ザ・グレート・展開予測ショー

白の花言葉−おまけ−


投稿者名:眠り猫
投稿日時:(01/ 8/ 8)

本当なら私は横島さんと会えなかったんだもの
会えたことを感謝しなくちゃ
贅沢いえないよ
横島さんが幸せならそれで私も幸せでしょう?
なのに
なんでこんなに辛いんだろう・・・

横島さん、思いつめたような、どこかふっきれたような顔だった
私を傷つけないように言葉を考えていた
それがあんまり辛くって・・・横島さんが言いたいことわかったから・・・
おもわず「買い物に行く」なんて嘘ついちゃった
横島さんは、私より・・・美神さんを選んだ
わかってたじゃない、わかってたんでしょ?
いつもいつも美神さんのこと追いかけていたのを、私はずっと見てたじゃない
横島さんが美神さんのこと見てたのは初めて会った時からわかってたことでしょ?
なのに
なのに―――
なんで・・・涙がでてくるの?


気付いたら教会の前だった。大きな十字架がこっちを見ているような気がした。
神様にすがりたかったわけじゃない 唐巣さんに話を聞いて欲しかったわけでもない。
なのに、足が自然と向いた。
泣いてることを悟られまいと涙をふいて、教会の扉を開けた。
「こんにちは。」
にこっと、人の良さそうな穏やかな笑顔で唐巣はおキヌに挨拶をする。
「こ・・・こんにちは。」
いつもは、死んでも明るいと言われたおキヌは同じように笑顔で挨拶を返すのだがさすがにそんな気分にはなれなかった。
なんとなく、唐巣に一番近い一番前の席に座る。
「珍しいね、君が1人でここに来るなんて。」
「・・・そーですか?」
そういえば、いつも3人でいる為1人で教会に来るなんて滅多にない。
「いつもは美神君と横島君が一緒だからね。・・・悩みでもあるのかい?」
流石にこういうところには鋭い。今日ぐらいは、ほうっておいてほしいのだが、人の良い遊び半分ではなく本気で心配してくれる唐巣相手だと不思議に嫌な気持ちにならなかった。
「え、えーと・・・悩みっていうよりは・・・」
「?」
「あっ、いえ、何でもないですっ!」
悩みというより、口を開いたら出てくるのはただの愚痴になってしまうだろう。
「・・・そうかい?無理はしない方がいい。君は優しいから、いつも人の気持ちを優先させてしまう。たまには自分に正直になってもいいと思うよ。君の周りには支えてくれる人が沢山いるはずだから。」
「―――え?」
不意に後ろから扉を開ける音がした。少し驚いて後ろを振り向くと、予想通りといおうかピートがいた。
「先生、今帰りました。あれ?おキヌちゃん。」
「ああ、お帰り。せっかく客人もいることだし、紅茶でもいれようか。」
「あ、手伝います。」
ずいぶん気持ちが楽になっていた。さっきの唐巣の言葉が嬉しかった。
明日も同じように仕事ができるだろうか。すぐには無理だろう。
だけど、辛くなったら相談にのってくれる、支えてくれる友人がいたことにも気付いた。
(・・・やっぱりショックじゃないって言ったら嘘になるけど・・・いつか美神さんよりナイスバディになって絶対!後悔させちゃうんだから!)
だから――――またいつもと同じようにお仕事しましょうね、横島さん




―――――――美神除霊事務所
横島を見ずに書類を眺めながら一言呟いた。
「・・・そーいや、誰がわがままで意地っ張りだって?」
「ビクッ!そっ、それは、そのぅ・・・」






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