ザ・グレート・展開予測ショー

ワショクヤの日々(六)番外


投稿者名:AS
投稿日時:(01/ 7/ 8)

 ここはとある町のどこにでもある商店街。

 やたらと声が大きい青年が魚の文字が入った店の看板の前で客よせをしてたり、子供づれの夫婦が間にいる子供の手を左右から握って微笑みながら歩いていたりするー・・・

 ここはどこにでもあるふつーの商店街。
 道行く者が皆笑顔で、笑い声の絶えない商店街。
 とても平和な・・・しょうてんがい。

 ドギュン!

 その場にいる全員が、揃って動きを止めた。



ーワショクヤの日々(六)番外・白昼の狩猟



 繰り返す。
 ここはどこにでもあるふつーの商店街。
 先程まで賑やかだったその商店街が、一転厳しい司書のいる図書館の如き静けさとなっていた。
「・・・・・・」
 皆笑うのを忘れ、強ばった表情のまま固まっている。
 数十秒経過。
 場にいる者の中でも肝のすわった者が、ゆっくりと『音』のした方・・・商店街の入り口へと肩ごしに振り向く。そしてその姿勢のまま凝固した。
 そこにいたのは交番などで目にする衣服を纏った青年。そして形容しがたい仮装をした中年の『親父』だった。
 それだけならまだいい・・・ソレダケナラ。
 捨ておけないのは二つ。一つは警官と思える青年の眼が通り魔の様に血走っている事。そしてもう一つは・・・
『ふふふふふ・・・もう逃げられんぞ・・・』
 警官の青年は、限りなく通り魔を連想させる声で中年男性を威嚇しつつ、銃を構えていた。その銃口はそのまま発砲すれば正確に中年男性の眉間を射抜くだろう。そんな状態の両者はそのまま動きも無く・・・いや、動いている。じりじりと距離を広げようとする親父と、距離を詰める青年。僅かだが確実に二人(と言っていいのか?)の位置は変わってきている。
「ーーー!!!」
 場にいる全員、息を呑む。
 このまま両者が動きを止めぬ場合・・・間違い無くこちらに接近する事になる。一般市民の中に銃を向けられた犯罪者らしき中年の親父。それだけでも尋常ならざる事態だ。しかもその上拳銃を握る者も通り魔予備軍だ。
 と、いう事は・・・
「・・・・・・キ・・・」
 大パニックへの、きっかけ。そのきっかけが一人の女性の口から発せられようしている。
 その時。
 シュッ!
 何か小さなモノが通り魔、もとい警官に飛びかかった。
「ーーーおまえ!?」
「な、くそ! またキツネか!?」
 突然そのキツネに視界を塞がれた警官が、空いた手と銃を握る手の両方で、引きはがしにかかる。
「今だ!」
 その機を逃さず、中年男性が警官に体当たりした。
 ドンッ!
 見えぬところに突然の衝撃。打つ手無く吹っ飛ばされる警官。
 ドガシャーン!
 そのままの勢いでブティックのガラスを割り、そこに飾られたマネキンへとダイブした。
 「ぐ・・・!」
 ダッ!
 中年とキツネが商店街を抜けるべくダッシュし始めた。無論人のいる方に向かってである。
「ーーー!!?」
 おののく人々。
 復活した警官通り魔も拳銃振り回して向かってくる。

「キャアアアア!」
「ウワィァァ!?」

 遂に始まる大パニック。轟く銃声。逃げまどう人々。そして当事者の中年とキツネ。寄声を上げる警官もどき通り魔青年。
 そこはまさに地獄絵図だった。

『たぁすけてーーー!!!』

 ・・・それから数十分後。

 奇跡的に怪我人は無かった。それでも一度は無人となった商店街に、ちらほらと人の姿が見え隠れし始める。

 ・・・皆げっそりとしていたが・・・

「! あれ・・・?」

 ふと、魚屋の青年が、一枚の名刺を見つけた。

『・・・和食屋入嫁狐・・・?』


 一方・・・狩りは続く。

『待て! 止まらなくても撃つ! 止まっても撃つが! とにかく止まれ!』
『てやんでぇい!! 止まるかぁぁぁぁ!!! 俺は帰るんだぁぁ!!!』


「うぐ!?」
「? 美神さんどうしたんですか?」
「いや更に・・・何だかいや〜〜〜な悪寒が・・・」
「そうですか? 私はどんどん良い事起こりそうな気がします! きっと大丈夫ですよ!」

『・・・・・・逃げた方がいいかも・・・・・・』


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