「五分(ごぶ)の魂...(その六)」
投稿者名:TOMO.KIN
投稿日時:(98/ 5/20)
... 胸騒ぎを感じた美神は珠に精神を集中した...
(お待たせしました、つづきをかかせていただきます )
部屋の中がオレンジと赤の中間(アカネ色というのだろう)の光に満たされた。
遠くに、海に沈みゆく夕陽がみえている。
<<私たちの寿命は一年、そう土偶羅さまが設定したの
<<パピリオはお気に入りのおまえに、自分の思い出を残したかったのだと思う...
画面が変わった、空母の甲板らしい、
目の前に母(美神美智恵)が立っている。
<<魔族の奴等と一緒に、俺も始末するつもりだったんスか?
<<下っ端を使い捨てにする、そんなやり方、俺は認めんからなー!
映像が乱れた...彼らの戦艦のデッキの上だろうか...
異次元空間を背景にルシオラがこっちにちかづいてきた...
<<敵でもいい...また一緒に夕陽をみて おまえの思い出にのこりたい...
(横島{アイツ}...こんな事があったの...)
二人の映像を見ていた美神は胸の奥が苦しくなるのを感じた。
気がつくと、今度はビル街を見下ろすどこか高い場所。
<<美神さんにイジメられたんスか?
いざとなったらあの人と刺し違えてでもー.
<<ちがうの、あの人は私達にとてもやさしくしてくれてるわ...
(あのヤロー!!)美神は横島と、二人に同情しかけていた自分に対し、猛烈に腹が立ってきた。
急に目の前で、青白い火花がスパークし、画面がチラついた、
(!!時間切れ?それとも、私の感情の逆流??)
ようすが変だ...
目の前でルシオラが泣いている、音声は途切れ途切れにしか聞こえてこない、心の中から絞り出す...そんな感じにきこえた...
光が消え、事務所に戻ったことに美神は気づいた、
何百メートルのエレベーターを一気に上昇したかのような眩暈と軽い頭痛を感じ、ソファの方に移動しながら、おキヌに水を頼んだ。
「...どうだった美神クン?」
「残念ながらアシュタロスの情報のある所までさがせなかったわ...」
「大丈夫ですか、美神さん顔色が悪いですよ。」
お盆にコップと水差し、頭痛薬を載せて戻ってきながらおキヌが心配そうにたずねた。
礼を言ってコップの水を半分ほど飲んだ時、横島が気絶から覚める所だった。
意識がもどった時、横島は美神がミョーに明るい表情で近づいて来るのにきづいた...そして彼女が猫なで声でもだした日には...
「ねぇー横島クン? あなた、ルシオラに何かしなかったか、覚えがないかしら??」
(バレたっ!!!)...過去の経験ではこの態度、この口調、美神の怒りの最上級、モスト・デンジャラス・ゾーン、コンデション・レッドである。
顔面中からじわーっと汗を吹き出す横島。
「正直にいうなら今のうちよ」 ...沈黙
「事と次第では許してあげる」...床の上、汗が水溜まりになる。
「あ・た・し・に・は・話せないと言う つ・も・り??」
(ここまでが横島の精神の限界)
「...じつは、キスを...」
みなまで言い終らぬうちに飛ぶ美神のビンタ!!
「あの娘の純情につけ込んでセクハラしたんかー!! あんた!!」
「ちっ...ちがうっスッ、ちゃんと合意の上で......はっ」
言った後、横島は二人の女の冷たい視線と西条の「してやったり」の
表情に、「こ...この構図はどこかで...」と気づいたが、
とき、すでにおそし...
(つづく...)
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コメント:
- 展開のテンポのよさについては才能を感じますね。続きを楽しみにしてます! (Chon)
- またまた続きを期待させる終わり方です。極楽ワールドのイメージをあまり変えていないのもすんなり読める原因の一つでしょうか?続きを期待して待ってます。 (コーディ)
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