ザ・グレート・展開予測ショー

GSキラー:track04[シルバー・ジャイアント&レッド・デビル]


投稿者名:ダテ・ザ・キラー
投稿日時:(01/ 6/27)

再び「おキヌ、雪之丞、弓」パート。
工場跡はすっかりそれらしい姿へと変わり果てていた。いや、原型を留めない破壊を受け、
「跡」の部分のみが強調されていただけだが…。その、生とは縁遠い場で何かが動いた。
「ぐ…、畜生…!まさか建物ごと投げ飛ばされるとは…戯けたパワーだな。」
呟きながら、己に圧し掛かる瓦礫を押し退けて、人型をなした緋色の「何か」が現れた。
足元にはおキヌと弓がよこたわっている。そして眼前には白銀の巨人が佇んでいた。
それに向かって緋色の方が言い放つ。
「俺は人呼んで伊達雪之丞!はぐれスイーパーだ。てめぇは何モンだ?」
「…………ブ………」
ふいに、巨人が何事か声を上げたので、雪之丞が聞き返す。
「ぶ?」
「ブローム」
雪之丞はそれを聞いて突っ伏した。そして唸るように呟く。
「なるほど。それであんなモンぶん投げたのか…筆者は姑息だな…」
ほっとけ。
「そんならこっちもいっちょ、ブ…ワーッといくぜ!」
巨人が「ブ?」と聞き返すいとまもあればこそ、雪之丞は超常的な脚のバネで迫る。
バシッ
圧倒的なスピードで接敵ざま放った正拳突きが巨人の眉間に突き刺さる。が、
「バカな…」
驚愕と絶望の声は雪之丞があげたものだった。彼の右手の肘から先の鎧が掻き消えている。
こんな事は未だ嘗て無かった事だ、こんな事とは、魔装術――彼の霊気の鎧。が部分的に
消える事と、魔装術が彼の意志と無関係に消える事の両方を指していた。
バチィィィッ
呆然自失としていた雪之丞を巨人の拳が撥ね飛ばした。同時に魔装術は全て霧散する。
(こいつぁ、ヤベェ。…二人を守んねーと…相棒にあわせる顔がねぇ)
全く無警戒なところに一撃を受け、薄れゆく意識の中、思い浮かんだのは好敵手の姿だった。


美神除霊事務所にて
「それじゃ、タマモ、私は依頼人と外で打ち合わせしてくるからね。そうそう、
いつもどうり5時に一旦集合するからね。学校も終わる筈だし、シロの帰りがあんまり
遅かったら、悪いんだけど、捜してきてくれる?」
いつの間に起きていたのか美神は自室から出るなり早口でまくしたてた。
「タダってわけにはいかない」
対照的にタマモは落ち着いたようすで窮めて簡潔に答えた。
「な…何よ?言っとくけどね、私からふんだくろう、ってんなら血ぃ見るわよ?」
美神は殺気さえ漲らせてタマモにくってかかる)その眼は確かに血走っている。
「いーんじゃない?迷惑かけたシロの小遣い無しにして私に出せば。」
「…アンタもなかなかあこぎねー」
またもしれっ、と言うタマモに美神は「やれやれだわ」と言いながら承諾した。
タマモが社会の(と、言うより美神令子の)常識を順調に学習している証拠であった。


またも放課後。教会にて
「……と、言う訳なんです。」
ピートは教会の主に事の顛末を話して聞かせていた。横島はとゆうと‘栄光の手’を出し、
しげしげと眺めていた。ピートから事情を聞いた男は横島のそのようすを見て言った。
「特に後遺症が残るわけでもなく、ある程度近づくと霊能力が正常に機能しないのか…。
そういった物にこころあたりがあるにはあるのだが…相手が人間でないというのがな…」
相手が妖怪やゴーレムであるなら霊波に変調をきたす装備などできよう筈も無い。
「ええ。GSの能力を封じ、尚且つあのパワーですからね…無敵なんでしょうか…」
ピートはこちらの言わんとすることを誤って捉えた。男は誤解を指摘しようとも思ったが、
結論が出ない点が変わらない以上、不毛なことと言えた。ここで横島が口を開いた。
「ま、何はともあれ美神さんに知らせた方が良さそうっスね。電話借りてもいースか?」
横島は(いざとなったら美神さんが核ミサイルでもぶち込むだろーから)気楽に構えた。

つづく

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