ザ・グレート・展開予測ショー

横島クンは神になれるのか?〜その11〜


投稿者名:sauer
投稿日時:(01/ 7/ 3)

………はぁ、はぁ、はぁ………き…きつかった………
…やっぱ、タマモを後ろに乗っけてきたのは、まちがいだったか…?
…まぁいいか……二人とも、嬉しそうだしな……

 ファミレスの中は、朝だと言うのに結構なにぎわいだった。
家族連れや、恋人同士、野郎友達の集団など、実にさまざまな人達が食事をとっていた。
…まぁ、その中でも、この三人は特殊な部類に入っていたが………

「さて、と…なに頼む?シロ、タマモ」
「……拙者、この『わふうすてーきせっと+さらだばー』というのがイイでござるっ!」
 (『和風ステーキセット+サラダバー』¥1350 じゅ〜し〜なお肉が魅力的)
「……それだけでいいのか?やけに少ないな…タマモは?」
「…あたしは……タラコスパゲティー…きつねうどんは…無いみたいね…」
 (『タラコスパゲティー』¥550 まさにパスタの傑作、口の中に広がる風味は最高)
………心底残念そうな顔をするタマモ。横島もこれには、
「…まぁ、そうみたいだけど…けど今度連れて行ってやるよ」
…といってしまう。とたんにタマモの顔に喜びの表情が浮かび上がる。
「えっ!いいの?…あ、ありがとう横島っ!…あ…けど、アンタお金持ってんの?」
「はは、最近ちょっと金がたまりだしたからな。そのへんは心配するなって。
 …さっ、遠慮せずに好きなものたのみな?…さぁて、俺は、と………」
…もちろん、これはウソだった。あいかわず彼は貧乏だったし、現に昨日までは
無一文だった。…今彼がお金に困っていなかったのは、小竜姫のおかげだった。
『貴方がヒトとして過ごす、最後の一週間になるかもしれません。
 …私には何もできませんが、せめて…コレを持っていってください…』
…と言って、大量の小判を渡してくれたのだった。厄珍堂で、お金に換えたら
とんでもない額になったのは確かだ。メニューを見つつ、そう思う横島。
「えっ?まだいいのでござるか?え〜っと、それじゃ拙者は………」
「…あ、あたしこのクリームソーダが飲みたい…いい?」
さっそく遠慮無しにシロはメニューをあさり、タマモもそろそろと注文を決めていった。
………そして数分後、彼らのテーブルはお皿で埋め尽くされていた。


「ねぇ、横島。今日はいったいどうしたの?」
…あたしは、さっきから気になっていたことを口にしてみた。
「どうしたって、なんのことだよ?」
…ごく普通の反応を示す。…こうして見る分には、いつもと変わらないんだけどな…
あたしはタラコスパゲティーを口に運びながら、ちらっ、と横島の様子を観察する。
…横島は、シロとあたしに交互に目線をやっては、口にコーヒーを運んでいる。
「ん…なんのことって言われたらわかんないけど………」
そう言いつつ、馬鹿犬に目をやる。…食べるのに必死みたいね………まぁいいけど。
「なんか、最近のアンタちょっとヘンじゃない?」
「俺が?馬鹿な、俺はいつもヘンだぞ?…って、シロ…食いもんは逃げないから、
 せめてもうちょっと落ち着いて食ったらどうなんだ………?」
…軽くかわされた。馬鹿犬…なにしてんのよ………って、あっ!
「シ、シロっ!そのクリームソーダ、あたしの!!」
「ひにふるほほはいへほはふ!!(気にすることないでござる!!)」
「気にするわよっ!!」
「………タマモ…も〜ひとつ頼んでやるから………」
はっ、と横島を見る。……そうか…そうだったんだ………あたしは、ようやく
気になっていたことの正体がわかった。…笑顔だ………笑顔がいつもよりも優しいんだ。
「あ…ありがとう、横島…」
なぜかあたしは、胸がふぅっと暖かくなるような気がした………

………不覚ながら…拙者、この時の事はあまり覚えていないでござる………
ただ、なにやらタマモが拙者に言った後、せんせいとタマモが楽しそうに会話していた…
ような…気がするでござるよ……くっ、ふ、不覚………

「ねぇ、横島…それ美味しそうね、ちょっとちょうだい」
「お前なぁ…そんなに食って、太っても知らないぞ?」
なんだか嬉しそうに食べ始めたタマモを見ていると、こっちも嬉しくなってくる。
「残念ね、あたし太んないもん」
「そうかな?さっきはかなり重たかったけどな…」
「ウソ言わないでよ。さっきは軽いって言ってたでしょ?」
「タマモ、『社交辞令』とか『お世辞』とかって聞いたことあるか?」
思わず俺もタマモとの会話を楽しみ始めていた。
「…ねぇ…横島…アンタもステーキ食べない?『焼かれ方』は3通りあってね。
 ………そうね…レア、とか、ミディアム、とか、あと今ならもれなく………」
と、言いながらタマモが狐火を発生させて、その手のひらでもてあそんでいる。
「たっ、タマモっ!?帰りにそのへんのすし屋に寄って いなり寿司でも買うか?」
タマモの、ジョークだか本気だかわからないセリフに…たぶんジョークだと思うけど…
俺は慌てて別の話題に話を持っていく。
「えへへ、ありがと、横島」
そういって、いたずらっぽい笑顔を浮かべるタマモ。…たまにはこういうのも…
…悪くないな………今気づいても、ちょっと遅いんだけど、まぁいい。
それから、俺とタマモはしばらく他愛の無い会話を続けていたが、シロがごね出したので
そろそろ帰ることにした。…またいつか、こうして来れるといいがな………

 あ、ちなみに。事務所についたとき、苦笑する小竜姫様と(彼女は観光の名目で
 事務所に泊まっている)なぜか怒りの表情を顔面に表した、美神さんとおキヌちゃんが…
俺に対してかなりの仕打ちをしたが…残りはあと6日…気になんてしない…



―――はぁ…やっぱり、アルコールがはいるとただでさえまとまってない文が
 よけいひどくなる…(泣) ……でもこの時期はビール無しでは死んでしまう………
 ああっ、いったいど〜すればいいんだぁっ!!…あ、脱線でした。
 『アレ』はもうしばらくあると思うんで、これからもヨロシクです、ではっ!!

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa