ザ・グレート・展開予測ショー

GSキラー:track03[LONSOME BOY’S LIFE]とその他


投稿者名:ダテ・ザ・キラー
投稿日時:(01/ 6/24)

補足?:前章はいささか分かりづらかったこととおもいますのでそこんとこをすこし、
そもそも胸のすくようなアクションを書きたかった自分は前回大分舞上り、
せっかくお褒めにあずかった文章力を完全に殺してました。(阿呆)んで前回の要約です。

突如、横島とピートを襲撃する白銀の巨人。文珠をもってしても傷一つつかない奴は何者?

…えー、あれだけもったいつけてこれだけってのもひでぇ話ですね。(俺か)
気を取り直してアルバム「GSキラー」から前半で最もパンクなこのナンバーを聴いてくれ。
               LONSOME BOY'S LIFE


時間は午前中迄さかのぼる。ここは工場跡、その時周囲には気配が二つあった。
その一方、圧倒的に弱い方。もっとも、ただ弱いわけではないことはよく解っているが、
とにかく彼の目標はそっちであった。何はともあれ、さっさと連れ出そう。そう考え、
真っ直ぐ目標に歩み寄る。回りくどいことは出来ないし、やろうとも思わない。ただ、言う。
「学校はどーした?まさか朝っぱらからシャブ喰ってラリってんのか?」
皮肉も結構回りくどかったか?ふと思うが相手は聴いちゃいなかったらしい。
「雪之丞さん!どうしてここに?」
キヌに問われ、雪之丞は目を逸らしながら答え始める。
「あぁ、実はたまたま、あくまで副次的に六女の近くを通ってな…、断っとくが普段なら、
そこの傲慢女に会わねぇように避けて通ってたんだぞ!…ま、何はともあれそんで霊感が
…って何が可笑しい!!」
「いいえ?雪之丞さんが来てくれて、安心して気が緩んだのと、弓さんが羨ましくって…。」
キヌは雪之丞とは対照的にニコニコしながら答える。
「馬鹿野郎!からかってんじゃねえッ!!」
雪之丞は怒りで(?)顔を紅潮させて叫んだ。だが、すぐにそれどころではなくなった。
「?」
いや、すぐにではなく、ゆっくりと周囲が異変に呑まれていくようだ。唐突に音がする。
コロコロコロ…。見ると捨てられた空き缶が転がっていた。更に言えばなにか身体が重い。
それがすぐに逆に、まるで地球から引き剥がされるような不安。次の瞬間、悪夢が起こった。
天地はその区別を失ってしまっていた。

美神除霊事務所にて
彼女は名残惜しいベッドを顧みる事無く自室をあとにするとダイニングへと進路を執る。
と、まず最初に慣れた手つきでポットをいじくる。サイズが合わないパジャマの袖も器用に
さばき、(彼女の衣服のサイズが合わない理由がいまいち解らないが。)目的を達すると
面倒くさそうにソファーに沈み込む。そして、それに応えるように建物が語りかけた。
「おはようございます、タマモさん。」
タマモは億劫な気持ちになんとか抗い右手を振って言った。
「おはよう、人工幽霊1号。悪いけど3分数えてくんない?」
「わかりました。」
このいつものやり取りにタマモは不公平を感じていた。彼との挨拶となると
自分の方が明らかに辛い。いつかいってやろうと思う。「思うだけだ」と自粛するが。
(アンタ、名前長いわよ。)

ここで一旦、さかのぼった時と舞台を戻す。横島とピートの連携攻撃はこの上なく完璧に
決まった筈であった。だが実際に敵はそれに関る一切の変化を見せてはいなかった。
「こんな…、バカな……。」
呆然と呟くピート。敵がまだ戦える事を看破したピートだが、いや、だからこそここまで
何事も無いとは俄には信じられない。一方、横島も平静ではいられない。
「うへ、……うへへ。これは夢さ…。本当の僕は暖かい布団の中……。」
「横島さん?しっかりして下さい!」
「じゃかしわい!どうせ死ぬなら意識がしっかりせんほうが痛くなさそうじゃねーか!!」
言い合っているところに敵が迫った。動き事態は緩慢で、ピート一人なら十分かわせた。
しかし、自棄になっている横島を守らねばならない。どうすれば良いというのか?
「ヴァンパイア・ミスト」
バシュゥゥゥゥ
ピートの霧化能力は接触している他者を一人まで巻き込める。これで二人とも安全な筈…
ズドンッ
「ぐ…あ?」
敵の巨木がごとき腕がピートの腹部に突き刺さっていた。確かに霧化していた筈であったが
敵の拳が着弾した部分から侵蝕されるようにみるみる霧化が解けていた。
「ピ…ピート?……うぅ、…もー、こーなったら破れかぶれだ!栄光の手!!」
掛け声とともに横島の全身の霊気が右手へ集束していき、余剰した霊気が光となって溢れ、
瞬く間に手と同化した一振りの剣の姿へと組み上がってゆく。これこそが「栄光の手」。
文珠が横島の切り札ならば、この「栄光の手」こそ彼の主兵装、GS横島の代名詞といっても
決して言い過ぎにはなるまい。もっとも本人は初めて使用した際、
「変な病気」呼ばわりしたが…。
(まぁ、どーせ文珠も効かんような奴だ。2,3発ブッ叩いて隙見て逃げよう。)
なるほど、冷静な判断は甦ったようである。
ビュンッ
「栄光の手」を振りかぶり渾身の跳躍!その後一気に敵に右手を振り下ろす。が、しかし、
そこに数々の戦場を共にくぐり抜けた剣状の烈光は無くなっていた。
「な…何ィィィィ!?」
ズドッ
空中にいた事はむしろ幸運であった。横島は喰らったパンチの衝撃に吹っ飛ばされたため、
完全には直撃しなかったのである。もしそうでなければピートよりはるかに脆い横島のこと
命があったかも怪しい。しかし何故「栄光の手」が消滅したのだろうか?
(まずいな、文珠は有るには有るけどあと1発。そいつがもし通じなかったら終わりだ。)
今のダメージの所為だろう。立ち上がることすらままならない。現状で文珠を打ち止めに
してしまえば最早打つ手は1つも無い。逃げることすらかなわない。
「ぐ…クソ!……サイキックソーサー…!!」
横島はまたも右手に全霊力を集束させ、今度は霊波を板状に組み上げた。そして、投げる。
しかし、「サイキックソーサー」は敵の前に脆く崩れ去る。
「この…、もういっちょ!」
再び霊気のタテが宙を舞う!だが、今度は狙いを誤り、狭い道の片側の塀を打ち壊す。
砂塵が舞う。これを機にピートが動く。
「撤退します!つかまって!!」
きわめて迅速に霧化して側溝に潜り込んだ。横島は呪うように呟いた。
「おのれ、俺に勝ったぐらいでいい気になるなよ。美神さんに折檻されるがよい!」
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