ザ・グレート・展開予測ショー

GSキラー:track07[777(Remix Reiny Ver)]


投稿者名:ダテ・ザ・キラー
投稿日時:(01/ 7/ 1)

地獄絵図と化したアーケードでは、警官隊も役に立たない。美神令子はチラリ、と、依頼人の
姿を一瞥した。床でもがいているところを見ると腰でも抜けただろうか?どうやら予想
以上に扱い易いらしい。結構な事である。しかし、この程度の事で取り乱すなど幼稚過ぎる。
(ウチの助手といい、客といい、どうして私の周りにゃ腰抜けしかいないのかしら?)
自分は結婚を考える程老け込んでもいないし、恋愛に憧れる歳でもなかろうが、どうせ
会うなら魅力的な男性の方が良いに決まってる。一人ぐらい、頼りになる人がいても
罰は当らなかろうに、出会う男は期待に反して自分より臆病な奴ばかり……
そんな事を考えるうちにも、ゴーレムと思しき物が自分に近づいて来る。アレが万が一、
つんのめって前のめりに倒れ込んだら押し潰される事だろう。そろそろ動くべき頃合か?
美神は最後にコーヒーを一口、ゆっくり味わってから咽喉に流すと席を立った。先ずは…
「何とかして欲しいですか?勿論、別件の除霊として二億になりますけど?」
言って、ゴーレムに向き直る美神。背後で男が頷くのを気配で感じ、美神は身構えた。
「さーて、楽しませてもらうわよ?」


「待って、やめて、よしてぇー!」
魔鈴はスカートが捲れ上がるのを覚悟でマリアに組み付いて叫んだ。
いくらなんでもこれでは命令実行中止である。
「危ない〜〜事は〜〜やめて〜〜」
『誰の所為だと思ってる?』
必死の魔鈴とブチ切れたカオスだったがこの時ばかりは見事に唱和する。
「え〜〜?え〜〜と〜〜、冥子解んない〜〜。」
六道冥子。つくづく平和な方である。
「…六道さん…、お願いだから、メキラ使って。小笠原さん家に入れて…。」
魔鈴のこの悲痛な嘆願にも慌てず騒がずマイペースに応える冥子。
「え〜〜?でも〜〜、エミちゃん〜〜、きっと〜〜怒るんじゃないかしら〜〜?」
「でも、このままじゃカオスさんが小笠原さん家壊しちゃいますよ?」
「しょうがないわね〜〜、これっきりよ〜〜。メキラちゃん〜〜。」
まるで子供でもあやすようにそう言って、傍らに待機する12体もの式神の中から1体、
鋭角的な頭蓋を持つ虎のような式神を招き寄せ、首に抱きつき、残りを自らの影に収める。
2人と1体も冥子に掴まるとその姿が一瞬の内に掻き消える。瞬間移動の能力である。
3人と2体は見事、小笠原GSオフィス玄関内にワープアウトしていた。
「それじゃ、六道さんは隅々まで霊視して下さい。その間に私とカオスさんで調査します」
魔鈴のこの指示に、冥子は先刻の言葉もすっかり忘れて新たな式神を数体(!)呼出した。
「待て待て待てーぃ!なーんで貴様が仕切る?天才的頭脳で数百年、世間を震撼させた、
このワシ、人呼んでヨーロッパの魔王、Drカオスこそがブレーン役にピッタシじゃろーが」
魔鈴は、カオスを相手に口論するのは時間の浪費と悟ったか、痛む頭を押えながらうめく。
「…えぇ、…次回からは…お任せします…。」
(あぁ、常識人は私だけです。助けて、西条先輩…。)


「二つ…教えておいてやる。先ず、ワシはお前等の天敵だ。」
未だ収まりきらぬ熱風の向こうで声が響く。判ってる、狐火が効かないだろう事位は。
さらに言及するなら、それは自分の手には負えないという事だ。
「そして、…天敵が獲物と定めた者が出来ること。それは、………無い!」
突如、爆炎を吹き散らして、巨大な、刃の塊としか形容のしようが無い存在が飛び出した。
「終わりだ!野獣め!!」
言葉と同時に、大剣が、いや、彼の腕が、タマモを袈裟懸けに薙ぎ払った。
(やれやれ、マジでヘヴィーな相手ね)


「おや?横島君、今日は日暮れぐらいから豪雨だそうだよ。」
「…、でも、天気予報って信じた日に限って外れたりしません?」
(…この非常時に、横島さんは分るとしてなんで先生までTVなんか見てるんだろう?)
つづく

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