ザ・グレート・展開予測ショー

「五分(ごぶ)の魂...(完結編) 」


投稿者名:TOMO.KIN
投稿日時:(98/ 5/26)

閃光がはしったのち、轟音がとどろき熱気が旋風となって上空へと舞い上がる。
勝利を確信し、小さく吐息をパピリオが はいたその時、
背後に魔力反応。
「えっ?」虚をつかれ、ふりむくまえにパピリオは全身に強い痺れを受けた、地面に落ちる寸前、抱き留めるルシオラ。

そのころようやく「見鬼くん」を持った美神たちが駆けつけるが
状況を見て 言葉に一瞬つまる(局地戦のあった有様を見て「これでは...」と思ったのだろう)

「......パピリオ...」ルシオラの腕に抱えられた彼女によびかける
「...ポチ?」薄目を開ける少女。
「フッ...ざまぁないでちゅ...いい気味と...思ってるでちょ」
「そんな事はない!これからでもみんなと仲良くやっていこう。」
「...おまえは...バカでちゅ...魔族と...人間が、うまく...やって行けると、本気で信じてる...のでちゅか...」
「もちろんだ!!おまえも俺の妹として...」
横島の言葉を最後まで聞き取れただろうか、少女は目をとじていた
その口元はわずかに微笑みをうかべているようだった...

「...!!!」一瞬、絶句する美神たち。

「心配しないで、今、ねてるだけよ...」
ルシオラの言葉に、「ホッ」とする横島、おキヌ、
(しかしルシオラの横顔に暗い翳がかかるのを美神は気づいた)

「さあ 帰りましょう...」
パピリオを抱いて歩き出すルシオラ、
バイザーに隠れた目尻から頬へと光るものが一筋ながれたが、
目にするものはいなかった...


美神美智恵の病室

西条から、「パピリオ無事保護」との報告をうける。
「...念のためパピリオにはルシオラを付き添わせといて、
それから西条くん、あなたも今日の所は下がって休みなさい。」

西条退室後...
隣室で待機していた二人の男が病室へ...Drカオスと、唐巣神父

「パピリオの検査の結果は? Drカオス」
「んー、魔力の急激な消耗による疲労・昏睡とみた」
「どのくらいで回復しそう?」
「...休めば回復するたぐいとは、ちと違うみたいでのう、
なんらかの形で外部から霊力を補給・蓄積(チャージ)するタイプで
しばらく補給が途絶えても、普通の生活をするぶんには差し支えはないようじゃが...今回のような蓄わえてあるパワーの一部とはいえ、大きく消耗するようなことがあると...最悪の場合じゃが...、昏睡から消滅に至る可能性が大きいのう。」
「ルシオラくんはなにか言ってなかったですか?」と唐巣神父
「パピリオの姉にあたる彼女なら治す方法を知っているのでは?」
眉間に手をやるDrカオス
「そう思うのじゃが...ワシにはなかなか話そうとせんのじゃよ...」
(それはそうだろう...)と唐巣は思った
パピリオが運び込まれた時、
嬉しそうに「解剖の準備をせんと...」と口走ったのを
「生きてます!!!」と、ルシオラと横島に咎められた事を目撃していたから...

一方、ルシオラは、美神と横島に、
(ある所へ、一緒に来て欲しい)と頼んでいた



そんな、こんなでそれぞれの思惑が交錯する夜、
忘れ去られていたもう一つの存在...

人気の絶えた公園(跡)、
ガレキと化した公衆トイレの残骸の下から息絶え絶えに、
「死なんぞ...いっ...いつか...きっと成り上がってみせる...」
とつぶやくゴキブリ男の声があった。


( この章、ひとまずオワリ 、これからアトは、それはまた、別の話 )



今までの 賛成:1 反対:0
コメント:

[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa