ザ・グレート・展開予測ショー

GSキラー:track25[ハイエナが呼んでいる「始闘編<ウルトラ・アンホーリィ・ハーテッド・マシーンの章>」]


投稿者名:ダテ・ザ・キラー
投稿日時:(01/ 8/ 6)

美神令子及び唐巣和宏の携帯電話の発信源照会、警察無線傍受、高熱源感知、霊波サーチ、
加えて、光学レーダーにより異常事態の現場を確認。マリアは警視庁ビルの中腹に突入した。
ズガァァァァァン
「ちったぁ、私の安全に気を使えー!」
「イエス・一文字・さん・安全を・考慮する・場合・脱出を・推奨・します」
マリアは、怒鳴りつける一文字の希望に沿うように考えて発言した。
「今、殴り込んだばっかりだろが!」
一文字のこの言葉には、マリアは返答に詰まった。確かにその通りだが、だからどうしたと
言うのだろうか?とりあえず、事実なのだから頷きつつ、自分なりの結論を述べる。
「イエス・戦闘が・開始されれば・安全の・確保は・困難・です」
「……私が悪かった…のかな?いまいち釈然としないんだけど…」
三度口を開く一文字。同時に、マリアのセンサーは攻撃有効圏内に敵の存在を確認した。
「マリア・敵・殲滅・します・警告・します・離れて・ください」
「はぁん?敵が…」
ズギャウッ
一文字が聞き返す遑も有らばこそ、マリアのロケット・アームが唸りを上げて壁を撃ち抜く。
一瞬の後には、マリアの腕は白銀の彫像にも似たゴーレムの頭部を伴って帰還していた。
「再度・警告・します・マリアから・離れて・ください」
「OK、了解、らぢゃー、イエッサー。え…えーと、頑張れよ……程々にな。」
「百聞は一見にしかず」というわけでもなかろうが、どうやら一文字に状況を理解して
もらえたようなので、マリアは満足そうに頷くと、のろのろと「微笑み」を作りながら、
「イエス・一文字・さんも・お気を・つけて」
それだけ言うと、ゴーレムの胴体に向かって突進し、そのままその巨体に真上から手を掛け、
ズベギャアァッ
あっさりと、人が古木の皮を剥すよりも容易く、白銀の塊を引き裂いて左右に断ち割った。
「敵1体の・沈黙に・8.27秒・射程距離内に・潜伏する・敵数・およそ・42」
リアクションの予測立てが困難なコミニケーションにくらべ、マリアにとって、
この程度のレベルの相手との戦闘の方がはるかにシンプルで楽な作業と言えた。
ビュオンッ、ガキンッ
背後から繰り出された斬撃も、反応できなかったのではなく、する必要が無かったのである。
ゴギャンッ
彼女は、身体の向きを右へ90度ほどずらすと、自分の頭部に腕を乗せたままのゴーレムに
中段蹴りをねじ込み、その敵を、文字通り粉砕した。因みに、彼女にとっては些細な事だが、
センサーが正常なら、敵は増員されつつあった。些細と言っても、やはり時間は惜しかったが


「この…!」
ガキィィン
「おっと!…焦るな焦るな。もう少しで貴殿に良い物を見せてやる。」
シロは、困惑しつつもティナの斬撃を受け続ける事しか出来なかった。が、逆に言えば、
ティナの斬撃は、迷いからシロの動きが、多少鈍いものとなっても容易に受けられるのだ。
シロの見立てでは、ティナの敏捷性は自分に一歩も引けを取らない。そうでなければ
こちらから攻めて一気に決着するのだから。しかし実際には、ティナは自分の攻撃を
初動で封殺するほどの太刀捌きを見せながら、甘く、単調な攻めしかしないのだ。
「…お主…いい加減にしとけよ!拙者はワリと気が短いんでござる!!」
「あぁ、そのようだな、風貌は温和そうだが。ここらでタネの仕込みも終わったところだし、
イリュージョンをお目にかけよう。魔剣技『デジャヴ・ラビリンス』をな。」
フワリ
「こんにゃろう!さっきまでとどこが…」
焦れたシロは、眼前の敵に斬りかかった。だが、シロの霊波刀に手応えは無い。しかも、
ザシャァァァァァァッ
「うぐぅ?」
あらぬ方向からの攻撃に反応しきれずに鮮血を流したのはシロの方だった。
「変らんよ、貴殿が見てるものは先程と同じ…イヤ、先程の映像だ。教えといたろう。
『フェイザー・ザップ』の一つ、『再生幻視』相手の網膜が一度以上認識した映像しか
使えぬ能力ゆえ、私のあらゆる太刀筋をスローで見せたのさ。目が信頼できぬのは
辛かろう?コンマ1秒が勝負を分かつ接近戦では、音や匂いでは遅すぎるからな。」
「ぐぐ…なめるなよ…拙者は…お主が思ってるよりも…更に短気でござる…。」
「肝に銘じよう。貴殿が、この第一の余興を生き延びたら、な。」


アメミット。その獰猛な魔獣が、エミに喰いつこうとするその進路に、美神令子が立ち塞がる
「ゴルルルルルァァァァァァァァァッ」
ザビュッ
アメミットの、脳を揺さぶる咆哮と、熊のそれを長く発達させたような前肢が美神に迫った。
「エロイムエッサイム――我は求め訴える者なり――暗黒を司る神々よ――
今こそその力を示し――我らの敵を焼き尽くせ――その偉大なる力を以って我を守れ」
バヂィバヂバヂバヂッ
エミの呼びかけに応え、展開された結界がアメミットの前肢の半ばを捕獲する。
「あんた、エミと格闘して良い勝負したからって調子乗りすぎじゃない?この女は…
この女の性質の悪さはその程度じゃわかんないんだから!」
ズパァァァン
美神は言うが早いか、神通棍を振るって怪物の頭を痛打する。そこに言葉をかけるエミ。
「ちょっと!オタクがそういう事言うワケ?アタシの千倍はあくどいオタクが!!」
「せ…千倍?っちゅーか私の方があんたよりあくどいですって?名誉毀損も甚だしいわ!」
美神もたまらず背後に向き直って言い返すが、当然の事ながら、エミの呪文が
中断されている現在、彼女らを守る物は何も無い。再度突撃するアメミット。エミも迅る。
「フダ借りるワケ!」
「あぁーーーーーーー!よりにもよって手持ちで一番高い八千万を!!待ちなさいよ!!」
ギュルルゥッパァァン
「無駄撃ちになんないように、相手の体勢崩すまで待ちなさいってば。」
美神はそう言いつつも、既に神通棍で怪物の右手右足を絡めて引き倒していた。
バシュゥゥゥゥゥッ
エミはアメミットの眉間に破魔札を叩きつけて一気に破邪力を解放した。
「ホーホホホホ!結果を出す為に、あえてポジションを無視する機転の良さ!!
前衛をかってでたくせにボケーッとしてた令子と違って、プロの鑑なワケ!!」
「ちょっと!聞きとがめたわよ!!今のは私の札に私のフォローあってこそじゃない!!」
「ホホホホホ♪語るに落ちたわね、令子?今のはアタシがメインだと認めたようね!」
「ち…違うわよ!何言ってんの?主役である私がそんな裏方役やるわきゃ無いでしょ!!」
「いいのよ令子、無理しなくって♪第二部主人公としてアタシが頑張るからね♪」
「あんた…いい加減にし……」
「グルルルルルルルルルルル、ゴアァァァァァアァァァァァッ」
「な…!まだ生きてる?」
「あったりまえなワケ。誰の呪いだと思ってんの?まったく……」
「余計なところで胸を張るな!貧相な胸を!!」
「なんですって?失礼な!しっかり人並み以上あるワケ!!ったく、図に乗んじゃないワケ…」
つづく

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