ザ・グレート・展開予測ショー

横島クンは神になれるのか?〜その4〜


投稿者名:sauer
投稿日時:(01/ 6/27)

そいつは、シンプルな白いローブに、ショートの黒髪。そして……
「?…あんた、さっきのヤツよね?なんか、目が赤いわよ…?」
「先ほどとは ずいぶんちがって見えるでござる。」
「さすが、魔物は変化も早いわね…けど、変化に気を使いすぎて疲れてるんじゃない?」
……そして、肩で息をしていて、目はウサギのような赤色になっていた。
「…ど〜見ても、泣いた後のよ〜にしか見えないんですけど……?」
おキヌちゃんの言うことも もっともだ。俺にだってそー見えるな…
「ふぅ…まだまだね、おキヌちゃん…いい?コイツは、どー見たって、かなりのレベルの
 魔物よ?それも、ですます言葉の。そんなヤツが、私達が居なかったあいだに、
 めそめそ泣いてたとでも思う?想像しただけでも、けっこう笑えるわよ?」
と、言いつつ ニコッと笑う。…美神さん…気づいてて言ってるんだろ〜な、やっぱ…
「そーでござるっ!! 武士は人も魔物も同じ!!
 戦いにおいて泣くよ〜な輩は、ひとりも居ないでござるよっ!!」
「武士かどうかは置いといて、確かにあれしきのことで泣くヤツなんて居ないわよね…」
シロが ぐぐっと拳に力を入れて力説、タマモも、めずらしく同じ意見らしい。
………やっぱ、この二人は気づいてないんだろーなぁ………
「ち…ちがうッ!ぼ…僕は決して泣いてなんかないぞッ!嘘じゃないぞッ!
 …ただ、ちょこっと、作戦失敗した時の『お仕置きタイム』のことを思ったら、
 なんか猛烈にこの世が名残惜しくなって、それで…ちょっと心の汗が目から……」
あわわわ、とまぁ、楽しいくらいに取り乱しちゃってまぁ…こいつ、案外いいやつかも…
こうなると、おもわず同情の一つや二つは、うまれてくるわな。
「『お仕置きタイム』か、お前も大変だな…」
「そうなんだよ、横島クン…今回の作戦だって、僕はやりたくなかったんだよ…
 でも、お師匠様は『こんなチャンスはめったにないぞ』って言って、
 勝手に僕に押し付けるし…台本(シナリオ)は、僕のキャラじゃ…!!!あ、いや!!
 今のなんでもない、なんでもないんだ!じゃなくて『なんでもありませんよ』」
?な…なんだ?こいつ?そ〜いや、さっきは ですます言葉だった、って美神さんが…

「……ええい、こーなったら、実力行使だ!!横島クン、ごめん!!」
言ったと同時に、すさまじいまでの霊波を放ちながら、彼はその光を発している右腕で
横島になぐりかかっていった。
「なっ!!」
間一髪、わずか一瞬の差で、横島はそれをかわす。
「な…なんてことすんだ!当たったらどーすんだ!!」
「……いや、今のはあきらかに当てる気だったでしょ?ねぇ?美神…?」
あまりにも、間の抜けた横島のセリフに、タマモも苦笑を浮かべ、
おそらく同じような表情を浮かべているであろう、美神のほうに視線をやるが…
「………う…うそ…なに?いまの………」
…そこには、彼女の期待していた表情はなかった。かわりに浮かんでいるのは…
驚愕の表情である。期待が外れて、タマモは少しばかりきょとんとする。
「何をそんなに驚いてるの?何か大切なことでも忘れてたとか…?」
「えっ!?…せ、拙者何も忘れてはござらんが…多分…」
「それに今回は、忘れて困るほどの装備はもってこなかったと思うんだけど…?」
タマモ、シロ、おキヌちゃんの順に、今日の装備品の確認を始めようとした…
「ちがう、横島クンよ!何なの、今の反応速度は…!考えられない、
 今の動き……はっきり言って、『見えなかった』わ………!」
「「「!?」」」
今度は、三人の方が驚愕の表情を浮かべる番だった。
「なっ!なにそれ!?…美神に見えなかったって…そ、それにあたしには見えたわよ?」
「せ…拙者にも見えたでござるよ?そ、それはたしかに、
 いつものせんせいより、少しは速かったようでござったが……」
「わ…わたし気づきませんでした、(いつも見えないし…)」
もちろん、この三人が言っていることは、確かに正しい。タマモとシロは、
妖狐と人狼の、特有の反射神経で、横島の動きを捉えるのに別段苦労することもないし、
おキヌちゃんにいたっては、もともと目は悪くないものの、戦闘用に鍛えている、というわけでもない。(心眼も、すでにヒャクメに返却ずみだし。)
「確かに、目で追うだけならたいしたことじゃないわ。ヒトの動きが、眼球の反応より
 速いなんてことは、けっしてありえないもの。それでも今の動きが見えなかった。
 もしかすると、実戦で相手にしたら、消えるように見えるかも…」
「「「…………………」」」

 美神達が話をしている間にも、横島と、『彼』の攻防は止むことはなかった。
むしろ、どんどん速度、霊波ともに増していく一方である。
その時、ふたたび彼、横島の体に、違和感があらわれ出していた。
「!…な、なんだ、この感覚は………!?」
………明らかに、何かが始まる前触れだった………

―――こんばんは、sauerです。やぁっと、話が動きだします。(ふぅっ、ひといき)
 ココから先は、反対票必須ゾーンをまっしぐらなので、ちょっと、勇気が要ります。
  けど、もともと反対票は覚悟の上、最後までお付き合いいただければなぁ、
    ・・・と、思っていますので、よろしくお願いします。(ぺこっ)

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