ザ・グレート・展開予測ショー

白の花言葉−3−


投稿者名:眠り猫
投稿日時:(01/ 7/20)

「その怪我・・・どうしたんスか!?美神さん!」
美神の顔が見ることができず、横島は俯きながら叫んだ。
なのに、美神が横島を不機嫌そうに睨んでいることも、おキヌが心配そうに横島と美神を見ていることも痛いくらいわかる。
少しの静寂。
普段なら「先生♪」と横島が来ればすぐに機嫌のよくなるシロも、このいつもと違う雰囲気にとまどっている。タマモはいつもと同じ無表情なのだが、ある意味、美神以上に不機嫌ともとれるくらいの視線で横島を黙って見ている。
美神は短いため息をつくとやっと口を開いた。
「・・・どーしたもこーしたもないわよ。ちょっと仕事でドジッちゃっただけ。」
「え?昨日は特に仕事ないって・・・!」

あの時と同じ・・・?

どこかで喚いてる、自分の声。だけど、何のことだかわからない。
(あの時ってなんだよ?あの時・・・?)
「急に入ったのよ。大した怪我じゃないわ。」
もともとそっけないところがある美神だが、普段以上に話し方が冷たい。
一刻も早くこの話を終わらせたいという気持ちの表れだろう。わかっていながら横島は続ける。
どうしても納得できない。
何故だか自分でもよくわからない。GSは高額な収入で有名だが、それ以上に死と隣り合わせの危険な職業だ。怪我など日常茶飯事である。いくらGSの腕が超一流な美神とはいえそれくらいの怪我を負うところはもう何度も見てきた。
なのに何故だろう?
「結構ひどいケガじゃないッスか!危険な仕事が入ったら呼んで下さいって言いましたよね!?」
「別にアンタを呼ぶほどじゃなかったわよ。おキヌちゃんにヒーリングしてもらったしね。すぐ治るわ。」

あの時と同じ・・・?あの時と・・・

「だって美神さん・・・!」
「しつっこいわね!!なんでもないって言ってんでしょ!」
ガタンッと乱暴に椅子が揺れた。そのまま黙って自分の部屋に入る。
ドアが強い音で閉まり、そうとう怒っているのがわかる。
「――――美神さん・・・」

あの時と同じ・・・?同じ・・・?

さっきからずっと、ただ同じことを喚いている。
あの時ってなんだよ?
自分自身がわからない。自分らしくないの言動、さっきから聞こえる言葉・・・。

机も何も映っていない横島の目には、ただ白い包帯だけが残っていた。

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa