横島クンは神になれるのか?〜その27〜
投稿者名:sauer
投稿日時:(01/ 7/18)
陽の光…か。今朝も思ったけど…こういうのって、意識しなければその価値がわからないよなぁ…
俺は事務所へ向かう道を歩きながら、普段は気にも留めない事について、色々と考えをめぐらせていた。
陽の光…俺の身体に降り注ぎ、気の迷いを消し去ってくれている…ような気がする。
「ん…いい天気だ」
空を仰いでみると、雲が適度に流れて、陽射しもそんなにきつくはない。
風はほどよく地を走り、ふと気を留めれば そこには生命を見つけることができる。
………これが『常に変わりながらも、変わることがない』ということだろうか?
………俺がこれからなろうとしている存在のように?………
「…神族になる、か…」
そういえば、俺はみんなとの別れに気を取られ過ぎて、『これから』の事についてはあんまり考えてなかったな…
神様になったら、永い…いや、(神族にも、寿命はあるだろうから)…長い『時間』を過ごすことになるだろう。
そうすると、俺は何をすればいい? 神様になるのだから、やはり修行しなくてはらないだろう………
その修行にしても、しっかりとした意志がなくてはやり遂げる事は困難だろうし、
………やはり、なにか『目標』というか、目指すべきものを持っておかないとな………
「…う〜ん、まだ高校の進路相談室開いてるかな?」
と、やっと普段の俺から考えられるようなテーマを浮かべて苦笑する。
「………そうか、俺まだ高校生なんだよなぁ………」
………まったく、ヘビーな進路選択をしたもんだ。
と、苦笑していると、視界にふっと見慣れた建物が入った。
「………一応…挨拶くらいしとくか。…あまりアイツには会いたくないが…」
実に微妙な判断に悩みながらも、俺はそのビルに入っていった。
『ICPO 超常犯罪課 日本支部』…通称『オカルトGメン』に。
部屋の中には、空調の音と…パソコンのキーを打つ音しか聞こえない。
「………はぁ…ココ最近の人員不足も結構深刻ねぇ………」
私の前には、書類が山のように積まれている。…それも、見るのは時間の無駄だというようなものばかり。
二人目もできたことだし、私もそろそろ休みたい…等ということを言えたら、どれほど楽だろう?
「………ま、現実逃避してても仕方ないわね…よし、それじゃ仕事しようかしら!」
私があきらめて、ない気合を振り絞った、その時だった。
「…こんにちは〜、隊長いらっしゃいます?」
聞きなれた声、霊波…そして雰囲気。彼の来訪を告げるものは、どれも私にとっては薬となる。いろんな意味で。
「おや、どうしたんだい?横島クン。…あぁ、そうか。とうとう令子ちゃんの事務所をクビになったのかい?」
「………あのな…んなことあるわけね〜だろ〜がっ!!」
彼と ウチの優秀な部下がいつものような遣り取りをしている。
「そうよ、西条君。もしあの娘がそんなことしてたら…私が容赦しないわ」
………彼等の遣り取りを聞いていても良かったのだけど、それにも増して、彼の事が気になった。
………そして、今の私は目前の書類よりも興味深い『彼』との会話を望んだ。
「珍しいわね、横島クン。あなたがわざわざココに来るなんて」
「えぇ、まぁ たまには隊長の様子でものぞいてみようかと………」
「…そうか…残念だよ、横島クン。君もとうとうアシスタント廃業かと思ったんだがね」
「…あら?横島クン…体調でも悪いのかしら?」
私は、あえて部下の…西条君の言ったことは無視した。…彼は、こんなにやつれていたかしら?
確かに、彼は普段からかなり厳しい食生活をしている様なのだけど………
確かはじめて彼の給料を聞いた時、私は令子を勘当しようかと思ったくらい酷い手当だった。
あの時よりは給料も多少とはいえ上がっている筈だ…そうでなければ、令子にお仕置きしなくてはならない。
「…え、いやぁ、体調はすごく良いですよ。それが俺の取り柄だし」
微笑みながら、彼は私に『嘘』をついた。………彼との付き合いは短いが、間違いはないだろう。
「………横島クン、なにかあったの?」
「………え?」
「…隠す事はないわ。相談にならいくらでも乗ってあげるわよ?」
「……………」
「何か私達が力になれるようなことはない?」
「………ありがとうございます、隊長。けど、大丈夫ですよ。心配は要りません」
そう言いながら、彼は今度は『嘘』の感じられないセリフを、しっかりと 強い意志を持って言った。
……さっきのは、確かに嘘だった。けど…今の言葉を、私は信じてみることにした。
「そう?……わかったわ、あなたの好きにすればいい。私はいつでも相談に乗るわよ?」
「…ありがとうございます、隊長」
…と、彼は言った。強い意志の力と、優しい感謝の念を込めて。
………きっと、彼には何か重大な事が起こっている筈だ。それはわかる。しかし………
もう、彼はこれほどの意志を持っている。もはや、周りがどうこう言う問題でもないだろう。
これは、彼自身の問題だから。もはや私達は、見守るだけでも大丈夫だ………と信じて………
「あ。隊長、ひのめちゃんは元気にしてます?」
「今日は令子のところにあずけてあるわよ?…そうだ、横島クン、あの子の面倒頼むわね?令子だけじゃ心配だから…」
「…はい、わかりました。それじゃ………」
そう言って、彼は出て行った。微笑しながら………
「………さて、と!横島クンにひのめのこと頼んだし…私達もやるわよ、西条君!!」
「え?…はっ、はいっ!!隊長!!」
そう言いながら、私は書類の山に、手を伸ばした………
―――はぁ、眠いなぁ…今日はコメント返し無理…明日必ずしますね、では…
あ、その前に、前回コメントくださった方々、大変参考になりました。ありがとうございました!!では…
今までの
コメント:
- 今回も何か・・・凄く良いです。
『隊長』の元隊員への気遣いが、特に。読んでて感じ入るものがありました。それくらい今回は良いと思いました。無論今までのも、全て、です。
とにかく、続き凄い楽しみにしてます。 (AS)
- たいちょー。貫禄見せましたね!
しかも、ひのめちゃんの世話を頼むなんて。
やはり原作『中世欧州編』のOPで、横島に自分の娘を
頼んだ事はあるぜ!
それと、西条君。情けないですね。 (トンプソン)
- えぇと、今回読んでくださった方々、ありがとうございました。
本来なら、ココであのコがコメント返しするのですが・・・
ちょっと、体調くずしたみたいで・・・今日は無理みたい、ごめんなさい。
コメント返しは、あのコの体調が回復してから・・・ということにしておいてあげてください。では・・・ (sig)
- 返しが有ってからコメントしようかと思っていたのですが、うむ、そう云う事ならば。まあ、ここ連日暑いですし。
で、感想。2節目の字の文、つまり美智恵さんの語り口にやたらと「色気」を覚えてしまいました。本当に何気の無い言葉の選び方や繋ぎ方からなんでしょうがねぇ……。本作の特徴である「語り手の順次交代」は、こうした「描き分け」の巧さに支えられている事を改めて実感した次第です。
では sauer さん、どうかお大事に。20日の土用は鰻でも食べて鋭気を養って下さい、ね。
sig さん、わざわざどうもです。そちらも体調には気を付けて下さいね……鰻でも(以下略)。 (Iholi@ ニセ平賀源内)
- sauerさん、お大事になさってくださいね。風邪はしっかり治さないと!ご回復を祈っております。
横島母といい、やっぱりママーズは余裕というか、貫禄のようなものがありますね。大人だ〜♪
西条さんは挽回の機会はあるのでしょうか(いやなさそう)
・・・あの、もしかして前回書いた私のワガママを聞き入れてくださったのでしょうか?あのあの・・・・とっても読みやすかったです!! (けい)
- sauerさん大丈夫ですか?
今回もよかったので次回も楽しみに待っていますので風邪(ですか?)をしっかり治してから復帰してください。
あとsigさんも風邪(だとしたら)がうつらないように気をつけながら看病してあげてください。
また次回でお会いしたいと思います。 (G-A-JUN)
- 今日は海の日ということで(だから何なんだ?)
sauerさん、具合はどうですか?
熱がある場合:ひたすら汗をかきまくるのがベストです。シャツを何度も取りかえると良いですよ。疲れますが(苦笑)
これくらいしか助言できないのが残念ですが。
で、感想をば。
やはり美智恵ママも横島母と同じモノを感じたんでしょうね。
彼の強い意志の力を感じるからこそ、自分がどうこう言う必要はない。
う〜ん、悲しい。横島君は何を考え、何を想うのか・・・・・。
あれ?前も似たようなコメントしたような(苦笑)
とりあえずは・・・完治するまで安静に、ですね。また会いましょう。 (NT【C】)
- あぁ、皆さんありがとうございます…(感涙)
なんか風邪(←正確には、ちょっと違う)を引くと、周りの人がいつもより優しい…♪
あ、脱線?ごめんなさい、コメント返しは、『横神〜28〜』にしますので…では。 (sauer)
- ん〜〜いいっすね
西条はともかく(笑)美神ははがいっすねえ
確かにあれは勘当もんですよね(笑
ではでは、次のも読みます〜 (トシ)
- さすが美知恵さんだなあ・・・。
人の心をよく理解した女はええのぉ・・。 (ARSENAL)
- 何気に西条さんとのやりとりが好きです (hazuki)
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