ザ・グレート・展開予測ショー

古都への修学旅行 三つ目


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(01/ 7/13)

横島の勘通りだった。
「火、っひ、火じゃーーー!火はきらいなのぉー」
「兄ちゃんどーしたん?」
座敷童子がこいつどうしたんやといった目を向けている。
以前ひのめ騒動で火が苦手になったのは周知の事実だが、傍目にはちと情けない。オキヌちゃんが必至に宥めている。
「よ、横島さんしっかりして、どうしましょ?ピートさん」
「この火は僕らに任せてください、愛子ちゃん花子ちゃん、座敷童子君いくよ」
「えっ?この猛火の中をですか?」
驚くオキヌちゃんだが、机の愛子平然として笑ってから、
「だって、この火、霊的加工の火よ。言わばタイガー君のと一緒、わかるわよね横島君」
なるほど、火は迫ってきてきるが、どこも焼け焦げていないのが証拠だ。これを確認すると横島のパニックも収まる。
「そっか、でもお前達だった熱いだろ?花子ちゃん」
「なーにいってるのよぉ、この外国のお兄ちゃん以外幽霊よ。火がどうしたってのよぉ」
「そういう事です。じゃあ理科室は僕らに任せて下さい」
そういってから霧状体の体に変化するピート、続いて花子さん座敷童子と続く。最後の愛子が中に入ろうとした時、横島が、
「一寸待って、愛子ちゃんこれ渡しとくね」
「文殊ね。サンキュー」
「おっし、オレ達は音楽室だな。いくぜオキヌちゃん、横島!」
「はい、魔理さん」
そういって音楽室へ向かう三人だ。
さて理科室内の実験テーブルに幾十ものアルコールランプがおいてある。
「そうか。このアルコールランプの中に霊的に加工した液体を使って火にしているんだな」
ピートがためしに蛇口を捻って水をかける。一応は消えるのだが、
「部屋中が火の海だからな。焼け石に水とはこういう事だな」
一旦は消えても火元がある以上は再度然火してしまうのだ。
「なぁ、これどーやって消せばいいんか?息吹きかけてもだめやしなぁ」
「そうなのよ。座敷童子。水も駄目だとするとぉ」
子供二人が危ない中、理科の実験をしていると、お姉さんが答えを出す。
「それはね。アルコールランプのキャップをすればいいのよ、えっとどこにあるかな?」
そういって棚を全員で探すと、座敷童子が見つけたようだ。
「あったで、これやな」
手にとると上の棚がぐらりとゆれる。
「童子、危ない!」
なんと劇薬が落っこちてくるのだが、
「平気や、わしら実態の無い幽霊やからな」
「違うって!この温度の中本当の可燃薬品がおちたら!」
すわ一大事かと思いきや見た目には瓶が空中で止まっている。
「ピート君?助かったわ」
「金髪のアンちゃんナイスキャッチやな」
ピートが体で受けとめる。
それからアルコールランプ一つ一つにキャプをかぶせる。酸素を絶てばいくら霊的な火と言えど消滅は免れない。
火が大分収まった頃、
「ピ、ピート君あれ見て!」
「おれって、人体模型・・動いてるのか?」
この火元管理人が人体模型のうけもった役割だったのであろう。キャップを外そうと動き始めている。
「よし、ここはこいつを退治すれば終りですね。覚悟人体模型!」
だが単なる人体模型ではあったが、これが以外と梃子摺って四人一緒にかかって漸く動きが止められる程であった。
「こいつ・・つよいけど、どう見ても九十九神じゃないわよね」
愛子ちゃんも必死である。
さて、話は変って音楽室に向かった三人。横島の手が音楽室のドアにかかっている。
「まぁ、家庭科室や理科室よかは危険なモンはねぇーわな」
「オレも思うけど念には念をいれろよ。あとオキヌちゃんよ、あんたの力で敵を見つけてな」
ヒャクメから教わった霊視法もこの距離なら肉眼でも効果が有るからだ。
「解ってますよ。一文字さん」
ドアを勢いよく空けたとき、いきなり音の洪水となった。
「なんだ・・・楽器が勝手になってるのか?」
と誰もがわかるが音が大きすぎて話が出来ない。音だけで人を寄せ付けない効果とは驚きである。
「だー!うるさい、しゃーないな。文殊『静』」
効果は覿面(てきめん)だが、まさか音だけの攻撃ではあるまい。
「お、おい横島あれ、あそこ見ろよ!」
あん?と向く先には太鼓やらベルリラ(鉄琴)がうごめいている。
「あれが・・とんでくるのか?」
正解だ。音が消えた以上攻撃に転じるのだ。
大太鼓のスティックやら木琴の木一枚一枚やらの攻撃だが、
「へん。包丁ならともかく、こーゆーモンなら何とかなるさ!魔理さんオキヌちゃんを守ってください」
戦闘パートの最前線は横島が受け持つ。何を言っても実践経験が物を言っている。
栄光の手を巧みに使いばったばったと飛んでくる楽器を払い倒す。
「なかなかやるよなぁ、横島もっと!飛んで火に入る夏の虫っと!」
大太鼓が横島の攻撃を避けて一文字魔理に向かってきたが、大きさはともかくそんな重い物ではない。
「へん。この一文字に喧嘩うろうなんざ100年早ンだよ」
キメる一文字の背後で様子を伺っていたオキヌちゃんが、あっ、と声を出したあと、
「見つけた、敵がわかった!」
「本当かい、オキヌちゃん。そこは何処だ?」
「音楽準備室にです。ほら右側の急ぎましょう!」
「あぁ、ここもあとは横島一人で問題ないだろ?どうだ」
「本拠地にいってくれ、ここはなんとかする」
確認すると二人は音楽準備室へと向かうが、手前にはピアノがあった。
今まで何の動きも見せなかったピアノが宙に浮かび始めた。
「げっ!やば」
「あぶねぇ、よけろ、魔理さん、オキヌちゃん」
どんと大音声で降りてきた。押しつぶしだが、横島が身を滑らせて攻撃を交わす。
「さ、サンキュー横島。お前怪我は?」
「あぁ擦傷程度だな。それより・・ぬふ」
「は、はやくどいてください。横島さん」
「ずーとこしていたーい!」
魔理の拳骨が飛んだのは言うまでもない。
音楽室ではピアノ対横島だ。
「こーゆー時の対処法はぁ・・下手な曲を引く。いやそれはメゾフォルテ対策だな」
それにピートがいないと出来ない。
「てぇことはぶっ壊す?」
それだと赤字がでそうだと攻撃をよけつつ考えている。このへんが美神の下僕である証拠だ。
「結局は、文殊で「重」」
重力を派生させてピアノを動けなくした。
ちょうど同じ頃、
「愛子ちゃん、もうこいつは動けないよな」
「そうよねぇ。パーツをばらばらにしてから横島さんの文殊で封印したんだから」
「けっこうおもしろかったで、逆パズル」
「ま、まぁね」
それじゃあ音楽室へ向かおうと四人が外に出ると、
「そっちも終わったか?ピート」
「あぁ、雪之丞さん、弓さん。そちらの首尾も問題無く?」
「もちろんですわ。ピートさん。といっても最後は横島さんの文殊が物をいいましたが」
小物、大物ともに動かなくなったはいいのだが、こんどは水攻めできた家庭科室である。
蛇口が最も多い家庭科室ならでは攻撃では、
「これは横島はんの文殊じゃノ!「冷」」
蛇口廻りを冷やしてきたという事だ。
それで音楽室にはいると、敵は音楽準備室にいると横島の口から出る。
「それじゃあ敵さんの面ぁ御拝見といこうじゃないか」
全員が音楽準備室へ向かうと、魔理が、
「シー、オキヌちゃんが死霊使いの法で徐霊してるの、静かにね」
「わかったぜ。でも敵の正体はなんだったんだ?」
「あれよ、あの楽器。単に骨董品のように展示しているだけだったのが原因のようね」
魔理が指差す先には日本の古来よりの和楽器が苦しそうに音を奏でている。
「あれは、御琴ですのね。そうですわ。たしかに御琴は化けやすい存在だと聞いた事がありますわ」
日本の化け物浮世絵、百鬼夜行にも琴の化け物もいるのだ。
もぅほとんどが徐霊完了といったところだが、ピートがぽつりと、
「・・・・つまり、これは・・古都の琴!!」
寒い、寒い風が吹いたが、
「ぶっ、ぶはっ。ぶははははははは!」
ひとり多うけの雪之丞である。
だが、この大声が徐霊能力を甘くして、御琴に派生した意識体は逃げ場を探した。
「しまったわ!逃げるわ、・・もぉ静かにしていてといったでしょ?」
「す・・すいませんオキヌさん」
ひらあやまりのピートと雪之丞である。
意識体が逃げ出した時、何故か琴を弾く爪が飛んでいったのだが、誰の目にもとまらなかった。
その意識体をおっていくと美術室へと入っていく。
魔理がいち早く、見つけた。
「おい、あの壷に入ったぞ!」
すると又ピートが、
「・・・・雪之丞君といっしょで、壷にはまりましたか・・・」
「んな物封印して壊せば終りだな」
的確に作業を終えたのは一文字魔理であった。
そして、
「ふぅ、すべて終わったな。さて宿でもかえろーぜ。汗でべっとりだ、熱いしな」
だが、ピート、雪之丞を除くメンバーには寒い風が相変わらず吹いていたという。



-と、言うわけで本編は終わりましたが、ボーナストラック、続きます。-

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