ザ・グレート・展開予測ショー

おとこならばっ(中編)


投稿者名:hazuki
投稿日時:(01/ 6/28)

みしり
と鈍い音をたててくの字の体が折れ曲がる妖怪。
「っっ!!」
その瞳が苦痛の光をかすかに宿す。
だがそれ以上にその瞳にあるのはそれをおおい隠すほどの闘志。
かちり
と横島と視線が合う。
にやり
と妖怪の口元が歪む。
やばいっ
と同時に頭の中に信号が鳴る。
次の瞬間からだが勝手に動いていた。
だん!!!
と空気を切り裂く音。
拘束されていない片腕からの衝打。
だが本来ならば手のひらの下にある横島のつぶれた頭は無かった。
寸前で身をよじり避けていたのである。
髪の毛がニ・三本風圧で宙に舞っている。
妖怪は更に衝打を与えようとするが横島は片手を腕から引き
とん
と軽く勢いをつける
腹部にある足で踏み切り勢いをつけ体をおこす。
頭突きのおまけつきである。
そして
ずぶり
とあまり嬉しくない音を耳に残して刀を腕から放す。
ぼたり
血が流れる。
横島の腕からだらだらと血が流れている。
どうやら刀を抜いたせいで傷口が一気に広がったらしい。
「てええええ」
と横島。
基本的に殴られる事には慣れていても刃物の痛みにはなれていない。
どくどくどく
とその傷口が心臓になったような錯覚におちいる。
しかも殴られるのとは違って鋭いのだ痛みが。
意識をそのままもっていかれそうな痛み。
結構な失血な為かくらりと眩暈がする。
ジージャンの腕の部分がじわじわと紅く染められる。
鉄のさびたようなつんと鼻にくる独特の臭い。
血の臭いだ。
くっと唇をかみしめる。
前を見る。
前には肋をおさえている妖怪。
動きが止まる。
お互いの様子を見ているのだ。
だがその沈黙も数瞬もつづかない。
ちゃき
と刀を持ちかえる音。
ぞわり
と背筋が寒くなる。
「おおおおおおおおおおお!!」
と自身の痛みを振り払うかのように耳をつんざぐ大音響で刀を突き出す。
応戦しようとするがそう思った時には視界一杯に広がる日本刀の切っ先。
こびりついている赤黒い液体は自分の血液。
「くっ!!!!」
なんとか横に動き紙一重さける。
あと一瞬動きが遅れていたら喉仏に刀が突き刺さっていたものである。
常人では考えられない反射速度であった。
つづく
こんどこそ後編に続く(汗
・・・・・・・・・・え?駄目ですか?

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