ザ・グレート・展開予測ショー

GSキラー:track24[明日もし君が壊れても「始闘編<Soldierの章>」]


投稿者名:ダテ・ザ・キラー
投稿日時:(01/ 8/ 1)

掌から迸り、刃を為すその輝きは、師あればこその自分であると思い出させてくれる。
たとえ相手の手の内が読めずとも、常にこの輝きを信じる。彼女は無論先手を取った。
「うおぉぉぉぉ!」
ヒュバッ
しかし、斬りかかる彼女の眼前から敵の姿が掻き消えた。次の瞬間、咽喉の真下に何か触れる
ヴオォン、ドガシャァァ
ティナは地に伏せたとも見紛う程深く屈み込んでシロの攻撃をやり過し、
魔剣の柄を、真上にいる相手の胸の中心に押し当てて、それを軸に投げ飛ばした。
「八発もの同時斬撃を全て撃ち落す反射神経は認めるが、これでは闘牛だな。
イヤ、私は闘牛は素人だから、私に容易く捌かれる貴殿は牛以下か。」
ティナは感情を込めない態度でそう言った。激昂して言い返すシロ。
「何だと?拙者の攻撃にビビって避けといてよく言うでござる!」
「ならば今度は私からいこうか?」
フワリ
「なんのつもりでござるか、この眠っちまいそうな斬撃は?」
シロの言う事は正しかった。ティナの攻撃は歩いてかわせるほどの速度で繰り出された。
「眠ってもらうつもりなのさ、悪夢の迷宮に沈み込んでもらおう。」


巨体を誇るゴーレムを弾き飛ばしておキヌを救ったのは神界で成長したパピリオであった。
「どうしてここに?」
「単なるわがままだよ。」
突然小男と長身痩躯の下位竜神達がひょっこり現れて、おキヌの疑問に答える。
おキヌは彼のこともよく見知っていた。
「えーと、………ごめんなさい!名前忘れちゃった。」
「ま、そんな存在だよな、俺達。ヤームだよ。」
「ヤ…ヤームのアニキの子…子分のイームなんだな。」
おキヌはひたすら平謝りしたが、ヤームはむしろ、予想通りの反応に少し安心すらした。
「でも…あなた達、確か、天竜童子の家臣になってたんじゃなかったんですか?」
なんとはなしに訊いたおキヌだったが、二人は待ってましたとばかり、口々に言う。
「だからさ。その殿下がパピ公のわがままに付き合わされてよ、しわ寄せは専ら俺達って
わけだ。全く、ませた主君だぜ。小竜姫様だって勝手な事しないように、って言って、
アイツ専用の剣は持たせてねぇのにな。…そんなこんなで俺達は苦労してんだよ。」
「ヒャクメ様さ…捜すのた…大変だったんだな。で…でもココで戦の匂いしたんだな。」
三人が歓談してる間に、ゴーレムとパピリオは戦闘を再開していた。パピリオの剣が疾る。
「胡蝶神剣、動の太刀『環撃』」
ズバァァァッ
パピリオの振るった一撃がゴーレムの頭部深くに食い込んだ。あっけにとられるおキヌ。
「相変わらず強い。それに…なんか…優雅?そう言えば魔族なのに随分背が伸びてるし」
「修行で死にかけて生命淘汰の中で爆発的に成長したのさ。ま、人外ならよくあることだろ?
動きが良くなってんのだって、まともな剣術を初めて習えばあんなもんさ。と、言いてぇが
ちょっと違う。パピリオの能力を100%引き出す為だけに小竜姫様が新たに考案した神剣の
一派、胡蝶神剣。アレは奴の弱点を補い、長所をあらゆる局面に発揮させる効果がある。」
ヤームの解説を聞く余裕があるのか、パピリオは台詞が途切れるタイミングと共に攻撃する
「更に動の太刀『射硬』」
ザシャァァァァァァァッ
「動の太刀は大きく分けて『牙剣』『迅剣』『絶剣』の三つで成る、牙剣は余分な力を省き、
全パワーを一瞬に爆発させる。そうする事で同時にその一瞬以外しなやかに動けるのさ。」
「またまた動の太刀『散刃』」
ズドドドドドドドン
「迅剣は戦場に撒いたリン紛の動きから空気の流れ、ひいては相手の動きを先読みする。」
「極めつけの…『輝撃』」
ドシャァァァァァァァァァッ
「絶剣は前述の二つの中間で、自分の動きと相手の動きの流れを見極める事で、ある程度
自分の動きで相手の動きを操作する神剣の極意だ。コイツを完璧に使いこなせれば、
同じ絶剣でしか返せない。通常の神剣には迅剣がないから完璧はありえないがな。」
正しく相手の剣を絶つ究極剣術を完成させる可能性は彼女一人と言う事だ。
(修練は3割弱しか終わってないと聞いてたが…オリハルコンも触れなければ問題無ぇ)
ブゥオン
「う……わっと?」
「当っちゃう?」
おキヌは、ゴーレムの腕が、パピリオに深々と突き刺さりつつあるのを見て声を上げた。


<ABM?それ、アタシ用の装備なのか?……ですか>
<そうだ。ユニットを操作する妖蜂の攻撃的念波をエネルギーにして起爆するらしい。>
彼女の記憶では大体この程度の説明だったと思う。(客観的に考えてありえないが)
ドガガガガガズドドドガガ……
「………よく、…聞こえないよ……。頼む…何て言ったか…もう一辺言ってくれよ。」
十基のユニットを総動員させて、ベスパは攻撃の手を緩めずにそう言った。続けて、
「『姉の形見』?聞き間違いに決まってるよな?アタシがそんな殊勝なタマに見えるわきゃ
ねぇもんな。コイツは借りてんだよ!勿論、5年後か10年後か、必ず取り返しに来るさ。
いつもみたく、「またアンタ、ヒトのモン勝手に使って!」とか言ってね。」
彼女は言いながら思い出していた。再開に向かう一縷の希望を教えられて、
自分の心に光が射した。迷いは失せ、もう一人、あの方の気高き意志を後世に残す。
その為に、魔界で成り上がる。それだけに全てを捧げる。だから自分は此処にいる。
ザシュ、ズパァ、ドシュ
「何度でも起爆する爆弾とは恐ろしい代物だが、羽を切り落とせば打ち止めだ。」
その宣言の通り、爆音が途絶え、砂塵が薄らいでいった。
ベスパは、再開のしるしを左手で確認しながら、右手はもう一つの武器にかけていた。


ドシャァァァァァァァァッ
ゴーレム達は間断なく押し迫っており、今の攻撃こそかわしたジークであったが、最早
進退窮まって膠着状態に陥っていた。このまま持久戦ともなれば自分の不利は否めない
(く…、これだけの量を発掘したわけがない。信じ難いが、人間どもの錬金術か?しかし、
今の問題はそこじゃない。ここにこれだけ配備されてるならピートの方はどうなってる?
クソッ!人質の安否も確認せねばならんし、どうやら「このまま」じゃヤバいな…)
そう考え、ジークは己の頭に手を伸ばしながら宣言する。
「貴様らにあまり時間はかけられんのでな、デミアン戦以来の魔性解放で相手してやる」
今、彼のベレー帽が彼の頭から引き離された。
つづく

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa