ザ・グレート・展開予測ショー

横島クンは神になれるのか?〜その17〜


投稿者名:sauer
投稿日時:(01/ 7/10)

「あ〜…今日は 本当に楽しかったなぁ………」
 俺は、誰に言うでもなく、軽くつぶやいた。
「ああ、最悪だったぜ、オマエのおかげで!」
雪之丞がワザとであろう、皮肉めいた言い方をする。俺達は もちろん笑みで返して、各々好き放題に非難を浴びせる。
「あっ、雪之丞てめ〜、人の金で遊んどいてそれかよっ!?」
「当たり前だっ!オマエが誘ったんだから、オマエが金出すのは当然だろっ!?」
「あっ、雪之丞、それはないんじゃないか?横島さんは、『貧乏』なんだから。
 それくらいのココロ遣いができないようじゃぁ……弓さんに嫌われるぞ?」
「ピートサンも、けっこうキツイ事言うのー……そんなセリフ、誰に教わったんじゃ?」
「はは、横島さんのそばに居れば、周りはみんな先生ですから」
「ピート…『銀英伝』のファンなのか………?」
「…えっ?なんでわかったんですか?」
………ピートが、『銀河英雄伝説』のファン…妙にしっくりくるな………(俺だけか?)
俺が、馬鹿なことに考えをやろうとした時だった。
「…あ〜あ、やっぱり、お前らは…最高だよ………なぁ、こうなったら………
 ………いっそ独立して、俺達4人で、『GS事務所』つくらねぇか?」
「「「えっ!!?」」」
………雪之丞の突然の提案に、俺達はただただ、唖然とした。
…独立して…こいつ等と事務所を………? …それができれば…どんなに楽しいだろう?
けど…それは、できない………俺には、もうすでに…切り離して考えることのできない…
…大切な、『仲間』がいるから……彼女達を裏切ることは、『1度だけ』にしなくてはならない…そう、『1度だけ』……
「う〜〜ん、残念だけど、僕は今のところ唐巣先生のそばに居たいし………」
「そうじゃのー、わしも、まだまだエミサンのところで修行中じゃしのー」
俺が答える前に、ピートとタイガーは答えを出していた。
………そうか…こいつ等も……切り離すことのできない…『存在』が、あるんだよな…
「そ〜だよなぁ、俺ももーちょっと美神さんのとこでタダ飯食いたいし………」
「………なんだ?その理由は………」
雪之丞がつっこみ、俺達はまた笑った。………それは、まるで俺のついた嘘を隠そうとしているようだった………


「じゃ〜な、雪之丞、タイガー、気をつけろよ」
「お前らもな、横島、ピート」
「さよなら、横島サン、ピートサン」
「またな、タイガー、雪之丞」
 僕達は、別れの挨拶を交わした後、おとなしく帰路へとついた。
横島さんも、僕と同じ方向だ。…なんだか、今日はヘンに意識してしまう……横島さんが、いつもと違うからか?
「………なぁ、ピート…」
「えっ?は、はいっ、なんでしょう?」
いきなり横島さんが、かなり優しい口調で言ったので 僕はあせってしまった。
「?………なにをうろたえているんだ?…まぁいい。今から、教会に寄ってもいいか?」
「…え?い、今から…ですか?」
どうしたんだろう?………今からって…もう11時近いんだけど………ま、まさか…?
「あ、あの、横島さん?…僕、男ですよ………?」
…僕は、最後の賭け(?)にでた。これでも、優しい表情をしていたら、もしくはにっこり笑って、
『そんなことは、かまわないさ』
とか言われたら、僕はバンパイアミストで逃げることを決意した。しかし………
「?…何をわかりきったことを言ってるんだ?…それより、今から神父に会いに行ってもいいか、と聞いてるんだが…」
…どうやら、予想に反した(?)答えが返ってきたようだ。よかった………
「え、ああ、そうですね。ええと……たぶん大丈夫だと思いますけど………」
「そっか、んじゃ、ちょっと寄らせてもらうぞ」
そう言った横島さんは、再び穏やかな表情を浮かべていた………


「先生、ただいま帰りました」
 …私は教会の入り口のほうから聞こえてきた声に、いつものように応えた。
「おかえり、ピート君………おや?」
思わず私の口から疑問符が出る。そこには、見慣れた姿が一人分多かったからだ。
「やぁ、珍しい来訪者だね……こんばんは、横島君」
「夜分遅くにすみません…こんばんは、唐巣神父」 
見慣れた姿…横島君は、いつもになく礼儀正しい言葉遣いだったので、かえって私は戸惑ってしまった。
「あぁ、えぇと…それで、どんな用件だね?君がわざわざ来るぐらいだから………
 …ま、まさか美神君を説得しろとか?………そ、それは私にもちょっと………」
彼が来る理由として、私に考えられるものは それしかなかったので、私は焦った。が…
「いえ…今日は神父の様子を見に来ただけですよ…お元気そうでなによりです」
彼の胡散臭いほどの紳士っぷりに、私は思わずピート君に小声で尋ねていた。
「ぴ、ピート君?横島君は、なにかヘンな物でも拾い食いしたのかね?」
「いえ、今日は少しヘンなんですよ…なんだか妙に落ち着いてるって言うか…」
「………聞こえてるんだけど…」
横島君のちょっと不機嫌そうな声に、私とピート君は反応した。
「い、いやぁ…あ、そうだ、僕お茶入れてきますねっ!」
「なぁっ!?ずっ、ずるいぞ、ピート君っ!!」
「………くっ…」
突然、横島君の口から、空気が漏れるような音がした。
「あははははっ!…神父もピートも、可笑しい………俺、そんなにヘンですか?」
横島君は突然笑い出すと、それを必死にこらえながら私に尋ねてきた。
………なんだ?今までのは演技だったのか?………横島君も人が悪いな………
「いや、すまないね…ただ、君の様子がちょっといつもと違ったから…」
…私がそう言った瞬間、一瞬彼の体が反応した様に見えた……気のせいではないだろう。
「…何か…あったのかい?横島君……」
「いえ………何もありませんよ」
……そう言ったが、嘘をついている。普段の彼は、こういう時には嘘をつかない。こういう時でなければついているが。
「まぁ、言いたくなければ良いのですよ…ただ、私が力になれる事があったらなんでも言って下さい」
「…すみません、神父…今は言えません。しかし…いつか必ず…言いますから…」
「………」
私はあえて何も言わなかった。その方が、良いだろうと思ったからだ。
言いたくなれば、彼ならきっと、自分から話してくれるだろう。そう信じているからだ。
彼はそのまま、二三、取り留めのない話をしてから帰っていった。
………この時、私はもっと彼の話をよく聞いておくのだったと…後になってから、後悔した………



―――今日は、なんか気分が良いので、あと一話くらいいけそうです………
 お付き合いいただけたら…うれしいなぁ……な〜んて思ってます。ではっ!!

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa