ザ・グレート・展開予測ショー

GSキラー:track09+[Selfish]


投稿者名:ダテ・ザ・キラー
投稿日時:(01/ 7/ 4)

「さて、そうと解ったらうつ手は一つね。」
美神令子は満足そうに一言呟くとだらん、と力なく垂れ下がっていた神通棍を再び振るった
ドシャアアアァァァァン
盛大な音が当りに満ちると美神の満足げな表情は更に色濃いものとなった。もっとも、
彼女が100%満足するのは敵を屠った時のみだろうが。とにかく、神通棍は店内に有る、
シャンデリア型の巨大な照明器具を叩き落し、ゴーレムはソレに押し潰されていた。
「今の内に逃げるわよ。確認するけど、依頼内容は除霊じゃなく「何とかする事」よね?」
言いながら依頼人を引き摺って、自分の愛車まで後退する。
そして、運転席を開けると、依頼人を押し込み、自分は助手席で言う。
「私は追撃に備えるから、さっさと車出して。ブレーキ踏んだら死ぬと思いなさい。」
「ヒイイイイイィィィィッ?な…なんでこの私がー?」
「今の説明の何処に不満が有るっての?ゴチャゴチャカバチ垂れんとさっさとなさい!」
だが、ゴーレムの襲撃でパニックを起こしてる一般人が、車道にまで溢れている。
「こんな状態じゃ出せませんよー!」
「あんたが人ハネてもみんなゴーレムの所為よ!見なかった事になさい!!」
美神は得意の論理飛躍を見せたが相手は何故か納得しなかった。
「アンタそれでも人の子かーーー?」
「当り前でしょ?自分じゃやりたくないからヤレっつってんのよ!」
いわゆる「いじめっ子」の理屈である。男はもはや半錯乱状態で発車した。
「うわーーーん!わしゃ、フィリップス上院議員とちゃうぞーーー!!」
「何よそれ?女の私には少年漫画の話は分んないわよ!」
こうして美神は彼女らしく理知的かつ行動的に危機を回避した。

閑話休題
「これだけやったんだ。この私の命は助けてくれますよね?」
「そういう言われ方すると「駄目だ」って言いたくなるのが人情ってモンだと思わない?
ま、依頼料に必要経費込みで十七億二千万払ってもらうまでは生きててもらうけどね。」
「じ…じうななおく?」
依頼人だけが、新たな危機に直面していた。


「誰だったっけ?」
横島はさも面白くも無さそうに天空からの助っ人にごく自然に質問した。
彼女の怒るまいことか、当然の如く食って掛った。
「鈴女だーーー!どーして忘れられんのよ?こンの鶏頭ーーー!!」
「あぁ、そーか。そーいや此処で暮らしてたな。で、手ぇ貸してくれんのか?」
「アンタは…せめて一言謝れ!」
この、手の平サイズの女性のもっともな要求に横島は爽やかに、頗る清々しくこう応じた。
「悪かったな害虫。」
「(怒)…ソレは同盟破棄と受けとっていいのね?」
「気に入らなけりゃ先に鶏頭を訂正してもらおうか?」
羽の生えた小人は横島の顔の目と鼻の先でホバリングして互いに微笑みを交わしていた。
「それはおかしいわ、最初の順番じゃアナタが先よ?横島君のお・馬・鹿・さ・ん♪」
「君は狼少年って知ってるかい?君が先でなきゃ信用出来ないな、クソ妖精(ニッコリ)」
「んっふっふっふっふ」
「はっはっはっはっは」
頭同士をごりごり擦らせながら笑いあう二人。
一方、周囲はこの「微笑ましい語らい」に入れずに硬直していた。
(どうやればあんな怖い笑顔が出来るんだ?目だけ笑ってないし。)
最初に呪縛から逃れたのは一文字だった。
「あー、えっと…鈴女・・・だっけ?お前にはおキヌちゃんを捜せるのか?」
「あら、こちら素敵なかたねぇ。」
「また始めやがった、百合妖精。」
コロッと態度を改める鈴女をジト目で見やりつつ横島がぼやいたが、それに気付く者は、
誰一人としていなかった。
「確かに妖精は能力的にはオカルト界の便利屋だが、気紛れで悪戯好きだろう?何故、
協力してくれるんだね?」
「おキヌちゃんは私の旦那様候補の一人だから、ポイント稼ごうと思って。」
「なんだか横島さんに似てますね、近親憎悪と言うヤツですか?」
(お前が言えた事か?親父を退治してくれ。ってのがお前との出会いじゃなかったか?)
ピートに言われて、思わず内心、反論するが、確かにその種の危惧はあった。
「お…俺のアイデンティティーがドイツ産の蛾に奪われてゆく…」
男泣きに咽ぶ横島だったが、それすらも最早、気に留める者などいなかった。だが、
「あら?先生とピート、それに一文字?珍しいとり合わせねぇ。」
「美神君!」
…だが、やっぱり気に留めてもらえなかった。
「…淋しくなんか無ぇや……。」
つづく

長かった襲撃編が終わり(カオス達はイレギュラー)、次回からインターミッション編
そしてバトル度レッドゾーンの決戦編。「俺、今猛烈に熱血してる!」(番組違う)

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