ザ・グレート・展開予測ショー

横島クンは神になれるのか?〜その5〜


投稿者名:sauer
投稿日時:(01/ 6/28)

・・・トクン・・・トクン・・・トクン・・・トクン・・・
なんだ!?この感覚は・・・霊力が・・・わきあがってくる・・・!!
・・・ズキン・・・ズキン・・・ズキン・・・ズキン・・・
そして・・・この、身体の砕けそうな感じは、なんだ・・・!?
霊波が、肢体を駆け抜ける・・・力が、どんどん消耗されていく・・・

「…くっ、くそっ……!なんなんだ、この感覚はッ・・・!!?」
 彼は、もはや口を利くのも一苦労、といった様子で、再び気を、集中する。
そして 今はじめて、静かな瞳で、目の前の『男』を、静かに観察する。
黒い髪は、風にもてあそばれ、白いローブは、どこまでも高貴な雰囲気を漂わせている。
そして瞳は、とても美しい光を発して、静かな色を――それでいて、どこかつらそうな、
悲しい色を――たたえていた。そして、(これは今気づいたことだが…)意外にも、
『男』というような顔立ちではなく、『少年』、それも、強いて言えば、
………『少女』のような顔立ちをしていた。
「…よぉ、もう、やめにしないか…?俺たちは面識がないし…それとも、どっかで
 会ったことでも?…悪いが、俺にそんな記憶はないな…おまえも、そうだろ?」
可能な限り隙を見せず、彼はこの状況における最高の打開策を持ちかけた。
「だ、だめだよ!僕は君と戦わなくちゃいけない!!…確かに僕は君とは面識がないよ?
 …けど、僕にも事情とゆーものがあるんだ!だから!たのむから!戦ってよ!!」
意外にも『彼』の声はどんどん悲痛なものになっていく。
「事情ってなんだ?俺たちでよければ、相談に乗るぞ?…とにかく、無意味な争いは…」
「なぜここまでしている僕にそんなに優しくするんだ!!さっきの不意打ちだって、
 当たってたら、死んでたんだよ!?………もっと本気でかかってきなよ!!」

「…じれったいわね…なにやってんの、あの馬鹿は………!!
 『アイツ』のあの攻撃、『アイツ』の言う通り、当たってたら死んでたわよ!?」
今回、あまりの戦闘展開のスピードに、悔しいながらも ついていけない美神は、
弟子に追い抜かれたあせりもあって、いらだちを隠すことができなかった。
「武士の情けも、ここまでくると行き過ぎでござるよ!!
 せんせい、たのむから はやくそやつをたたきのめして、
 無事に拙者のもとに帰ってきてほしいでござるよ・・・・・・」
美神の言った通り、目が追いついても身体が追いつかないシロも、戦闘に参加できない。
「横島さん・・・・・・!(こんなとき、支えになろうとしている私は、
  どうすればいいんですか?ただ祈る事しかできない・・・!!せめて・・・
  せめて・・・無事に、私達のところに帰ってきて・・・!!横島さん・・・!!)」
………自分の無力さを呪いながらも、必死に祈りをささげ、見守るおキヌちゃん。
「横島・・・馬鹿犬のためにも・・・死んだら容赦しないわよ・・・!」
思わず自分がつぶやいている言葉に すこし戸惑いながらも、タマモも、
おキヌちゃんに倣う。以前の彼女からは考えられない行動だった。

「…わかったよ…君はどうあっても、僕と戦う気はないんだね…?
 ・・・なら・・・・・・もう好きにやらせてもらうよっ!!!」
『彼』が、とうとう動いた。…まずい…もう動く気力さえ残ってねぇのに…くそぉっ!!
・・・全てを覚悟した俺は、目を閉じるのも面倒だった。ふと、目の前に気をやる。
『彼』がこちらへ向かって向かってくるのが視界の端に映っていたが、もう・・・
「さよならッ!!横島クンッ!!」
心なしか、その声は震えていたように思う。今となっては確認することもできないが…

・・・まさにそのとき、意外なことが起こった。いや、正確に言うと、起こっていた。
横島の身体から、光のような、又は霊体のような曖昧なものが浮かび上がったかと思うと
彼が気をやったあたりの空間に収束し、彼と同じような『影』を生み出したのである。
・・・それは『彼』が気づかないほどの早さであった。『彼』は気づかず『影』へと
近づき、次の瞬間、『彼』の光り輝く左腕が、その『影』をかき消した。
「なっ!!これは、幻影!?」
この言葉を聞いたとき、横島の精神は、かつてないほどの強い意志によって、
全てを覚悟したはずの彼の心を、強く覚醒させていった。
「幻影だとっ!?」
今までの消耗すらどこかへやってしまったようで、一気に記憶の糸を手繰り寄せる。

――どうせ私たちすぐに消滅するんじゃない…!!だったら!!
     ホレた男と結ばれて終わるのも悪くないわ!!――
そういって、『彼女』は俺のために戦ってくれた。自分の妹と、真剣に・・・
その時、『彼女』は幻影を生み出していた。はかない命ながらも、もっとも繊細で・・・
もっとも、美しい光を生み出す、『ホタル』のように・・・
 !!…俺は正真正銘本物の馬鹿か!!?誰に誓った!!?自分に誓った!!!
 もう二度と、同じ過ちは繰り返さないと!!俺がみんなを守ると!!
…動く気力なんて、体中からかき集めりゃあいーだろう!?
……俺なんかのために、命を張ったあいつの死を無駄にするきか!!?
        ふざけるのも、いいかげんにしろ!!
この俺がいる限り、二度と誰も殺しはしない!!例えそれが…敵であってもだ!!!

妙な違和感を感じたのは、彼がその決意を抱いた次の瞬間であった。
・・・と、言っても体に感じる違和感ではない。この空間に感じる違和感である。
「なっ…なに!?今変な感じが…!?」
「なんでござる!?この、天井の方の妙な音は…?」
「ま…まさか、落盤!?出口が近いっていうのに…!!」
「横島!!はやく、ここは崩れるわ!!出口へ急いで!!」
皆、流石にカンが鋭い。すでに荷物をまとめ、出口へ向かっている。
「おいっ、いったん停戦だ!!ここを抜け出してから話を聞いてやるから!!」
「にっ、逃げるの!?待て、ここで決着を・・・」
       ぱぁん・・・・
・・・辺りに、乾いた音が響く。横島が、『彼』の頬をはったのだ。
「馬鹿!んなもん ここを出たらゆっくりつけてやるっつってんだろ!!!
 死んだら、元も子もないだろ―が!!!いーから、俺について来い!!」
といいつつ、ひょいっ、と彼の手をとった。もちろん、いつもの彼なら、
「なんで俺がヤローとお手てつないで走らにゃららんのだ!!」
等と言っているだろうが、今は先ほどの決意が新しいため、無駄な事はいっさい無しだ。
「ち、ちょっと、横島クン・・・」
「やかましいっ、さっさと走れっ!!」
もうすぐそこに 出口が見えている。美神達は、すでに外まで退避したようだ。
・・・が、彼らはどうやら、トラブルの女神様にモテモテのようだった。
「わっ!て・・・天井がっ!!!!」
『彼』の声に上を向くと、天井が音を立てて崩れてくるところだった。
「くっそおっ!!おわってたまるかぁぁあああ!!!!」
彼は叫びながら、GSでは彼にしか出来ない最高の傑作品、『文殊』を手の上に生み出す。
「出口ごと吹っ飛べぇええええ!!!!」
…『爆』という文字が、文殊に浮かぶと同時に、それを発動する。
………彼は気づいただろうか?その作業を、ほんの一瞬のうちにしていたということを…

―――あぁぁもぉ!!!暑いなぁ!ぢゃなくて…こんばんは!sauerです!!
 ボク、ほぼ毎日ここに書き込んでるんだけど、その割にはお話が進まない…(泣)
  おまけに、今回中途半端だし…こうなったら、今日中にもう一話…!!(大嘘)

 

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