地獄裁判、その一
投稿者名:トンプソン
投稿日時:(01/ 7/29)
事務所内の昼下がり、顔を見せに来たというマーロウを含めて、思い思いにしている。
美神令子は日頃の疲れでも出たのか椅子に座って寝ている。
太陽がこれでもかとばかりに温度を上げている。
何時も通りの日常のはずだった。
「おや?雲が出てきたかな?雨が降る前に帰ろうかな?」
単なる雲なのか、暗くなってくると、シロ、タマモ、それに鈴女が急に怯え出す。
「どうしたの?みんな」
オキヌちゃんが異常に気づいて尋ねるが、
マーロウが叱咤する。
「ワンワン!」
人間には判らないだろうが、怯えるな!と言っているのだ。
美神もうたたねから現実に戻される。
「何事か?人工幽霊1号」
《たい、大変です!何者かが私の結界を・・・・!》
言葉が途切れた時、当たりに光がなくなった。
生有る者の視線が一点に集まる。
暗闇の中で黒い襤褸切れが動いたようだ。
大鎌を持ち、手と頭だけが白いその形容間違いが無い、明かである。死神だ。
何も言わずオキヌに近付く、
恐くなって横島、美神令子の後に隠れる。
「お、オキヌちゃんにさわるんじゃないよ!」
「何用で御座るか!」
タマモとシロが死神に帰れてとばかりに攻撃を加えようとするが、
『・・・・・』
死神、手を少し見せただけだが、凄まじい波動が二人を襲う。
「ぎゃっ!」
二人の衝撃が幾許か軽く済んだのはマーロウが身を呈してくれたからだ。
「なろっ、オキヌちゃんになにをしやがる!」
横島が文殊を使おうとするが、
『やめろ。そればっかりは俺でも危ないが』
ひゅっと大鎌を横島の目の前に、髪の毛一筋も満たない場所に刃がある。
『動くかなければ、お前の息は保証しよう』
今まで大敵と渡り合ってきた戦士ですら、膝が動かない。
美神に至っては汗すら出ない。
そうして、オキヌの顎に骨としか形容の出来ない、手をあてて、
『キヌ・・お前は贄になりながら、その役を果たさず、現在に蘇った・・・・』
答えられない。更に死神の言葉は続く。
『人間の魂、およそ80年長くて100年・・魂の限界だ』
魂を抜く。
『異例な事だ・・・地獄で吟味してから、処置を決める』
死神は消えつつある時、
『裁判は、人間の世界で三日後だ』
言うだけ言って消えた。
当たりに光が戻った時、オキヌちゃんの抜け殻しか残っていなかった。
再度太陽が嫌味なほど、事務所内を熱していた。
「どうしましょう・・美神さん」
膝が落ちた横島が美神に問いかける。
「みんなを・・呼んで、特にカオスのオッサンには急いで来てもらって」
小さな声だが、上司の命令が飛んだ。そこで行動が起せるから美神事務所の連中が有能な証拠であろうか。
三十分後、霊能者メンバーが事務所に集まった。
「霊的による生命維持装置にオキヌをいれておきたぞ、これで1週間は持つぞ」
ケースがケースだけに誇る事は出来ない。
「で、どうなっているワケ?」
面子内では割合、冷静を保っている小笠原エミがしーんとした室内に声をかける。
説明はたどたどしいかったが、美神がした。
「そう、霊界裁判は三日後にあるワケね。でこのまま黙ってるワケ?令子」
只死神の言葉を伝えただけに過ぎなかったが、気付いた。
「令子ちゃ〜〜ん、地獄の閻魔様にぃ〜〜〜、直訴しに〜〜いけないのぉ〜〜〜〜」
冥子が聞くと、
「出来る!あの人なら地獄への至る道を知ってるわ」
「えっ?誰っすか」
「横島クンも会ってるわよ。そうね。黙って有能な助手を取られるなんて私らしく無いわ!」
先ほど、動けなかった美神令子も目標が見付かったようだ。
「カオス、オキヌちゃんの体、御願いね!」
「まかせるんじゃ。と言っても、霊的な物じゃ。協力が必要じゃよ、特に」
今まで気が沈んでいるシロ、タマモに、
「特に獣の血をひいとる二人には生命力が人間より強いからな。頼むぞ」
「当然よ!」
二人にも漸く笑顔が戻った。
当然は協力すると美神美智恵以下、全員が約束して、
「二人は裁判に間に合うようにね。令子これあげる」
母親から質の良い神通棍を受け取り、
「横島クン。君に惚れている女の子を助けにくんだ。失敗この僕が許さないぞ、これを貸そう」
西条がなにやらを投げてよこす。
「ジャスティスか!有りがたく借りるぜ、西条」
ちょっと重みを感じるが、頼りになる武器である。
「そうだ、これは吸血鬼のコートですが、邪な波動を軽減できます。使えるかどうかは判りませんがお貸ししますよ」
「ピート、すまねぇ!」
装備は万端である。美神は泣く一歩手前までの顔で、
「横島クン!行くわよ!」
「はい!」
ガレージ下の車に乗りこむと、
「ワン」
おそかったじゃねぇかとばかりにマーロウが準備を済ませている。
「お前も来るのか?」
「ワン」
どう聞いても肯定の一吠えだ。
更に、
《今回だけは・・この私人口幽霊1号も御連れ下さい》
人工幽霊1号が車にスタンバイしている。
「みんな。オキヌちゃんの事になったら!さぁ行くわ、運転は私に任せて」
日はまだまだ高い。
2時間程、警察に見付かったら切符覚悟のスピードである場所へ向かう。
「何処にいくんすか?」
「森よ」
「この道は、そうか!春に来ましたよね!」
そして、森の入り口に付く、とてもじゃないが整然とされた土地でない。
森の中心に至ると吹屋がある。
「おーい親父さーん、いるかーい!」
その森、通称をゲゲゲの森という。という事はその家から顔を覗かせるのは、
「やぁ令子ちゃん。春先はホント助かったよ!さぁどうぞどうぞ、歓迎するよ!」
ご存知片目が無い鬼太郎である。
「ありがと、でも今回は時間が無いの、親父さんいる?」
というと、鬼太郎の髪が動くと、
「おるぞい、おるぞい、どうかしたのかの?」
「地獄へ行きたいんです?」
「な、なんじゃと?」
目玉の親父もこればっかりは驚いたようである。
今までの
コメント:
- えっと、鬼太郎連中と顔見知りなのは、
拙著「森に向かえ」シリーズを参考してくださーい。 (トンプソン)
- ↑ でもタイトルはバラバラなので、検索する時は作者名でお願いしま〜す(勝手に補足)。
前半のスィリアス全開な展開と、一転あのお方が出てくる後半とのギャップが……まあ美神も充分真剣なのは解るのですが、キャラ的に何処か抜けると云うか、ねぇ。ま、とにかく頑張れ、おキヌ! (Iholi)
- 閻魔様に会いに行くというから小野篁の井戸でも使うのかと思ったらおやじさんですか(笑)
でもこのほうがトンプソンさんの独自の味が出せるのでしょうね。
このごろ平安時代のことを調べていたので、ついつい歴史上の人物の登場を期待してしまいました。 (JIANG)
- すごい展開!!(読んできました、鬼太郎シリーズ)
おキヌちゃんの魂の事といい、GS連中の協力しているシーンといい・・・すごいの一言!!
目が離せないとは、まさにこの事ですよ!!(←ちょっと興奮気味)
ジャスティスといい、吸血鬼のコートといい、アイテムも充実しているし、次回がすごく気になります!! (sig)
- 文句なしです!!(すごいとしか言い様が…!)
あぁ、自分のお話がチープに見える…貧弱に見えてしまうっ!!(尊敬!!)
あぁ、おキヌちゃんはどうなってしまうのですか?(←聞くな!黙って次回を期待するんだ!!)
くそぉ、気になる!!(一寸来れなくなるから、なおさら気になる!!)
次回、がんばってください!!お願いします!! (sauer)
- 旅立つ前、仲間の愛用のアイテムを借り、挑む・・・凄く面白かった・・・ですが、地獄というと、罪の重さで拷問されるところがあるんでしょうか・・・あの二人ですし・・・
とにかく、続き楽しみにしてます。 (AS)
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