ザ・グレート・展開予測ショー

白の花言葉−4−


投稿者名:眠り猫
投稿日時:(01/ 7/23)

美神が部屋に戻ってからしばらく誰も動けなかった。
いや、実際には数秒かそこらの短い時間だが、長く感じていた。
その沈黙を破ったのはおキヌだった。
ぱたぱたと横島に駆け寄ると小さな声で呟いた。
「あ・・・あの、横島さん。」
物静かで高く可愛らしい声。けれど、その声はいつも明るい彼女のそれではなく、悲しげで。彼女には全く非のない事なのに、今にも泣きそうな目をしていた。
「美神さんのコト・・・怒らないであげて下さいね。」
「・・・オキヌちゃん?」
そう一言横島に言うと、後は何も言わず美神の方へ行ってしまった。
意地をはりやすい彼女をなだめに向かったのだろう。
そしてまた訪れる静かな時間。
いつもは絶えることなくにぎやかなこの空間に、流れる何度目かの静寂。
タマモは気にする事なく黙ったまま横島を見ているだけで、いつもは騒がしく明るいのが長所のシロは慣れない雰囲気に戸惑うばかり。
次の沈黙を破ったのは意外にもタマモだった。
「横島。」
「何だよ?」
「あんたさ、昨日、何があったか知りたい?」
「あ・・・ああ。」
確かに気になるし知りたいが、普段タマモから横島に話しかける事は滅多にないうえ、先程からの視線も気になっていたので少し反応が遅れた。
それを知ってか知らずか、大して横島の返事を期待していなかったかの様に、ろくに返事を聞かないうちに「シロは留守番してたから知らないけど」とつけ加えてから話し始めた。

昨日もいつものように仕事が入ったの。
いつも通りの除霊だし、アンタがいないって騒いでるシロを抜かしても十分退治できると思ってた。いや、実際そうだったけどね。
だって、超一流の美神さんにネクロマンサーの笛を持つおキヌちゃん、それに妖狐の私がいるのよ?普通の除霊で怪我したりすることなんてまず無いもの。
だけど、あんまり油断してたからかしらね。予想以上に手強かった。相手が結構な金額出してきただけあるわ。私の幻術も大して通用しなかったし。その上、凶暴でどこもかまわなく攻撃してたから私はおキヌちゃんを守るので精一杯。
美神さんもそんなに長く体力が持つわけもないし、アンタがいないから大して荷物も持ってこなかったの。ココからそんなに遠い場所じゃなかったから私、なんかシャクだけど
「危険だから横島を呼ぼう。」って言ったのよ。
シロでも別に良かったけど、イマイチ今日は不安もあったし、文殊の方が便利だろうと思ってね。そしたら、美神さん、なんて言ったと思う?
「今日だけはアイツの自由にさせとこう。」って。
思わず自分の耳を疑ったわ。だって、あの美神さんがよ?
おキヌちゃんを見たら首を横に振って「今日は特別な日だから・・・」って言ったの。
で、その後は美神さんが怪我した訳だけど、なんとか退治できたわ。

「そ、そうだったでござるか・・・。」
シロも美神の怪我の理由を聞いてなかったらしい。照れ屋な美神なことだ、おキヌやタマモが話そうとすると必死で止めたに違いない。
(・・・美神さん・・・?)
黙ったまま。俯いて、美神のさっきの行動やおキヌの言葉が頭の中で混同する。
(なんでそう意地っ張りなんだよ。その上、素直じゃなくて何も説明しようともしない。傲慢でわがままで冷血なのに・・・なんでそういうトコロばっかり・・・)
―――――優しいんですか・・・?
「横島、私は前の事なんて知らないけどね、美神さんあれでもずっとアンタのコト心配してたのよ。もちろん、おキヌちゃんもね。」

あの時と同じ・・・?
ルシオラと美神さん、おキヌちゃんのコトが頭の中で混乱してる中、またあの声が響いた。

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