横島クンは神になれるのか?〜その19〜
投稿者名:sauer
投稿日時:(01/ 7/10)
ドクンッ………ドクンッ……ドクンッ……ドクンッ……ドクンッ……
あ…朝か…?……く、くそぉっ………昨日よりもずっと症状が、『進んでいる』な……
「…ぐぁ………!」
俺は全身が弾けそうな感覚に必死に耐えて、起き上がろうとした。………が
『こぽっ・・・・・・』
………妙な音がしたかと思うと、俺の顎に生暖かいものが流れていくのを感じた。
「……………ッ!!」
嫌な予感が全身を駆け抜けた……手が、震えてくる。まさか………そんな馬鹿な…?
俺は、震える手を必死に抑えながら、口元に軽くふれてみた………
「………ふ、はは……なんだこれ?」
………俺はもう、笑うしかなかった……そこにふれた、俺の左手は………
俺が予想したとおりの『もの』によって……化粧されていた………
………真っ赤な…『血』によって………
プルルルルルルッ………プルルルルルルッ………
突然なった電話の音で、俺は我に帰った……今は…呆けていても仕様が無い。
受話器を取ろうとして、俺は自分の左手が真っ赤に化粧されていることを思い出した。
気を取り直して、右手で受話器を取った。
「………もしもし…横島ですけど………」
俺はさも、今起きたばかりのような声で、電話に応じた。
「あぁ、もしもし、忠夫?なぁに、アンタまだ寝てたの?…まったく…だらしないわねぇ」
俺は、受話器から聞こえてくる声に驚愕の表情を浮かべる。
「お、おふくろ!?」
「…何よ、そんなに驚くことはないでしょう?…それともアンタ…
母さんに言えない様な事でもあるのかい?…例えば…部屋の中に、女の子を連れ込んでる、とか………」
………いつもながら、母さんの洞察力には感心する。
ただ、この状況が、女の子を連れ込んでいるだけならどれほど良いか………
………という、違いは存在するが。
「そんなことしてるわけないだろ?…それより、めずらしいな、何か用?」
「アンタ、親に対してそれは失礼じゃないの?…まぁ、いいわ。
今日はアンタの声が聞きたかっただけだしね。………元気にしてるかい?」
「ぼちぼちね、母さん達の方こそ、どうなってるんだよ?」
「はぁ…相変わらずよ………アンタの父さん…あれはもう、どうしようもないわ…」
「えらく弱気だね?何かあったの?」
「あぁ?…ははは…別に何とも無いわよ…」
「そぉ?………親父は、ちゃんと見張っとかないと………」
「伊達にアレの女房やってたわけじゃないのよ、心配しないで」
母さんの声が、いつも通りの力強いものに変わったのを聞いて、安心した。しかし………
………俺は…母さんに話さなくてはならない事がある………
「忠夫?…どうしたの?いきなり黙っちゃって………」
伊達にあの子の母親をやってる訳じゃない。あの子の様子がおかしいのは、最初から気づいていた。
「か…母さん、落ち着いて聞いてくれよ?」
「………なぁに?」
もちろん、こんな時にいくらあたしが取り乱しても、問題の解決にはならない。
それは経験が物語っていた。だから、あたしは あの子が何を言おうと、決して騒いだりするつもりは無かった。
「あのさ…俺、もうGSとしての修行も、かなり長いだろ?それで…今度、俺………
神界で、新しく修行できることになったんだ………それでさ………その………
…し、しばらくは地上に還れなくなると思うんだ………」
「………」
あたしの知らない単語が、頻繁に出てきた。それでも、あたしは何も言わない。
「……で、しばらく…会えなくなると思うんだけど………あ、そうだ、仕送りも………
しばらくは要らないから………それと………つまり………俺が言いたいのは………」
…まったく、嘘が下手なんだから…あたしは、軽くため息をついて、一言だけで言った。
「…いいわ、行ってきなさい」
「………えっ?」
「行ってきなさい。アンタがそう決めたんでしょう?」
「あ……あぁ、そうなんだけど………」
「じゃあ、行ってくれば良いわ。母さん反対しないから。けどね………
ちゃんと、帰ってくるのよ?………これだけは、守りなさい。いいわね?」
…こう言っておいても、この子はきっと嘘をつくだろう。しかし、
今回のこの子の言葉には、『もうこれしかない』という、説得力、というか………
初めて、浮付いた理由意外の気迫を感じた。それなら、もう何も言わない。
…この子は、馬鹿だけど…自分で決めたことだけは、通す子だったから………
「………わかった……約束するよ…ありがとう、母さん…」
「…修行………がんばりなさいね…体に気をつけるのよ?」
「わかってるって……親父と仲良くね?」
「どうかしら?………さぁて、じゃあね…そろそろ仕事の時間だから………」
「あぁ…そうだね、じゃあ………『さよなら』、母さん」
「ええ、じゃあ、『またね』、忠夫」
そう言って、あたしは、最後の『よりどころ』を残し、忠夫とほぼ同時に受話器を切った。
「…『またね』………か…気づかれたな、あれは………」
俺はそうつぶやくと、左手についた血を落とそうと、流し台の前に立った。
「『約束するよ』か…俺も大嘘つきだな………」
不意に、昔クラスの友達が、こんなことを言っていたのを思い出した。
『約束は、破るためにあるんだ』と………
「…なんて皮肉めいた言葉だろう………」
俺はしばらく、何もする気になれなくなっていたが、手についた血が消えるにしたがって、気を取り直していった。
………しっかりしなくては………まだ、やるべきことは、沢山あるのだから………
俺は気合を入れなおすと、手に血が付いていないかを確認した。
そして、事務所へ行くために、いつもの服を取り出した。
いつのまにか、俺の体を蝕んでいた症状は、全て回復していた………
―――やったぁああ!!とうとう、一日に3作載せるという、暴挙を達成!!
ヒャッホゥッ!、グレートッ!!信じらんねぇぜっ!?ジーザス!!(←?)
……なんて、馬鹿やるようなお話じゃないんです。今回は。(←ならやるなよ)
どうでした?吐血まで進んでしまった、横島クンの症状は。
次回は、あの3人が、久々に…(というか、初めて)でてきますんで…では!
今までの
コメント:
- トンプソンさん!
田中芳樹先生、ファンなんですよ、ボク!!
『銀英伝』も、『創竜伝』も、かなり逝けます!!(逝ってど〜するよ?)
あと、人間っぽさ爆発のマリアちゃんも、許していただけて嬉しいです。
でも、今日は無茶したから、明日は無理かも………?(とほほ…) (sauer)
- がんばったね・・・えらいぞっ!?(ホントに)
今回は、吐血(ぐはっ)と、母さんネタですか・・・・・・
がんばったかいあって、見事な吐血が・・・(ぐぁはぁっ!!?) (「sauerの友達」改め・sig)
- 横島ー事務所に行くのもいいけど歩きながら吐血しないように。 (タモ)
- タモさん、コメントありがとうございます!コメント返しは、次回に………
トシさん!
前回のコメント、ありがとうございました!このお話も、読んでくれたら嬉しいです…
…って、さりげな〜く言ってしまった………波紋失踪っ!!(←?) (sauer)
- 一挙に3話も読めるなんて、幸せです♪
でも次の朝は一体どーなってるんでしょう、横島くん(^^;)歩きながら吐血ですか?(爆死)
「さよなら」と「またね」の意味が重いです、ううう(涙)次回のあの3人にも期待してます! (けい)
- あぁ、けいさん、コメントありがとうございます。コメント返しは、次回…
とゆーことで。(何度も言うけど、これは違うんですよね) (sauer)
- sauerさん最近の調子はどうでしょうか?
やっぱ一日で3話も作るなんてすごいですね。
多分木曜日あたりには復帰できそうなんでまたお付き合いお願いします。
(なんか宣伝しちゃったよ。)
ところで横島クンは自分が神族になることを決意したのでしょうか?
やはり作品名通り横島クンは神になるのでしょうか?
今後の展開を楽しみにしています。 (G-A-JUN)
- 全部読んできました。
もう、凄いの一言です。
何でこんな話を毎日描けるんだろうと不思議に思わずにはいられません。
やっぱり才能の違いというものなんでしょうね(遠い目)
まだ、一人称になった時、誰の台詞なのか分からない時がありますが、大分慣れました。
横島君、大分追い詰められてきてますね。
百合子母の「またね」が非常に印象的です。
電話で息子の状況が全て分かってしまうなんて、やっぱり母なんですね。
今、横島君は何を想っているのでしょうか? (NT【C】)
- ジーザスやん、こんどゴルフコース廻りまひょ。 (トンプソン(最高神バージョン))
- おがーちゃーん(意味無し)!!
ふう・・・母は強し、ですねえ。 (S・R)
- 読むに決まってるでしょう(笑
さっすが
もう最強ですね
この表現のうまさ
みる人を虜にする・・・・・・
はぁ・・(←何いってんだこのアホ
さ〜〜てと、次のsauerさんの奴・・・・・・ (トシ)
- お〜い横島、親父さんの事忘れてないか?(苦笑) (Iholi)
- 「またね」ですよ。
また会えますよねッ! (ARSENAL)
- あえないと知ってての約束いいなあ。(ダメ人間)
こーゆうシーン切なくて泣きたくなる感じが大好きです (hazuki)
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