ザ・グレート・展開予測ショー

へっぽこ大作戦


投稿者名:TAK・A
投稿日時:(01/ 7/ 3)

「では千歩譲って・・・」
「千歩も!」
「助っ人を頼まれたとしましょう、それで七篠さんになにが出来るんです?」
「ふっ、どうやら小島君は知らないようね!七篠家は六道家にも負けない古い歴史を持つ見鬼の家なのよ」
「けんき?」
「霊視能力を持った人のことですう」
「・・・霊視能力だけは優れてたんですね」
「一つでも取り柄があってよかったですう」
「ううう〜」
 確かに、七篠家は平安時代から続く霊能者の家柄であった。しかし横島のいうとおり霊視能力だけに優れ(その力は六道家の式神に匹敵するという)除霊の方は全然だめという家系であった。そのため長い間他の霊能者の下請けとして扱われてきた。
「下請けっすか」
「助っ人よりしっくりくるですう」
「うう〜」
 七篠の先祖もこれを憂い、ありとあらゆる荒行を試し、又婚姻などにより強力な霊能者の血を入れるなどしたが効果はなかった。
 しかし、力は得られずとも、知識を手に入れた。それにより七篠家は除霊の際のアドバイザーとして重宝されるようになった。
 また有力な霊能者たちとのコネを手に入れた。
 これらの理由により、除霊をする際はまず七篠家のものに霊視を頼み、その除霊に最適な人物を紹介してもらうという構図が出来あがった。そして江戸時代には七篠家は霊能者たちの黒幕とか重鎮と呼ばれるようになり、明治には日本ゴーストスイーパー協会の前身の帝国除霊士協会の初代会長を務めたほどだ。
「実力じゃなく金とコネで世渡りしてきたんですね、先祖代々」
「おーほほほほほ」(ふんぞり!)
 しかし、ある時霊視ゴーグルが開発された。これにより七篠家の力の需要は激減した。又、高度経済成長により地価が高騰しだし、ゴーストスイーパーの需要があがると、今までの最適な方法を探すよりもブルドーザーが木をなぎ倒すような除霊方法が一般化し、さらにはコンピューターの開発により除霊のデータベースの実現により七篠家の権威はがた落ちした。そして自らは危険を冒さず高額な紹介料をとる七篠家にゴーストスイーパたちの不満が爆発したこともあった。
 かくして七篠家は没落した。
「というわけで私は七篠家の再興を目指し日夜努力を続けてる訳よ。」
「努力ってどんな?」
「神通木昆の素振り五百」
「意味あんのか?」
「さああ」
「妙神山にもいったのよ」
「大嘘」
「見栄張らなくていいですう」
「ほんとよ。生死の境をさまよったわ」
 経験者としてはどうも信じられない。あそこの修行は強くなるか死ぬかだ。とてもそのようには見えん。
 ここで一つの可能性に思い当たる。まさかとはおもう。聞かない方がいいとおもうが聞いてみる。
「ひょっとして遭難したんじゃ・・・」
「えへ、じつはそうなんでーす。なんちて」
 横島自爆。

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