ザ・グレート・展開予測ショー

GSキラー:track19[スタンピード〈未来・現在・過去〉「始闘編<12の影の章>」]


投稿者名:ダテ・ザ・キラー
投稿日時:(01/ 7/23)

高空から直滑降している間に彼女、六道冥子が意識を保てる道理は無い。案の定というか、
完璧に失神している。(シンダラのダメージも原因の一つであろう)激突は免れ得ない。
シルルルルルルッ
彼女を救ったのは生存本能であった。サンチラは主の危機に自らの意思で飛び出して、
街灯に身体を巻きつけて主の服の襟に食いついた。彼女の気が途絶えれば、その先は死だ。
「むにゅ…あら〜〜、ここは〜〜、どこかしら〜〜?」
襟を勢いよく引っ張られて、彼女は意識を取り戻した。360度完全無欠のいわゆるお嬢様で
従えた強力無比な式神12神将の制御が不安定ともなれば、彼女にとって受けたことの無い
衝撃であったに違いない。(特に後者の理由から、周囲が全力で守ってきた筈だ)
ミシミシミシッ、ゾボォッ
突如、その街灯が激しく動き出した。この場合、何とはなしに地面の方を見てしまう。
「………?…!キャーッ!イヤーッ!!怖いわ怖いわ怖いわ〜〜〜〜〜〜!!!」
見なければ良かった。彼女の胸中はそれだけが占めていた。自分を支える街灯、さらに
それを片手で支える白銀のゴーレム。ゴーレムの巨体は、例えれば城砦の赤ん坊である。
「メキラちゃん、助けて〜〜!」
ビュワンッ
しかし、いかな「クイーン・オブ・根性なし」の彼女といえど、街のド真中にゴーレムを
野放しにして逃げるというのは少々無茶苦茶が過ぎるように思う。ゴーレムの目前に立ち
「しょうがないから〜〜、令子ちゃんが来るまでだけよ〜〜?令子ちゃんは〜〜、
冥子が困ってる時は必ず来てくれるんだから〜〜、それでと〜っても強いんだから〜〜。」
「ミス他力本願」らしい宣戦布告であった。


「……何?この、異様に馴染み深い悪寒は?」
美神令子は現在、警視庁ビル50階の廊下を駆け抜けていた。掴まれるのは極力避けたい
相手ゆえ、後退しながら戦っているのだが、非常階段を1階だけ下りようとしたら、敵が
床を打ち抜いて降下してきた為、もう2階下りたのだ。拳を失わせたにもかかわらず、だ。
それに先程から、手持ちの火器類を手当たり次第使いまくっているのだが致命傷には
至ってないらしい。こちらの弾薬の方こそ尽きてしまった。そんな時に悪寒とは
縁起でもない。一応ノートパソコンは持参してきたが、まさかこんな場所でとは思わない。
「いい加減くたばんなさいよ!マジのマジに「ファットマン」の後輩呼ぶわよ!!」
できないので腹いせに言ってみる。イヤ、師とともに脱出して本気でやってやろうか?
目の前にエレベーターが見える。上階でハコを吹き飛ばしてしまったが下には降りれる。
「この…!」
バギャッ
神通棍を一閃させ、容易くエレベーターの扉を払いのける。そしてすぐさま次の道具を出す
「マジックハンド+霊体ボウガン!」
その名の通り、ボウガンの矢をマジックハンドに握らせただけの代物である。それを扉の奥、
上方に向かって放ち、ハンドに付属しているロープを頼りに駆け上る。美神は叫んだ。
「ざまーみなさい!その図体じゃ、下には行けても上は追いかけて来れないんじゃないの?」
ズガゥッ
「キャーーーーーッ?」
突然の閃光に、美神は神業的な反応を見せて回避したが、ロープの半ばを射ち抜かれた。
落下する瞬間に彼女が目にしたゴーレムは、肘から下を失った左手から硝煙を上げていた。


「はて?なんか今、もの凄く甘美な響きを聞いたような?…って、それどこじゃないワケ。」
彼女、小笠原エミは窮地だった。もう霊体貫通波を連発できるような体力は残ってはいない
13秒のベリアルに比べれば、はるかに小物とはいえ、既に自分も呪殺士を辞めて久しい。
裏稼業をやめて、まっとうな徐霊ばかりだったので魔獣と格闘するカンが取り戻せない。
「ゴルルルルルル、ギィィィィオオオオオゥ」
魔獣は咆哮を上げて突っ込んで来る。エミは覚悟を決めて左に跳ぶ。アメミットも反応した。
が、エミは直角に切り返して怪物の懐に飛び込む。間合いの内側の敵へ対応が遅れる魔獣。
「霊体貫通波!」
ザシュゥゥゥゥゥッ
敵の胴体の真芯に一撃をえぐり込みながら、エミは自分のテンションが、時間を
逆行している錯覚をおぼえた。無論、最早痛覚などあってないようなものだ。一人ごちる。
「案外何とかなるかもね。もっとも、アイツとの決着は一生お預けなワケ…」
つづく

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