ザ・グレート・展開予測ショー

古都への修学旅行 Bonus Track!


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(01/ 7/14)

「みなはん、おかえりやす。丁度湯が沸いとりやす。どうぞ、右が男湯どすえ」
ちゅーことは左が女湯である。どーでも良い事だが。
元は混浴であったと思われる大浴場なのだ、仕切りが簾(すだれ)を幾十に重ねた作りだからである。
「じゃあ着替えを取りに・・はっ!」
「そういや、俺の荷物ってオキヌちゃんと同じ部屋に・・」
タイガーやピート、雪之丞も同じ事である。
「まぁ、男の組はこちらでまつケン、女子衆から取りにいってもらおうかノ?」
タイガーの冷静な判断に、
「あぁ、そうさせてもらうよ。行こうぜ弓、オキヌちゃん、愛子ちゃん」
女四人が上に完全に行った時、雪之丞が辺りを見まわして、
「おい、横島の旦那は何処へ?」
「・・・つれてきます」
ピートがしぶしぶ席を立とうとしたとき、
「このスケベ野郎!」
上から大声のあった後、階段から落下する音が響く。
「・・筋金入りだな。ありゃ、大丈夫か?横島の旦那」
「ふにゃ。美神さんほどじゃねぇ」
「横島はんマゾですかいノ?」
当然そんなんじゃないと、否定はするが、誰も信じてはくれまい。
女性陣が各々タオルやら小鞄に下着を隠して風呂へと向かった後、男性陣が部屋に向かう。
「オキヌさんの鞄を漁るような事はしないでくださいよ」
女風呂でいち早く入浴準備が出来たのは以外にも机の愛子ちゃんであった。
はて机はどうしたとの質問はこの際、絵面をかんがみて目を瞑っていただきたい。
「ふう。ひっさしぶりの御風呂ね。あら花子ちゃんもはいってるの?」
「うん!私も偶にはね。うわぁーひろーい泳げそう」
「こら体を洗わないで湯船に入らない。最初はシャワーで体をあらってね」
とお姉さんの役をしている愛子に次いで三人娘がやってくる。
「ほぉこいつはデカイ風呂だな。格闘の後にはぴったりだなオキヌちゃん」
「えぇ・・でも魔理さん女同士でもいちおー前を隠したほうが」
「そうですわよ。レディーとしての嗜みですわ」
「堅いコト言うナよ。ほれぇ」
と、蛇口を親指で押さえて水をふきかえる魔理に、
「やりましたわね!し返しですわ!」
と、桶に水を溜めて体にぶっ掛ける。
「こら!にゃろめ」
弓の纏っていたバスタオルを外す。
「序でにオキヌちゃんもじゃ」
きゃっと身を捻る二人である。
「へぇ、弓って案外毛深いだな」
「し、失礼ですわね!」
「でも、本当にそうですね。弓さん」
「そうそう、オキヌちゃんなんか赤ちゃんみたいな肌じゃないか」
「そんなことないですよ。どうみても花子ちゃんおほうが白くて可愛い肌じゃない」
「そりゃそうよ。私は基本的にトイレにいるんだもん」
そんな会話を聞いている弓が漏らす一言は、
「・・ちょっと羨ましいですわ」
「青春だわ〜」
・・・本当かよ。
こんな会話が展開され入る中、男湯にも座敷童子を含める四人が入ってきている。
「へぇ〜、弓さん毛深いのかぁ」
「横島の旦那。へんな妄想してんじゃねぇぞ!仮にもオレと弓は・・」
「へへ〜んだ、いっつも喧嘩別れじゃねーか」
「何ぉ、横島!」
「まぁまぁ喧嘩するほど仲がいいって言うじゃないですか」
女性に比べて男性の方が洗う時間が少ないのが相場と言う奴か。
後にきたにも関わらず、全員湯船に浸かっている。
「しっかしよぉ。この簾が邪魔だよな」
それはちょっとなぁと反意を現すピートとタイガーだが、
「ま、まぁな」
雪之丞、素直で宜しい。
「おい、あんちゃん達に特別におしえたろか?実はな。この簾には1箇所だけな」
流石は江戸時代から巣食う座敷童子、なんと覗き穴が有る事を小声で教えているのだ。
「なんだとぉ!」
と、勢いよく横島と雪之丞が湯船から出ようとするが、
「それは、不味いケン。我慢ジャ。我慢」
と、ピートが雪之丞の、タイガーが横島の肩をつかむ。しかし横島はするりと身を沈めて、
「へぇへぇへぇ。目の保養、保養!」
行く気まんまんである。
ここやと教えられた穴場へと向かった直後、上空から何かが落下してくる。
「痛っ!」
見ると腰掛が女湯から放りだされた物であるらしい。
「全部聞こえてましてよ。横島さん、少しは自重なさい」
「弓さんの言うとおりですよ、もぉ横島さんのスケベ」
男女の笑い声が浴場内に響いていた。
しばらくして誰からとも無く、風呂から上がると、一斉に脱衣所へと向かう事となる。
「これは、浴衣ですね。ちょうどいいや、僕着てみます」
ピートが興味津々とばかりに持参した洋服でなく、浴衣を身にまとう。
「へぇーそいじゃワッシも、横島はんたちは?」
タイガーが聞くと、
「俺は小さい頃、モーレツごっこやってたからさ、下がヒラヒラなのはちょっと」
横島は持参した洋服に着替える。最も浴衣にバンダナは似合わないだろうが。
「モーレツごっこってなんですか?横島さん」
ピートの問いに笑って誤魔化す横島であるが、雪之丞が答える。
「つまりはスカートめくりのコトさ。俺も洋服がいいや。別に横島の旦那と同じだからじゃないぞ!」
身の細い雪之丞には確かに和式は似合わないやもしらぬ。さて御注目であろう女性陣は、
「浴衣か。熱い体にぴったりだな」
「そうですわね。私もこれにしたいのですが、着つけの方法が」
「そんなモン、適当でいいんじゃん?」
「駄目よ。だって着つけをキチンとしないと下着が見えちゃうじゃない」
愛子ちゃんが理に叶った意見を述べるが、
「あっ!それならあたしが教えてあげる。そんな難しい物じゃないわよ」
流石は着物で幼年時代を過ごしたオキヌちゃんならではである。
「この帯は少し苦しめにしないと、見えちゃうから。本当はブラしないんだけどぉ」
流石に現代人には抵抗があろう。多分。
「それとね。座り方に気を付けてくださいね。油断していると」
男を喜ばす結果になるわよと、忠告。男としちゃ、ちと余計な忠告か?
それでもきちんと気付けをすました浴衣には独特の色気があるのは周知の事実だ。
「へぇ、みんな美人に見えるじゃねぇか」
さて、食事をと思ったが、先の仕事が以外にも早く終わっていたので用意が終わっていない。
「すいまへんなぁ、そや。ちょうど裏の公園で祭りをやっとります、それとも部屋でやすまれますかいな?」
入浴で疲れを取った10代なので、元気は有る。
「それじゃあ祭りを楽しみにいきましょうか?せっかく浴衣に着替えられた事ですし」
ピートの提案に反対する者はいなかった。
花子さん、座敷童子を含める10人は一緒に行動していたが、
「おっ、ワタ飴じゃん。俺の好物なんだ。タイガー付き合えよ」
「了解ですの!」
と、他にもどちらかの相棒がめぼしい物を見つけ出しつつ成り行きで分かれていく。
「横島さん、こっちこっち、かわいい金魚が一杯いるわよ」
金魚すくいの前で立ち止まるオキヌちゃんだが、
「やっぱ京都の人は美人がおおいなー」
といつも通り煩悩を発散しているのが横島。
「もぉ、雰囲気ぶちこわし、ねぇいっしょにこれやりましょうよぉ」
横島の腕を抓る。
「わ、分かったよ。よっしゃゲーセンの鬼といわれた横島全部とったろうじゃないか」
おいおい、そんなん出来るか?とからかうテキヤのアンちゃんだが、5分後には青くなっている。
「よっと!これで50匹目」
「横島さん、すご〜い!」
こう言う事は妙に得意な横島である。最終的にはリリースしたのでアンちゃんも一安心であったろう。
「魔理しゃん、これはなんちゅー食べ物ですかノ?」
「これか?鼈甲飴さ。でもこんなに食うと晩飯が食えなくなるから今度な」
そうですなと、素直に応じるタイガーである。
「でもお前と歩いてると俺も小さくみえるからいいなぁ」
「はは、お役にたって光栄ですの、おっとあの光る棒はなんですかん?」
傍目には相撲取りが歩いてるように見えるやもしらん。祭りを純粋に楽しむ二人である。
「しっかしな。祭りだから、人が多いのはしょうがねぇけどよ」
「あら?こういうのは御嫌いですか?」
「まぁな。どうもこういうにぎやかな所はな。おれは静かなとこの方が」
「もしかして、私を暗がりに引きこむおつもり?」
「ちっちがう!神に誓って」
「そうですか。でもちょっと残念ですわ」
「へっ?」
「冗談。祭りの気分に呑みこまれたかしら?」
そうであろう。弓。
そして、ピート、愛子組には座敷童子とトイレの花子さんがついてきた。
「ピート君。もしかしたら、私達って子連れに見えるかしら?」
「そ、そんな事はないよ。兄弟と思われてるさ」
と、反論するが、
「よぉ、そこの御家族。どうだい。射撃ゲームでもやらないか?」
間違われているようだ。成る程。愛子と花子は学校霊繋がりで何処となく似ている。
偶然にも座敷童子も髪の色はちがえど、顔立ちはイタリア人に見えなくもない。
「花子、お前も東京に帰るン?」
「ううん。あの学校にいようと思うの。あの学校を霊的にまもらないと、ね」
というや、喜色溢れる座敷童子だ。
「そか、ほな今度遊びにいっていいかえ?」
「いいけど、おしりさわらないでよね」
ほほえましいやりとりろいうべきか。いやはや。
「この座敷童子、ちょっと横島君に似てるかもね」
「ははは。そうですね愛子ちゃん」
「今は愛子じゃなくて、おまえって呼んで、ね」
苦虫を潰した顔を一瞬見せたピートだが、
「そうだね。おまえ」
「うーん!青春だわ、限りない青春だわ」
ちなみに、ピートの射撃の腕はそれそこそこでかなりの戦利品を手に持っていた。
小1時間がたった後、富屋に戻ると、今まで仕出しに出ていたという若女将が相手をする。
「皆様、御帰りなさいませ。当館の若女将で御座います」
若女将の喋りが流暢なのは、他でもない東京から嫁いできたからだそうだ。
「そうそう、うちの義母がとんでもない部屋割りを。失礼とは存じましたが、こちらで変更させて頂きました」
とても丁寧な応対で、全員がほっと胸をなでおろしてはいるが、心の底、深層心理では、
「ちょっとだけ・・残念かな?」
健全な証拠である。

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