ザ・グレート・展開予測ショー

白の花言葉−5−


投稿者名:眠り猫
投稿日時:(01/ 7/30)

(・・・あの時?同じ?一体何なんだよ。)
綺麗に晴れ渡った青空の下、横島は一人歩いていた。
上を見れば青い空が見える・・・つまり外だ。
横島があのまま事務所にいたら美神の機嫌は悪くなる一方だから、と半ば強制的に追い出されたのだ。今日の分は給料出ないだろうなぁと考えると、ただでさえなんとなく後ろめたいのに、余計気が重くなる。
それ以上にさっきから響いてくる自分でもわからない声にイライラしているというのに。
「あ―――っ!!訳分からんわ――っ!!!」
思わず自分の今の気持ちを正直に叫び、周りの視線を集めていることにも気付かない。
(あの時・・・?あの時・・・。どんな時だ??)
考えても考えても答えはでない。あと少しで答えが出そうなのになかなか出ない。
少し立ち止まって上を見上げると、何度も薄い水色を重ねたような空色となんの混じりのない雲の白がどこまでも続いている。
(白か・・・。そーいやアイツにあげてきた花の色も白だったよな。)
特にその花にしなければならない理由はなかった。
ただ、キレイだな、アイツに見せてあげたいな、と思っただけだ。
(・・・アイツがいなくなってもう一年。俺はまた・・・)

あの時と同じことを――――・・・。

(え?俺、今なんて言った?あの時と同じって・・・・・・っ!)

やっとわかった。
わかったと同時に、いてもたってもいられなくなった。
もうそれ以上の事は考えられなくて、気付いたら事務所に向かって走っていた。

(わかった!やっとわかった!あの時と・・・ルシオラの時と同じなんだ!肝心なところで何も言ってくれなくて・・・俺の知らないところで大切な人が傷ついて・・・!)

(美神さん!嫌だ、そんなのは!俺はもう・・・)
―――――大切な人を失いたくないから・・・


「あ!横島さん!?」
玄関前におキヌがいた。まさか横島が戻ってくるとは思わず、チラとまだ中に機嫌の悪い美神がいるであろう玄関のドアを見る。
「横島さん、走って来たんですか・・・?でも、まだ美神さん・・・」
「ん、わかってる。・・・シロとタマモは?」
「2人ならおうどん食べに行きましたよ。シロちゃんが元気ないからってタマモちゃんが。なんでも、おいしいキツネうどんと肉うどんがあるって。」
「そっか。・・・あのさ、おキヌちゃん、悪いけど・・・」
やはり気がひけて上手く先の言葉が言えない。それなのに、おキヌは辛そうな横島の気持ちがわかったのかムリヤリ明るい笑顔を作った。
「あ!私、おつかい行かなきゃ!ごめんなさい、横島さん!」
そう言うと横島の返事も聞かずに横を通りすぎてく。優しい嘘。
財布も持たずに買い物に行くはずがない。
「・・・ごめんな、おキヌちゃん。」

緊張する。たった一枚のドアを開けるのにこんなに緊張することなんてもう二度とないだろう。あったら嫌だ。
カチャ・・・静かに、ゆっくり開ける。
入ると、当然だが美神と目があった。横島は帰ったと思っていた美神は突然の訪問者に一瞬、驚愕の色を見せたがすぐに不機嫌な顔に戻った。
横島も覚悟して来たとはいえ、とっさに目をそらす。
居心地の悪い時間。美神は口を開くのも面倒とばかりにぶっきらぼうに言い放つ。
「・・・なーに?用事があるなら早くしてくれる?この後、書類整理しなくちゃなんないんだけど。」
なんて言おうか。なんて言おうか。今のこの人には回りくどく言っても通じんぞ。いや、そもそも遠まわしに言うのも俺には難しすぎる。
混乱している横島が考えられたのは、飾り気もなにもない、真っ直ぐな言葉だけだった。
そらしてた眼を美神にしっかり向けて。

「好きです!」





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