ザ・グレート・展開予測ショー

未来掲示・別編(ラプラスの語り15)


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(01/ 7/ 1)

そこは一筋の陽光も蛍光灯も無い薄暗い部屋である。ある特殊な牢屋だ。
貴方はどうしてもこの鬱屈とした建物の奥までいかねばならなかった。
=地獄へよおこそぉ、ムカイさん=
悪魔ラプラス、確実に未来を映し出す能力を持つ。

待ちなって、未来ってのは無限の可能性が有る。その数と同等の俺がいる訳だがな。
それでも聞きたいのなら俺の知っている歴史を語ろうじゃ無いか。そう、忠告を一つ。
何を言おうとココは牢獄だ、まぁ気をつけろ。

タマモは御食事中だった。キツネうどんさ。
「やっぱ、大好物は最後に取っておかないとねっ!」
とっても可愛い主張だな。ことは美神の不注意からだ。
起きたばっかの低血圧もあってふらふらとしていた。
「きゃああ!!あぁああああああ!」
どんぶりをひっくり返した上に油揚げを踏みつけてしまってな。
「ちょ、ちょっと!あやまるぐらいしてよ」
「うにゃ〜、私ねむいー」
下手糞な誤魔化し方だな。美神。
「こ・の・う・ら・み・は・ら・す・べ・き・かぁ〜!!!!」
こ、恐すぎるぞその形相・・。
「さて、美神にとって大切な物、なにかな?お金は稼げば元通りよね」
他に大切な物、熊の人形や御札なんかの、候補もあったが、
「アイツだな。よし」
と、言うわけで横島誘惑作戦がここに勃発したのであった。

「横島クン。御使い御願いね、そのまま家に帰ってもらってもいいわ。品は明日届けて」
「えー、一旦戻ってきてもいいっすよ?」
美神から御使いを頼まれている。
「まー、戻ってきてもいいけど、ぜーーったい事務所には止めさせないからね」
相変わらずの日常なんだがなぁ。
「はー、なーんの進展もないな。俺と美神さん」
無いな。まーったく兆しもないな。と、そんなぼやきを呟く横島に、
「はぁ〜い、そこの坊や」
さる路地裏から女の声がしたが、横島は誰かほかの奴を呼んでいるだろうと、思った。
「そこのバンダナ巻いている坊やよ」
「えっ?俺っすか?」
どうみても、ソッチの仕事をしているオネェさん、だった。
「そうよ、あなたこれから何処に行くの?」
御使いたのまれて、って言うと、
「ねぇ、その御使いなんかほっぽらかして、ワタシとイイオモイしない?」
なんちゅー嫌らしくない表現だ。だが、やってる事はかなりえぐいぞ。
「ちょ、ちょっとおねぇさん。そんな近ずかないで、息がかかりますぅ、それに俺金ないすうよぉ」
「くすっ、カワイィ。ワタシのタイプよ、サービスしてあ・げ・る」
おっと、手が男性急所に指し伸ばそうとしたとき、
「すっ!すいませ〜んさいなら〜〜」
人間として、それで正解だ。横島。
「ちっ、失敗か」
変化をやめた、オネェがタマモの変装第1段であった。

おつかいの場所は当然厄珍堂だった。
「ほい、これが令子ちゃんの頼まれた品アルね」
受け取ると、ちょっと、顔を近づけて、
「なぁ、厄珍。お前に買い取って欲しい品があるんだけどよ」
差し出す物はあー。ナンだ、ソレだよ。
「ほほぉ。令子ちゃんのアルか。よっしゃ良い値を出すあるよ」
おいおい、犯罪だぞ、そりゃ。
大金を調達してホクホクの横島だ。前方不注意で何かにぶつかった。
「痛たっ!誰だちゃんと前を見ろ!」
いや前を見るのは横島、君だぜ。
「あんじゃ〜こら!」
一目でわかるぞ。特攻服に身を包む、通称レディースと呼ばれる一団だ。
「げっ!、し、し〜ましぇ〜ん!!」
ひらあやまりの横島に攻撃しようとすると・・。
「ちょいまちな」
どうやらヘッド女が、な。手下に命令する。
横島の髪の毛をぐいっと引っ張ると、
「ほぉ、あきちの好きそうな顔じゃないか。どうだい?許して欲しかったら・・」
横島にしか聞こえない声で、
「あきちを天国へ連れていく程の奉仕をしてもらおっか」
さすがの横島も状況が状況だけに煩悩は発散できなかった。
「こっ、これでカンニンやぁ〜!!!ぁぁぁぁぁぁ!!!」
全財産を投げ捨てて逃げかえった。
「ちっ!又失敗」
近くにいたレディースをあやっつていたタマモである。

「ふぅ、助かった。でも勿体無かったかな?」
おいおい、横島。万一モノホンのヘッドと寝たら人生、キツくなるぜ?
家路へと向かう横島の耳に悲鳴が聞こえてきた。
「たっ、たすけて〜〜」
闇夜に目を凝らすと世にも可憐な少女、高校生ぐらいの女の子が走ってくる。
「なんだ?・・おいおい、霊に追われてるのか!」
そこは何と言ってもGS、横島だ。
「お嬢さん、僕の後に隠れて!」
「はっ、はい!」
びくびくと震える体を横島に任せる。霊を睨む横島。ちと、かっこいい。
『ギギギ!』
なんと霊達は回れ右、ダッシュで逃げていった。
「こら、待て!」
追おうとする横島に、背にかくれていた少女が、
「い、行かないで、御願い!」
なんてささやく。
それから、恐いからと、近くにいさせてと、言うが、
「それは駄目ですよぉ。お嬢さん。警察に行って事情を説明しないと・・?あれ」
流石に警察沙汰は不味いと何時の間にやらいなくなった少女。無論、
「また失敗?なんか腹立つわねぇ!」
なんか、初期目的が変ってきたタマモだ。

「しかし、今日はなんちゅー日だ?女難の相でも出てんのかな?」
そうかもしれないな。
さてアパートの下まできた横島に、
「よぉ、横島。ヒック!」
「あん?タマモじゃないか・・お前酔っ払ってるのか?」
建て続けに振られた所為か、何処かで一杯やったタマモだ。
「うふ〜ん」
「なんだよ。気色悪い、ほら美神さんのトコへ帰れよ」
だがよ。よっぱらってとても帰れそうな状況じゃない。一応騙して保護してるので、
「万一ばれたら不味いな。っておい、寝るな」
「ZZZZ」
はい、御就寝。しょうがないから、部屋に連れていく。
「・・水でも呑ませるか」
と水道を捻って水を出すが、タマモまったく起きる気配無し。しょうがないから俺がと口をつけると、
「ゴクゴク・・なんか苦いな・・ってこれ酒ぇ??」
アルコールに耐性の無い横島がべろんべろんになっちまってな。
「ふふ。これで既成事実を作ればこっちのモンよ」
「ふふぃ。女ァーー!」
タマモが着ていた物をはがす行為に出た。
「まっ、久方ぶりだけど、いっか。あ〜ん、あら巧いじゃない、ふ〜ん」
これ以上、俺は言えない。
ガンガンと二日酔の目で見た光景は、
「昨日は良かったわぁ〜横島」
べっとりとくっ付くタマモである。イイワケも出来ないからな。
尚、タマモ、昨夜はかなり燃えたそうだ。
この後、美神やオキヌの事は言わなくても想像出来るだろ?
今回の教訓。
『食い物の恨み、おそるべし』

-くくくく、忠告したはずだぞ、ここは牢獄だと-
貴方は不意に誰かに持ち上げられた感触を味わう。
その後、とてつもない衝撃が走った。それはバチカンの艦首が繰り出した攻撃だった。
気が付くと、そこは牢屋の中だった。独房ではなく、ワンサカと魔物がいる牢室だ。
俺は人間だと言っても信じてくれない看守。その様子を見てラプラスは一言。
=地獄へようこそ!御向かいさん=

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa