「五分(ごぶ)の魂...(その八)
投稿者名:TOMO.KIN
投稿日時:(98/ 5/24)
夜の公園
いつもはアベックの2.3組がいるこの場所も今日は人影は見当たらない...
街灯の光がかろうじてとどくベンチに腰掛けている少女らしき影のほかには...
「みんなゴメンネ、今日はこれでガマンするでちゅ」
ベンチの周囲には何千もの蝶が、少女が広げた工事用の青いシート、その上にこぼした缶ジュースの液に群がっていた。
「明日は必ずケリをつけてやるでちゅ...」
その時、公園の外から強い魔力が接近するのを感知した。
「...だれでちゅか?!」
一斉に飛び立った蝶は彼女の周囲を飛びかい、主(あるじ)をガードする。
街灯の光の外、木立の影に立つ人影
「眷族を下がらせなさい、パピリオ...」
「ルシオラちゃん...何の用でちゅか」
「おとなしく私と一緒に戻りなさい、そしてあの人たちにあやまるのです」
「なんで人間たちの味方をするんでちゅか!
あいつらは私達の棲んでた森や山を奪ってきたんでちゅよ?
今度は私達があいつらの住む街を壊して、魔族の棲む世界を創り上げる番でちゅ!!」
「パピリオ...」
「ルシオラちゃんは人間にだまされているんでちゅ
いいかげん目を覚ましてアシュタロスさまのところへ帰るでちゅよ!
人間なんて全部滅べばいいでちゅ。」
「いくらパピリオでもそれ以上言ったら許さないよ...」
「この蝶(こ)たちがガードしている限り、私は倒せないでちゅ」
数秒の沈黙...
ルシオラの手からエネルギー波、
しかし、それはパピリオの方ではなく、街灯へ、
「!?−なんのマネでちゅか??」
公園での爆発と間を置かず周囲のビル街の明かりも次々消えてゆく... 「夜は私のテリトリー...」
わずかの間、あたりは暗闇へと沈む...
数秒後、あちらこちらの物陰、木立の中から淡い青緑色の光が現れてきた...その数、およそ数万!!
「うそでちゅ...こんな街なかに、ホタルがこんなにいるはずがないでちゆ...」
驚愕で蝶のコントロールを乱すパピリオ。
体の至近距離をエネルギー波がかすめる、
上空へのがれ、地上へ反撃のエネルギー波を乱れ射ちするが、
その顔色が次第に悪くなっていく、そして息も荒い...
「...ホタルをコントロールしている霊波の発信源が意外と速く移動してるでちゅ...今度動きが止まったら、周囲ごとふっとばすでちゅ。」
煙で、目では見えないが霊波の発信源は、ある建造物の影に向かっているのをセンサーは捉えている、
(うごきが少しでも落ちたら...)
パピリオは両手に全霊力をためてその瞬間を待った...
目標が建物の中に隠れた瞬間、彼女は勝利を確信した。
「これでオワリでちゅー!!」
昼と見まごうかの光が放たれた...
( 次回「五分の魂...」完結編の予定です )
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コメント:
- あぁ、しまった、ギャグが入ってない...!! (TOMO.KIN)
- 「数万の青白き光」は、実は...完結編の登場キャラの一族ですが、単純に、「ホタル」ではないですよ... (TOMO.KIN)
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