺の立場がないからな。」
横島はルシオラが自分の子どもとして復活する可能性があると知ってから少し悩んだ事があった。
(ルシオラは結果的には俺の子どもとして生まれてくるんだし、いつまでも好きだったルシオラの事を覚えていると本当に自分の子どもとして育てる事ができないかもしれないし、ルシオラに幸せになってもらいたい思っているのに俺だったら下手するとジャマしちまうかもしれないしな。)
横島はそう考えたことがあったが結果的にはやはり忘れようとすることができなかった。
横島も大切な人はどうしても忘れたくはないと言うことやルシオラが何のために死んだのかと言うことを考えるとやはり忘れていいはずがないと思ったからだった。
「とりあえずシロ、もう忘れようなんて考えるな。それに文珠じゃ思い通りに忘れることができるかわからないし下手すると文珠がお前の全ての記憶を奪っちまって俺がまた大事な人を失っちゃうかもしれないからさ。」
横島はいつものように笑いながらシロにそう言うとまたいつものパターンになった。
横島は少し暗くなってシロにこう言った。
「すまんシロお前の考えにすぐに気づく事ができなくて、やっぱ俺はダメな先生だな。」
「そんなことないでござるよ。先生は拙者の気持ちをよくわかってくれてそれでやさしくてとてもいい先生でござる。」
「ふっ・・・くっ・くっ・くっ」
横島が笑い出した。
「どうしたでござる?拙者なにか変なことを言ったでござるか?」
シロが不思議がって横島に聞いた。
「あ・いや・なんかいっつもこんな会話してるよなー。って」
「そう言えばそうだったでござる。」
シロもいつものように笑い出した。
「なんかやっといつものように笑ってくれたなシロ。さて、そろそろ行くぞ。多分美神さん達も帰っている頃だし。」
「えーっ!拙者もう少し先生と2人っきりでいたいでござるー。」
「散歩の時はいっつも2人っきりだろーが!早く行くぞ。今日は朝飯しか食ってないから腹減ってるだろ?俺もそーだし。早く晩飯食いに行こーぜ。」
言葉に反応したかのように2人のお腹が鳴りだした。
「そうでござるな。やっぱ先生は拙者の気持ちをよくわかってくれるでござる。」
そして2人は本来なら電車で行く道のりを歩いて行くことになった。



___(10)に続く___

とりあえずシロは戦闘で落ち着くことができるきかっけを作れたかな?一応もう1つ考えていますが・・・
そして何よりいつも同じパターンをやってしまってすみません。
ダメなのは横島くんではなくボクです。
これからはこのパターンは本当に必要なとき以外使いません。(いっつも使っちゃているし)
そして、ようやく話の方も元に戻ってきたかな?
多分(?)この話しも、もう少しで終わると思いますので、できればこれからもよろしくお願いします。



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