ザ・グレート・展開予測ショー

横島クンは神になれるのか?〜その7〜


投稿者名:sauer
投稿日時:(01/ 6/29)

   …しゃく…しゃく…しゃく…しゃく…
 部屋の中には、リンゴの皮をむく音と、少々耳障りな空調の音、そして…
「…セロン…わしは、おぬしになんと言ったかな…?」
「お…お師匠さまぁ…お、お許しください!ボクには…やっぱりできませんっ!!」
「…ほぅ…どうしてもか…?しかしそれでは、おぬしにかかった『呪い』は、
 解けんことになるが…いいのかな…?後悔はせん、というわけじゃな…?」
「………かまいません。このまま続けたら…それこそ…後悔してしまう気がします…」
…少年、『セロン』が、あの斉天大聖老師となにやら話をしており、傍らでは、
小竜姫が果物ナイフを片手に、リンゴの皮を1メートルほどの螺旋状に変化させていた。
「ふ…ふぁあっはっはっはっはっはっはっはっは……!!」
突然、斉天大聖老師が大爆笑したので、横島もさすがに『アレ』かと思い…
「ろ…老師、しっかりしてくださいよ!!老師がいなくなったら……え〜と……………
 ……あ、う………?(……フォ…フォローが思い浮かばない………!!)」
「おぬし今、失礼なことを考えておったな!?断っておくがわしはボケてなぞ…」
「はいっ、横島さん、斉天大聖老師、セロン。リンゴが切れましたよ(にっこり)」
…突如セリフを中断された老師。小竜姫の、おキヌちゃん並な天然さに思わず続きが
言えなくなってしまう。……それとも、小竜姫の作戦だろうか?…話をスムーズに
進めるための。………とりあえず、数秒後、リンゴをかじる音がきこえ始めた………

「で、なんでセロンは俺を探してたんです?老師の命令なんでしょ?
 ……それに、セロンと今、呪いがどうとか言ってませんでした?」
リンゴをかじりながら、彼の山ほどある『聞きたいこと』のひとつをたずねる。
「そうじゃな…おぬしにも、ちゃんと話してやろうかの…こやつは…セロンは、
 神界で大罪を犯しおってな…怒った一部の者たちに、とある呪いをかけられてな…」
「…前々からうすうす思ってたんだけど、神様って怒ったらすぐに呪いかけたり、
 幽閉したり、殺っちゃったりすんのは、どうしてなんでしょうね……?」
……横島も、最近知識量が増してきているので、けっこう普通のことを聞く。
「さての…わしも少しばかり覚えがあるでな…何故なのかはいまだによく分からんが…」
…もちろん、斉天大聖といえば、いろいろと困ったエピソードがあるのだが……
そのあたりは、またの機会になる、と思う。
「んで、呪いって何なんですか?……それと俺といったいなんの関係が?」
やがて話も、じわじわと核心に迫ってくる。………が………
「呪いについては、横島さんには言わない方がいいです。それよりも…」
「ちょ、ちょっと、小竜姫様! なんで俺には言わないほうがいいんですか!?」
いきなり小竜姫に話をそらされ、けっこう泣きたくなる横島。
…いま、小竜姫が少しあせったことに、横島は気づいただろうか?
「それよりも!!」
横島、老師、小竜姫に 置いていかれそうになっていたセロンが、その会話を止める。
「老師、さっきの笑いは何なんですか!?あんなひどいこと僕にやらせようとして!!
 それでいて、できないとなったら、いきなり笑うなんて……!!」
セロンが、かなり真剣に怒っているのを見て、横島もさすがに少し気になる。
「いったい、老師に何をやらされそうになったんだ?」
「いや、なに。『ちょっと横島のところへ行って来て、この台本どうりに行動しろ』
 といったんじゃがな。……読むか?」
「拝見します。」
と、老師の差し出した台本を、静かに読んでいく。そこには…
『――まず、冷徹非常なナルシストを装い、横島たちと接触。(趣味)
  横島以外の事務所の人間…美神令子、氷室キヌ、犬塚シロ、妖狐タマモの、
  四名を拘束、その後 横島のみを殺し、その首を持ち帰ること……――』
「…なんだ…これは…(怒)」
静かな怒りと、抑えがたい怒りの中間にはさまれ、実にきわどい表情をつくる。
「わしに言われてもこまるぞ?それは、わしが作ったものではないからの…
 ただ、ひとつ言っておくぞ、セロン。…おぬしは、正しかった…」
「僕が、正しかった?…それはどういう……?」
さっきはあれほど馬鹿にしたくせに…と言おうとしたが、老師の視線がそれをさせない。
「あそこで、おぬしらが、戦いを止めなければ、わしはおぬしを殺しておった。」
「!!…それは……」
どういう意味か、と尋ねようとしたが、舌が回らない。
「あれは、おぬしの呪いを解いてやるか、否かを判断する、試験のようなものじゃ。
 おぬしが、真にヒトを見る目があるのか、を判断するものだったんじゃよ」
「……………」
もはや何もいえなくなってしまったセロン。その様子をしばらく眺めた後で、
「……横島よ…実は…大変言いにくいんじゃが…おぬしも、今回の試験者に
 含まれておったんじゃ………やはり、セロンを助けなければ、おぬしは…
 このわしが、殺しておったよ……」
「な…!?なんだって!?」
驚愕の表情が横島の顔の上にあらわれる。
「…まぁ…わしの話を聞け………」
そう言った老師の顔は、なぜかとてもつらそうだった………


―――こんばんはっ、やっぱり投稿してしまいましたっ(ぺこり)
 やはり『ペースが速い』とお思いの方には、ごめんなさいっ(ふかぶかぺこぺこ)
 ここは、ホントは一発でいく気だったんですが、どうもまだまだかかりそうで…
  そして、次の次辺りから、書きたくてしょうがなかった『アレ』が…(意味深)
 期待しないで、まっててくださいね?(消極的にもめげずに、まきしまむレベルはぁと)

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