ザ・グレート・展開予測ショー

横島クンは神になれるのか?〜その2・B面〜


投稿者名:sauer
投稿日時:(01/ 6/25)

「「許せん(でござる)………」」(ハモり)
二人の多感な乙女(最大級苦笑)の、微妙な心のシンクロを前に、タマモはクールに
「やれやれ、ね…」といいながら苦笑をもらした。以前の彼女からは考えられないほど、
人間っぽい仕草である。彼女もまた、少しずつだが変わっていたのだった。
この、『やれやれ』も彼女が真友くんにかりた、某少年漫画から学んだものだった。
 真友君は自分にはもったいないくらいのボーイフレンドだと思うし、なにより
彼は、とても優しい。………とても…やさしい?
「ま…まさかね…」今度は正真正銘本物の苦笑を、ひとすじの冷や汗が飾る。
そのセリフは、いつも横島がいないときに、おキヌ…ちゃんが自分と、馬鹿犬(笑)に
嫌と言うほど聞かせてくれたセリフであった。
「横島さんは、ホントに、とても優しいひとなの。ふたりとも、横島さんに
 あんまり迷惑かけちゃだめよ?ふふ…人の頼みを断れないんだから…」
馬鹿犬はコクコクと馬鹿正直に首をふり、せんせいに迷惑は、かけんでござるー!
とかいってた。23分でその言葉は撤回したけど。けど横島が、人の頼みを断れない?
あいつこの前、目つきの悪い男友達(雪之丞)が、金かりにきたとき、思いっきり
断ってたけどなぁ。まぁ、あいつが金持ってるなんてありえないけど…って、
なんであたしが、あんなやつのこと考えてんだろ!?真友くんのこと考えてたのに……
おキヌ…ちゃん(まだ慣れないのよね、この言い方)のがうつったかな?
真友くん、まさかそのうち横島みたくなるんじゃ…よ、よそう、やな事考えるのは…(汗)

 そのとき、ふいに彼女たち三人の周囲で、強力な霊気が収束した。
「な…!なに、この霊気は…!?」美神は一瞬のうちに事態を悟り、
「く…っ!!なんでござるか!?」シロも霊波刀を掲げる。
「なに!?この感じ…」タマモのカンは、おそらく外れていない。
三人の霊感が、おなじ場所に対して反応した。強い、何かがいると。
その時、前方にいた横島たちの、ちょっと手前が音を立ててふさがれた。
「戦力分散された!?」美神は、舌打ちをしたが、今はこの強い霊波のもとに
何がいるか、をきっちり把握しておく必要がある。
「おや、『面白いもの』がいますね」突然、かなり場違いな声が聞こえた。
「!だれかしら?姿を見せたほうが身のためよ…」一応身構えて様子を見る。
「う〜〜ん、『もの』と話す口はもたないのですが…」声は、どこから聞こえるのか?
「(むかっ)へぇ…いい根性してんのね…」見つけたらミンチにしてやる。
「あなたほどじゃあ、ありませんがね。」突然後ろで声がした。
「なっ!?・・・」思わず硬直する美神。いつのまにきたのか、気配を感じなかった。
「美神どのっ!?」
「美神ッ!?」
人外の反射神経を持つ二人にさえ、何がおきたのかわからなかった。
「あなたたちには、『彼』を呼び出す餌になってもらいますよ、美神さん、シロさん
 タマモさん。その前に…あの女の子…おキヌさん、でしたか。彼女はどこです?」
「「「へ?」」」思わず三人の声が、きれいにハモる。
「隠すとためになりませんよ?」
「あんた・・・本気でいってんの?」
「へ?」こんどは後ろの『男』の反応だ。
「・・・」黙って指を、瓦礫のほうにむける。『男』は怪訝な顔をしていたが…
「!!!!!!!!!!!」『男』の顔から、滝のような汗が流れ出した。
そして、このとき彼女達は確信した。
「こいつは強いが敵じゃない」と。なおかつ、思い出したかのように、タマモが、
「そういえば、横島とおキヌちゃん、大丈夫なの?」
「せんせいがついているでござる。何の心配もござらん。ね?美神どの?」
「え!?あいつが(あのちょっと雰囲気よかった)おキヌちゃんと!?」
「…ふたりっきりね。」なぜか、うれしそうなタマモ。
「・・・・・・・・・」シロにいたっては、顔面蒼白である。
「お、おキヌちゃんが危ない!!」
もはや彼女たちにこの『男』のことなどどうでもよかった。

――――おわった。なにもかも・・・     つづきます。

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa