ザ・グレート・展開予測ショー

横島クンは神になれるのか?〜その13〜


投稿者名:sauer
投稿日時:(01/ 7/ 5)

 ………あれ?あそこに居るのは………
「…横島さん?…横島さん!!うわぁ〜っ、お久しぶりです!!」
僕は、そう言いながら、見慣れた姿に向かって駆け出していた。
「…!よぉっ!!ピート、久しぶり!!」
彼は、そう言いながらふっ、と何かを吹き消すような笑顔をした。…?何か違和感を感じる…なんだろう?
「あっ、横島さん、それじゃ、小鳩は失礼しますね…?」
「あぁ、じゃ〜ね、小鳩ちゃん。貧乏神もな」
「なんやねん、そのとってつけたよ〜な言い回しは…?」
「いや…なんでも」
そう言いながらも、なんだかいつもの彼らしくない。なにかが、ちがうんだ…
「…なぁ、ピート。唐巣神父は…元気にやってるか?」
「…えっ?」
思わず僕はひっくり返りそうになった。彼は、間違っても男性の…普段頻繁に会うことの無いヒトに関しては
決して心配するようなヒトではなかったと思うんだけど…それとも、僕が彼のことを
誤解していたんだろうか?………そんなことは無い………と思いたいけど………
「?………神父、調子悪いのか?」
「えっ?…あ、いや、そんなことはありませんよ、ちょっと栄養不足ですが」
僕が黙っていたので、悪い方向へと考えが行ってしまった様だ。僕は慌てて否定した。
「そうか。なら良かった。…けど、飯くらいちゃんとしたモン食わせてやれよ」
そう言いながら微笑する彼。!!………わかった!!…笑顔だ………!!
 僕は無能な探偵助手のように、ようやく違和感の正体を突き止めた。
彼の笑顔は、あけすけで、見ているものから不快感を奪っていく効果がある。
そのあたりが、一部の魔族の持つ『魅了』の能力とかぶっているが、彼のは『自然体』だ。
 しかし、今日の彼の笑顔は、それだけではなく、どこか深い哀しみ、と言うか………
ある種の『優しさ』が加わっていた。それは…とてもはかないイメージとなって僕をおそった。
「横島さん、今日は…その…どうしたんですか?」
「?…どうしたって…なにが?」
「なにが…と言われればわからないんですが…」
僕は、先日これと非常によく似た会話が交わされていたことを知らなかった。
「はは、聞いてる本人がわからないんじゃ、しょうがないな。だいたい………
 お前がわからないことを、俺がわかると思うか?…っと、やべっ、予鈴だ」
そう言って、彼は校舎内に駆けて行く。…うまくかわされた…様な気がする。
そう思いながらも、僕は待ってくださいよと、彼を追った………


「それでさぁ〜、涼子ったらね?彼氏の話ばっかするのよ?どう思う?愛子ちゃん」
「へぇ…彼氏かぁ…いいなぁ、そういうの。まさしく…」
『青春よねぇ〜〜〜っ!!』
 私達の声が教室内でハもった。女の子が集まると、大概は彼氏の話か、服の話、歌手
あるいは、仲間内の変わった子なんかがする、薬学なんかや銃の話(sauer基準)などなど。
実にさまざまな話が飛び交い、これもまさに青春の重要な一部分だと思う。
「よぉ、おはよう、タイガー」
「うっ、ウオ〜〜ッ!!よっ、横島サンッ!久しぶりジャノー!!」
「がぁはあっ!!はっ、放せタイガーっ!!ピ、ピートッ!!助けてくれ…」
「タイガー、やめろ、横島さんが死んでしまうっ!!」
 教室内にその聞きなれた声が響いたとき、私を含む数人の女子生徒が一斉に声の主を確認した。
 ひとりは、最初からこの教室に居たタイガー君。
 そして『彼』と一緒にやって来たのがピート君。
 ………そして、本当に皆が反応した声の主…
「横島君!!久しぶりねー、青春してる?」
意図せずとも、顔中に喜びが満ちてくるのがわかる。この感覚には慣れっこだった。
………彼と居るときだけは、だけどね。
「よぉ、愛子っ!!久しぶりだな。…元気?……いや、『青春』してるか?」
「…あたりまえでしょ?あたしを誰だと思ってるの?」
…そう言いつつも、なぜかひどく胸騒ぎがした。こんな感覚は、生まれてこの方、
あまり味わったことは無い。彼の笑顔を見ながら、なぜかそう思った。
「そ〜だよなぁ…『青春』の第一人者だもんな…安心したよ」
胸騒ぎは、私の中で嵐のようになった。
「安心?…それってどういう…」
そう尋ねようとしたけど、生憎と先生が来てしまった。
「さ〜、みんな席に着け〜…って、なぁがぁあああ!?(?)よこ、よこし、横島ぁあ!?
 なんでお前がココに来てるんだぁぁぁああああッ!!?」
「俺が来たら悪いんかぁぁぁぁああああああ!!!!!!」
先生と彼の絶叫によって、しばらく教室内は騒がしくなったけど、私はなぜか………
その心の中の嵐が強まっていくのを感じていた………


「さぁて………今日も何事も無く(?)終わったし、帰るとするか!」
俺は、そううそぶいて、なるべくいつもと変わらぬ風を装った。ただ、ピートや
愛子には、ばれていたような感じだったが。こうなれば長居は無用だ。
そう思い、校門へ向かって駆け出そうとした、まさにその時…
「「横島さん!」」
「横島っ!」
「せんせ〜〜っ♪」
…明らかに見覚えのある四人の影が、俺の姿を捉えていた………



―――やばいっ、雷鳴り出しました!!こりゃ、早い目に送信しちゃわないと…
 『アレ』は続きますっまだまだ!!ではっ!!(はやくしないと近くに落ちてるよ!)

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